緑青磁博物館

ノッチョンジャパンムルグァン / 녹청자박물관 *登録日時点の情報のため、変更する可能性があります。

L o a d i n g ...

仁川市街地

2.5

1件

仁川にある緑青磁のテーマ博物館 10世紀後半から11世紀にかけ中産階級向けに作られた粗製の青磁である緑青磁(ノッチョンジャ)および緑青磁陶窯址に関する学術資料が展示される緑青磁博物館。陶窯址と同じ仁川(インチョン)市西区(ソグ)景西洞(キョンソドン)に位置します。緑青磁は高級青磁に比べ装飾性・希少性こそ劣るものの無骨な風合いや質素な色合いは日本のわび・さびにも通じ、構造が似た日本の窯跡との関連も注目されています。緑青磁博物館へはソウル駅から空港鉄道とタクシーを乗り継ぎ約40分。韓国中世の機能美に触れてみてはいかがでしょうか。

韓国陶磁器の歴史をつむぐ緑青磁

緑青磁についての学術資料が展示

緑褐色の釉薬を釉掛けして焼き上げた粗製の陶磁器、緑青磁(ノッチョンジャ)。青磁の一様式ですが、王族や上流階級向けに一品製作された格調高い翡色青磁とは異なり、10世紀後半から11世紀にかけ地方豪族や下級官吏など中産階級向けに大量に作られたものと推測されています。

緑青磁博物館が位置する仁川(インチョン)市西区(ソグ)のほか、全羅南道(チョルラナムド)海南(へナム)郡などにある窯跡が代表的な生産地として知られています。

仁川市西区景西洞(キョンソドン)にある緑青磁陶窯址は、1965～1966年に仁川市立博物館と国立中央博物館の合同で発掘調査が実施され、緑青磁研究の重要な資料となることが明らかになり、国家史跡第211号に指定されました。

窯跡自体はゴルフ場内部にあり自由に観覧はできませんが、緑青磁に関する学術資料や陶磁器製作の体験・学習機会が提供される複合文化空間として、緑青磁に関する唯一の博物館(旧緑青磁資料館)が史跡近くに建てられました。

景西洞の窯址からの出土品

陶磁器製作が学べる

10時から16時の間は随時
解説してもらえる(昼食時を除く)

館内施設

緑青磁博物館は２層の建物で１階が歴史展示室と企画展示室、２階が陶芸教室とカフェテリアに分かれ、野外には伝統窯が設けられています。歴史展示室では緑青磁の誕生や変遷、製造過程などが理解できるよう関連資料が展示されています。

企画展示室では陶芸公募展受賞作や仁川地域の陶芸家による作品が展示されているほか、野外には１年に１度実際に火が入れられる伝統窯が再現されています。

歴史展示室

企画展示室

伝統窯

２階で行われる陶芸教室は、１日体験と平日(火曜～木曜)午後の正規教育課程があります。１日体験は、平日(火曜～金曜の午前)は団体のみですが、土・日曜と公休日は個人の参加も可能です(体験料は内容により5,000～10,000ウォンで、日本語サービスはありません)。

伝統茶を飲みながら休憩できる空間になっているカフェテリアでは、販売用の陶磁器がディスプレイされています。

陶芸教室１日体験

正規課程で製作中の作品

カフェテリア

緑青磁の製作過程

日常生活で使われたと見られる出土品

日本では「伊羅保(いらぼ)」と呼ばれる、表面がざらざらした質感の緑青磁は、高級青磁に比べて酸化鉄の割合が高い粘土と釉薬を使用し、10工程を経て製作されます。

装飾は青磁のように豊かではなく、器の形も土器との類似点が多く見られることが特色です。緑青磁は従来、土器から青磁に移る過渡期的性格の初期青磁として理解されていましたが、緑青磁陶窯址の発掘調査後の研究を通じ、現在では青磁と同時期に作られた粗製の陶磁器として理解が新たにされています。

緑青磁の製作工程が
イメージできるジオラマ

(右から)整形～素焼き～施釉
～本焼き工程後の状態

顔料と発色材

韓国中世の機能美に触れて

普及品として日常生活で使われた緑青磁は高級青磁に比べ装飾性・希少性こそ劣るものの、無骨な風合いや質素な色合いは日本のわび・さびに通じる独特の趣をたたえます。

実際に、景西洞の緑青磁陶窯址と構造が近似する窯跡が日本で２ヶ所発見されており、その関連を明らかにするうえで緑青磁博物館の学術研究は貴重な資料になることでしょう。

緑青磁博物館へはソウル駅、仁川国際空港から共に空港鉄道とタクシーを乗り継ぎ約40分。旅の締め括りとして、韓国中世の機能美に触れてみてはいかがでしょうか。

陶芸教室１日体験の様子

発掘された窯址の再現模型

詳しく見る

基本データ

店名	緑青磁博物館
ジャンル	博物館・美術館・展示館・映画館
観覧時間の目安	1.0時間
電話番号	032-563-4341、032-560-2932
営業時間	9：00～18：00
休業日	月曜 ※月曜が祝日の場合、営業し翌日休業、祝日の翌日、1月1日、旧正月・秋夕(チュソク)の連休
日本語	一部スタッフ可
その他外国語	英語、中国語
Eメール	なし
関連サイト	www.nokcheongja.or.kr