二村駅近くのアジア最大級博物館 「国立中央博物館」は、韓国ソウルの龍山(ヨンサン)エリアに位置する韓国を代表する博物館です。敷地9万3000坪に延べ床4万1000坪の大きさは世界で6番目。国宝約60品や宝物約80品を所蔵しており、世界の有名博物館に肩を並べます。館内には旧石器時代から朝鮮王朝時代まで、韓国だけでなくアジア文化をも網羅した1万5000点の出土品などがずらりと展示され、韓国の国宝や宝物などに指定された文化財も多数展示。なかでも白眉の品は2体の「半跏思惟像(はんかしいぞう)」で、東洋仏教の記念碑的作品で、この2体のためだけの空間「思惟の部屋」が2021年11月にオープンすると、大きな話題を呼びました。屋外の庭園に史跡のレプリカなどがあるほか、子ども向けの博物館、公演場も隣接しています。
施設の特徴・入口
歴史の息吹、文化の力を感じられる アジア最大級の博物館
国立中央博物館
「国立中央博物館」は
龍山(ヨンサン) に位置する韓国の代表的な博物館です。敷地面積は93,000坪、延べ面積41,000坪でその大きさは世界で6番目。
所蔵品は約30万点にのぼり、常設展示室には12,000点ほどが展示され、規模のみならず所蔵品の多さでも世界の有名博物館に肩を並べる博物館です。
場所は、
地下鉄 4号線と京義・中央線の2路線が乗り入れる二村(イチョン)駅近くにあります。
「常設展示館」入口
※以前、手荷物検査を実施していた頃の写真
「常設展示館」はチケットの申請・受け取りは不要で、無料で観覧できます。
インフォメーション・日本語解説
インフォメーション
日本語解説員による説明付きで「常設展示館」を観覧できるプログラムも実施中(無料)。電話での事前予約制(日本語02-2077-9676)となっており、2名から実施されます。
また、無料アプリ「国立中央博物館 展示案内(National Museum of Korea)」をダウンロードすると、スマートフォンで日本語解説を視聴することができます。
パンフレット
持ち物チェックが終わったところが、解説員との待合場所
博物館専用のアプリもあります。
常設展示館(東館1~3階)
「常設展示館」は展示空間をつなぐ廊下である歴史の道を中心に、左・右それぞれ3フロアに展示室があります。1階は先史・古代館と中世・近世館、2階は、書画館と寄贈館に思惟の部屋、3階は彫刻・工芸館と世界文化館といったセクションで構成されています。
歴史の道
ホールを通り過ぎると、展示空間をつなぐ廊下である「歴史の道」が現れます。ガラスの屋根と壁から自然光を取り入れ、屋外にいるかのような雰囲気が演出されています。吹き抜けになっているため、この通路に置かれている石灯と石塔は、何階からでも眺めることができる仕組みになっています。
「歴史の道」
「敬天寺十層石塔」
1階:先史・古代館
ここでは旧石器時代から渤海まで、先史と古代の約1万点の遺物を見ることができます。展示物は、三脚とフラッシュさえ使わなければ、撮影も可能になっています(一部の作品をのぞく)。
ここでの注目作品は「新羅金冠」。新羅王族の力と権威を感じ取ることができる、黄金に輝く美しい冠です。
韓国時代劇ドラマ にもよく登場するのでドラマファンなら見たことがある方も多いはず。
新羅金冠
(新羅室)
櫛目文土器
(新石器室)
百済金銅大香炉レプリカ
(百済室)
農耕文青銅器
(青銅器・初期鉄器室)
龍頭
(渤海室)
1階:中世・近世館
韓国の代表的な文化遺産である
ハングル と金属活字をはじめ、金石文、文書、地図など約900点が展示されています。
注目はは「北漢山 新羅真興王碑」。新羅の領土を広げた真興王(チヌンワン)によって作られた、金石文の代表的遺物です。
また、李朝期最高の地図である「大東輿地図」の一部を見ることができます。朝鮮時代の地図職人・金正浩(キム・ジョンホ)が27年間かけて1861年に完成しています。今の地図とほとんど変わらない出来だというから驚きです。
北漢山 新羅真興王碑
大東輿地図 木版
2階:思惟の部屋(サユエバン)
2021年11月に寄贈館の一部がリニューアルされ、国宝の「半跏思惟像(パンガサユサン)」2体が設置された、その名も「思惟の部屋(サユエバン)」がオープンしました。片方の足を、もう一方の膝の上に乗せ、手を頬にあてて考えにふける姿勢が描かれており、韓国仏教彫刻の中でも最高傑作とされています。
1989年から33年間「国立中央博物館」に勤務し、2020年に館長に就任したミン・ビョンチャン氏による企画で、「半跏思惟像」の微笑みに惚れ込んだ館長が、建築家のチェ・ウク氏に展示室の設計を依頼。
「2体を同時に展示」「後ろ姿も見られる」「ガラス張りにしない」の3点を要望しながら、最終的に小劇場ホールほどの規模の薄暗い空間の天井には星が輝き、宇宙の中の半跏思惟像が演出された「思惟の部屋」が完成しました。
「思惟の部屋」入口
「思惟の部屋」内部
2階:書画館・寄贈館
書芸、絵画、仏教絵画、木漆工芸の4つの展示室に約800点が展示。
2011年に絵画室に新設された「風俗画室」には、朝鮮後期の庶民たちの素朴な生活がうかがえる、有名な金弘道(キム・ホンド)の絵をはじめ、韓国を代表する風俗画20点あまりが展示されています。
また、仏様の絵が連続する「仏教絵画室」にも注目。ここに掲げられた、9メートルを越える「野外儀式用仏画」は圧巻です。
金弘道筆「風俗図帖」
(書画室)
野外儀式用の仏画
(仏教絵画室)
3階:彫刻・工芸館、世界文化館
「彫刻・工芸館」には迫力ある仏教彫刻をはじめ、見ごたえのある名品がたくさんあり、4つの展示室に700点が展示されています。韓国仏教美術と工芸文化の真髄がここにあります。
世界各文化圏の特徴を把握できる「世界文化館」。6つの展示室に970点が展示。インド・東南アジア室は個性的な仏像があって見ごたえ十分。一番奥には日本室もあります。
イマーシブ・デジタルギャラリー(Immersive Digital Gallery)
文化財の知識や背景を知らずとも、視覚的に文化遺産に親しめるようにと、2020年5月から、1階、2階の各エリアに文化遺産を最新映像技術で演出するデジタル空間が設けられました。写真よりも動画に収める訪問客が少なくありません。
後述するソウル市と防弾少年団(BTS)の動画「EoGiYeongCha(オギヨンチャ)」にも登場しました。
2館
VR(バーチャル・リアリティ)体験ができる2階の2館。要予約。
1階にある3館では、高句麗の壁画が映像で蘇りました。
防弾少年団(BTS)が映像を撮影
2020年、新型コロナウイルス感染拡大によって、卒業式への参加が難しくなってしまった学生たちに向けて、
防弾少年団(バンタンソニョンダン) のメンバーが祝うバーチャル卒業式「Dear Class of 2020」がYouTubeのイベントで公開されました。映像は「国立中央博物館」の入口前の広場で撮影されました。
また、2021年にソウル市とコラボレーションした映像「EoGiYeongCha(オギヨンチャ)」の一部も「国立中央博物館」で撮影されました。
※ジミンのシーンの場所は現在ありません。
JINが歩いた広場の竹の道
RMが歌う1階・新羅室
SUGAが指揮する「敬天寺(キョンチョンサ)十層石塔」前
JHOPEが座った玉座前(1階・朝鮮室)
Vが扇子を開く2階の中央通路
JUNGKOOKが太鼓をたたく2階・書画室の休憩室
その他の施設
西館には有料の「企画展示室」があり、博物館が所蔵している文化財が様々なテーマから観覧できます。また、家族連れには「子ども博物館」も人気です。
「企画展示室」
定期的に様々な展示に入れ替え
「子ども博物館」
入場時間は10:00、12:00、13:30、15:00、16:30の1日5回の予約制。「国立中央博物館」のホームページから予約を行います。
劇場「龍(ヨン)」
805席の複合公演場で、クラシック、舞踊、演劇などの多様なジャンルの公演がおこなわれます。
屋外展示
石造物が展示された庭園、
普信閣 の鐘を見ることができる「鐘閣」、建物の姿が水面に映るといわれる「鏡池」など
ミュージアムショップ
1階の「ミュージアムショップ」では記念品や工芸品、レプリカ、作家による作品、デザイン生活用品、ファッション雑貨を販売しています。ハングル入りのタンブラーやマグカップ、韓国らしいデザインのネクタイや文房具など、デザイン性の高い商品がそろい、お土産にもぴったり!
便利施設
博物館には雰囲気の良いレストランやフードコート、カフェなどが充実。
フードコート(西館1階)
思惟の部屋近くのカフェ(東館3階)
コインロッカー(東館1階)
位置
地下鉄・二村駅直結の地下通路
専用地下通路
地下鉄で二村駅に到着したら2番出口方面を目指します。2番出口のすぐ隣に、博物館へと通じる専用の地下通路があり、天候に左右されること無く移動できるので便利。博物館入口の手前で地上に出るので、正面に見える博物館の建物へと移動しましょう。
博物館は1回で見てまわるには大変な規模となっています。館内のあちこちに休憩できるスペースがあるので、休憩をはさみながら観覧すると効率よく回れるでしょう。
また、土日は混雑するので、ゆっくり鑑賞したいのなら平日の午前中や夕方がおすすめです。ファミリーで訪れてもよし、デートにもよし、また、バリアフリー設計になっているので、車椅子の方も大丈夫です。
広大な敷地内には「
国立ハングル博物館 」や「
龍山家族公園 」もあるので、時間があればあわせて訪問してみましょう。
その他のソウル市内の博物館・美術館もまわってみましょう!
掲載日:22.01.25 最終更新日:22.04.19
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・一部記事内容を更新しました(20220419)
・記事全体を更新しました(20220125)
・基本情報を確認しました(20191015)
・営業時間を更新しました(20181031)
・一部記事内容を更新しました(20180713)
・休業日を更新しました(20180423)
・記事全体を更新しました(20170803)
・7月より観覧開始時間が10時になり、営業時間、一部記事内容を更新しました(20170630)
・休業日を変更しました(20170116)
・2016年10月より年中無休となり、休業情報を更新しました(20160930)
・一部館内情報を修正しました(20150603)
・一部館内情報を変更しました(20131220)
・館内情報を更新しました(20130213)
・館内情報、その他外国語を更新しました(20121019)
・施設紹介部分を一部変更しました(120831)
・館内地図、施設紹介部分を変更しました(120816)
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