江原監営

カンウォンカミョン / 강원감영 *登録日時点の情報のため、変更する可能性があります。

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原州

5.0

2件

500年の歴史に触れられる原州市に残る朝鮮時代の文化財江原道(カンウォンド)・原州(ウォンジュ)の市内中心部に位置する史跡「江原監営(カンウォンカミョン)」。監営とは、朝鮮時代(1392-1910)に朝鮮半島を８つの地域(行政区)に分けた朝鮮八道制のもと各道に置かれた官庁のことをいい、江原監営では約500年に渡り江原道内の行政、司法、農政、軍事などの監督管理が行われていました。2000年より補修・復元工事を開始し、2014年現在、道のトップ観察使(カンチャルサ)の執務室だった宣化堂(ソンファダン)をはじめ８つの建物が復元されています。

施設の特徴

監営とは各道に置かれた官庁のこと

ソウルから列車で１時間、江原道(カンウォンド)・原州(ウォンジュ)にある史跡「江原監営(カンウォンカミョン)」。

朝鮮時代(1392-1910)、朝鮮半島は８つの地域(行政区)に分けられ(朝鮮八道制)、各道に置かれた官庁のことを監営といいました。江原監営では道の長である観察使(カンチャルサ)のもと道内の行政、司法、農政、軍事などの監督管理が行なわれていました。

1395年、朝鮮王朝は江陵(カンヌン)道(現在の江陵市)と交州道(現在の春川(チュンチョン)市、原州市)を統合。名称を江原道とし、首府を原州に定めました。江原監営は以後500年に渡り、江原道の政治・行政の中心地となりました。

官庁から軍部隊の本部、そして史跡へ…江原監営の変遷

華やかな装飾

原州に官庁が置かれた理由は２つ。１つは江原道西部の原州は都の漢城まで近い距離にあり、都から所持伝達が迅速に行なえたこと、もう１つは物資の輸送路として陸路が整っていたことや、ソウルまで続く川・南漢江(ナマンガン)があったためと言われています。

1395年の監営設置以降、業務規模が拡大し棟数も増加しましたが、1592年文禄・慶長の役により全焼。その後、歴代の観察使や牧使(モッサ、現在の市長)が再建に尽力し、朝鮮時代中期(1500～1600年代)までに40棟が建設され、後期(1600～1700年代)には50棟以上の規模となりました。

観察使と牧使の功労を称える碑

その後、朝鮮王朝は1895年に朝鮮八道制を廃止。全国を23の府と337の郡に編成する二十三府制が実施されたため、監営は官庁としての役割を終えました。

1896年以降は朝鮮王朝が設立した地方軍隊本部として、また1907年の軍部隊解散後は原州郡庁として使用。朝鮮戦争(1950年)により大部分の建物が破壊されましたが、2000年より補修・復元工事を開始し、2003年には史跡第439号に指定されました。

復元された主な建物

「原州中央市場」などの在来市場がある市内中心部に位置する「江原監営」。各建物前にある説明は韓国語と英語で表記されています。また、建物内部の見学は、宣化堂(ソンファダン)のみ可能です。

布政楼(ポジョンヌ)

観察使が善政を行っているかを見守るという意味を持つ布政楼。監営の入口であり、正面３間(約5.4m)、側面２間(約3.6m)の木造２階建て、入母屋造りの楼閣です。宣化堂と共に1667年に再建されました。

宣化堂(ソンファダン)

観察使の執務室として使われていた宣化堂。御影石の座台に建てられおり、正面７間(約12.6m)、側面４間(約7.2ｍ)の平屋造りです。

建物入口に掲げられている懸板(ヒョンパン、文字などを記した板)の文字は、原州出身の第10代大統領・崔圭夏(チェ・ギュハ)が書いたもの。履物を脱ぎ、建物内に上がって自由に見学することができます。

道のトップ、観察使とは

監司(カムサ)とも呼ばれた観察使(カンチャルサ)。朝鮮王朝が各道に送った最高責任者のことを指し、地方自治において絶対的権力を持っていた人物です。

観察使は監営での職務のほかに、道内各地に出向き、地方行政の単位である牧(モッ)、郡(グン)、県(ヒョン)を治める守令(スリョン)への指揮、農家の視察などに従事。また、教育指導や学校設立など、その任務は多岐に渡っていました。

内衙(ネア)

宣化堂の隣にあり、観察使の生活空間であった内衙。観察使は都からの単身赴任がほとんどで任期も２年と短かったため、台所はなく、部屋は２つだけと華やかな宣化堂に比べて簡素な造りになっています。

中三門(チュンサンムン)

宣化堂へ通じる３つの門のうち、２番目に通る中三門。訪問者はここで身分確認を受けました。江原道の代表である江原観察使に面会するための門という意味で「関東観察使営門(クァンドンクァンチャルサヨンムン)」とも呼ばれていました。

ここでの関東とは、江原道・江陵の西側に位置する峠・大関嶺(テグァルリョン)以東を指す地方名で、現在の江原道一帯をさします。

内三門(ネサンムン)

内三門は観察使の執務室である宣化堂に最も近い位置にあります。内三門の別名「澄清門(チンジョンムン)」には、門を通った後は清廉潔白な精神を持って行動しなければならないという意味があり、観察使を含めこの門を出入りする全ての者への教訓とされていました。

行閣(ヘンガッ)

監営に勤務する官吏たちの休憩の場や物品保管所として利用されていた建物。現在は「江原監営」の資料館となっています。館内には原州に官庁が置かれた歴史的背景、観察使の役割などに関するパネル解説(韓国語のみ)が展示されています。

また、2000年の発掘調査で出土した、常平通宝(朝鮮時代の通貨)やかんざしなどの遺物も展示されており、当時の官吏たちの生活を知ることができます。

入場無料の資料館

ジオラマの展示も

発掘調査で出土した磁器

市内観光の合間に立ち寄れる史跡

朝鮮時代に８ヶ所あった監営のうち現存しているのは、原州のほか、全州(チョンジュ)、北朝鮮の平壌(ピョンヤン)の３ヶ所のみ。

江原監営は地方行政機関の歴史を知ることができる貴重な文化財として保護されており、現在も復元作業が進められています。市内中心部にありアクセスも便利なので、市内観光の合間にふらりと歴史探訪してみてはいかがでしょうか。

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基本データ

店名	江原監営
ジャンル	寺・史跡・名所
観覧時間の目安	1.0時間
電話番号	033-737-4767
営業時間	9：00～22：00
休業日	なし
日本語	不可
その他外国語	不可
Eメール	なし
関連サイト	なし