「第2トンネル(鉄原) 月曜限定ツアー」レポート
作成日:11.02.22更新日:19.04.10
朝鮮戦争の痛みが実感されるツアー
朝鮮戦争停戦(1953年)以降、韓国と北朝鮮の間には停戦ラインの軍事境界線が設けられ、その南北約2kmずつは DMZ(Demilitarized Zone)と呼ばれる非武装地帯です。
しかし、北朝鮮は韓国に侵入するために停戦以降にもトンネルを掘っていたとされ、いわゆる「南侵トンネル」は韓国側で4本確認されています。
しかし、北朝鮮は韓国に侵入するために停戦以降にもトンネルを掘っていたとされ、いわゆる「南侵トンネル」は韓国側で4本確認されています。
1975年に発見された鉄原(チョロン)の第2トンネルは「南侵トンネル」のうち最も規模が大きく、 全長約3.5km、地下50~160m、1時間あたり約3万人の武装兵力を移動可能、四輪駆動型の小型戦車も通過できるとされます。
しかも軍事境界線から南(韓国側)に約1.1kmまで達しており、北朝鮮が大規模な奇襲に備えていたことに震撼させられます。
鉄原はソウルから北北東に約100km離れた江原道(カンウォンド)に位置しており、ソウルからはバスで片道約2時間です。
しかも軍事境界線から南(韓国側)に約1.1kmまで達しており、北朝鮮が大規模な奇襲に備えていたことに震撼させられます。
鉄原はソウルから北北東に約100km離れた江原道(カンウォンド)に位置しており、ソウルからはバスで片道約2時間です。
第2トンネル月曜限定ツアースケジュール
・鉄原(チョロン)に向け出発
・漢灘江(ハンタンガン)観光事業所にて手続き
・南侵第2トンネル見学
・月井里(ウォルジョン二)駅・鉄原平和展望台見学
・昼食(プルコギ定食)
・ソウルに向け出発
※行程は現地の事情等により変更になる場合があります
・漢灘江(ハンタンガン)観光事業所にて手続き
・南侵第2トンネル見学
・月井里(ウォルジョン二)駅・鉄原平和展望台見学
・昼食(プルコギ定食)
・ソウルに向け出発
※行程は現地の事情等により変更になる場合があります
集合、出発
指定の時間と場所に集合し、受付をします。パスポートは必ず持参下さい。当日持参しなかった場合、ツアーに参加できません。
また、服装は自由ですが、 トンネル内は足元が悪いため、歩きやすい服装や靴をおすすめします。
また、服装は自由ですが、 トンネル内は足元が悪いため、歩きやすい服装や靴をおすすめします。
移動、漢灘江観光事業所で手続き
鉄原までは約2時間余り。途中で休憩所に立ち寄ります。
ソウルから1時間余り進むと、車窓の景色はのどかな田園風景に変わります。鉄原は渡り鳥の飛来地として有名で、天然記念物にも指定されています。10月中旬から翌3月までは田畑に白鷺や鶴など、様々な種類の鳥を見ることができるでしょう。
ただし、冬はソウルより5度程度低いので温かい服装が必要です。
鉄原に着いたらまず鉄原の漢灘江観光事業所で第2トンネル見学の手続きをします。
ソウルから1時間余り進むと、車窓の景色はのどかな田園風景に変わります。鉄原は渡り鳥の飛来地として有名で、天然記念物にも指定されています。10月中旬から翌3月までは田畑に白鷺や鶴など、様々な種類の鳥を見ることができるでしょう。
ただし、冬はソウルより5度程度低いので温かい服装が必要です。
鉄原に着いたらまず鉄原の漢灘江観光事業所で第2トンネル見学の手続きをします。
南侵第2トンネル内部見学 ※撮影制限あり
漢灘江観光事業所からバスで約10分進むと韓国軍の検問があり、ここからは車外の写真撮影は禁止され、さらに10分ほどで第2トンネルの入り口に到着します。
備え付けのヘルメットをかぶり、1列に並んで進みます。最初は300mほどややきつい傾斜の下り階段が続き、トンネル本体に到達。さらに500mほど緩やかな下り坂を進むと小学校の教室ほどの広さの終点に着きます。
周囲に数席のベンチやトンネルに関する約15分の広報ビデオが備えられています。
備え付けのヘルメットをかぶり、1列に並んで進みます。最初は300mほどややきつい傾斜の下り階段が続き、トンネル本体に到達。さらに500mほど緩やかな下り坂を進むと小学校の教室ほどの広さの終点に着きます。
周囲に数席のベンチやトンネルに関する約15分の広報ビデオが備えられています。
トンネルはさらに300m進むと軍事境界線の直下になりますが、遮蔽されていて先はうかがえません。
通路幅約1.5mですが、酸素を送るダクトなどが壁際に設けられいるため、人が歩く部分は1m未満。高さはもとは約2mでしたが、地面に滑り止めのためのゴムを敷くなどしており、平均約1.6m。
数mおきに照明がありますが、地面は少量の地下水で湿り、天井や壁は岩がむき出しです。
通路幅約1.5mですが、酸素を送るダクトなどが壁際に設けられいるため、人が歩く部分は1m未満。高さはもとは約2mでしたが、地面に滑り止めのためのゴムを敷くなどしており、平均約1.6m。
数mおきに照明がありますが、地面は少量の地下水で湿り、天井や壁は岩がむき出しです。
往復15分余りかかるうえに途中で列から離れるのは禁止されています。
閉所恐怖症の人やハイヒールでの入場は控えるのがよく、お年寄りや小さな子供が参加する場合は慎重に判断したほうがいいでしょう。
トンネルに入らない場合は近くにある軍備品などの展示館で待つことができます。
閉所恐怖症の人やハイヒールでの入場は控えるのがよく、お年寄りや小さな子供が参加する場合は慎重に判断したほうがいいでしょう。
トンネルに入らない場合は近くにある軍備品などの展示館で待つことができます。
月井里駅 ※撮影制限あり
バスで約10分ほど移動し、月井里駅へ。1914年にソウル(当時は京城)から北朝鮮の元山(ウォンサン)まで続いていた京元(キョンウォン)線の簡易駅として設けられました。小さな木造の駅舎やコンクリートのホーム、途切れたレールが残っている廃駅で、現在の姿は1988年に復元されたものです。
また朝鮮戦争時代に国連軍の攻撃で破壊された北朝鮮の軍用貨物車が戦争の激しさを物語るように置かれ、駅前には迷彩色の戦車も展示されています。駅のすぐ横にはタンチョウの資料館もあります。
鉄原平和展望台 ※撮影制限あり
バスで約10分ほど移動し、鉄原平和展望台へ。高台にあるので、下の駐車場からモノレールで3分余りかけて上ります。
2階の展望フロアはDMZやその向こうの北朝鮮の風景が見渡せ、周辺地域の模型で建物や山野の説明をしてもらえます。
有料の双眼鏡を使うと、DMZ内にある古城跡や北朝鮮の集落、警戒所に立つ兵士の姿も見られます。ただし展望窓から外を撮影するのは禁止されています。
有料の双眼鏡を使うと、DMZ内にある古城跡や北朝鮮の集落、警戒所に立つ兵士の姿も見られます。ただし展望窓から外を撮影するのは禁止されています。
1階の展示室には、第1~4トンネルを説明するパネルなどが並んでいます。
昼食・休憩
昼食は、漢灘江観光事業所横の食堂で。観光事業所前には戦車や小型戦闘機が置かれ、中には北朝鮮の生活や南北交流をパネルなどで伝える展示室があり、北朝鮮の酒のビンや陶磁器、生活用品、軍銃や爆弾が並んでいます。
また近くを流れる漢灘江沿いに岩や川の姿が美しい景勝地・孤石亭(コソッチョン)があり、夏は川下りのボートなど行楽者でにぎわいます。約10分で往復できるため食後に時間の余裕があれば散策してもいいでしょう。
お土産購入、ソウル到着
ツアーの中で、お土産が買える主な場所は数軒の記念品店が並ぶ漢灘江観光事業所周辺。
また第2トンネル前にある展示館1階の売店や鉄原平和展望台に上るモノレールの下の駅に隣接する店などがあり、地元の穀類を使った食品や北朝鮮の酒類が販売されています。
帰りも行きと同じく休憩を挟んで2時間余りでソウルに戻ります。
また第2トンネル前にある展示館1階の売店や鉄原平和展望台に上るモノレールの下の駅に隣接する店などがあり、地元の穀類を使った食品や北朝鮮の酒類が販売されています。
帰りも行きと同じく休憩を挟んで2時間余りでソウルに戻ります。
終戦ではない意味を考える時間
日帰りとはいえ、ソウルとは違う田舎の暮らしや自然にも触れられるこのツアー。しかしなんといっても有意義なのは、朝鮮戦争が現在も韓国に大きな影響を与え続けていることが感じられる点でしょう。
第2トンネルの入り口には、停戦からの日数を1日ずつ増やしていく掲示がかかげられ、その悲惨な戦争が今も終わりに至ったわけではないことに気づかされます。
ソウルから往復4時間余りかかる行程ですが、それらの意味を考える貴重な時間となるでしょう。
第2トンネルの入り口には、停戦からの日数を1日ずつ増やしていく掲示がかかげられ、その悲惨な戦争が今も終わりに至ったわけではないことに気づかされます。
ソウルから往復4時間余りかかる行程ですが、それらの意味を考える貴重な時間となるでしょう。
南北境界線の訪問レポート
知っておきたい韓国の歴史
- 掲載日
- 11.02.22
※掲載内容は、予告無く変更されている場合があります。掲載内容を保証するものではありませんのでご了承下さい。