徳寿宮と景福宮で開催中!迫力の伝統文化再現行事朝鮮時代の王宮で門の開閉や警備を担った守門軍(スムングン)の交代儀式を、専門家による歴史考証を通じて再現したのが「王宮守門将交代儀式(ワングンスムンジャンキョデウィシッ)」です。ソウルの中心部にある人気観光スポット・徳寿宮(トクスグン)と景福宮(キョンボックン)で酷暑時・極寒時を除き行われており、華やかさと格調ある雰囲気で海外からの旅行者に人気のイベントです。交代式終了後には部隊がソウル都心を練り歩く巡察パレードも行なわれ見ごたえたっぷり!韓国の伝統衣装・チマチョゴリ(韓服、ハンボッ)の試着体験や、守門将になって交代儀式に参加できる体験プログラム(要事前予約)もあります。1日の開催回数と時間は会場により異なり、気象状況により変更になる場合もあるためご注意ください。
格式高い宮中文化を再現!
朝鮮時代の王宮には、王宮門の開閉や警備を担う「守門軍(スムングン)」という軍隊がいました。この守門軍の交代儀式を、専門家による歴史考証を通じて再現したのが「王宮守門将交代儀式」です。
古宮「
徳寿宮(トクスグン)」と「
景福宮(キョンボックン)」で1996年より行われており、イギリスの近衛兵交代儀式に比肩する華やかさと格調ある雰囲気を楽しめます。
2010年より、儀式終了後に部隊がソウル都心を練り歩く巡察パレードが行われるようになり、ますます見逃せなくなりました。今回は「徳寿宮」の正門、「大漢門(テハンムン)」前で開催中の「王宮守門将交代儀式」を中心にご紹介します。
月曜日と、酷暑時・極寒時を除き1日3回(11:00、14:00、15:30)行われている「徳寿宮」の「王宮守門将交代儀式」。約20分間の儀式には、それぞれに様々な役割を担う30名あまりの人物たちが登場します。
交代儀式の主役
守門将(スムンジャン)
王宮の警備、王宮門の開閉などを担当する機関である「守門庁」所属。従6品の武官。王宮門の警備における総責任者で、守門軍を指揮する。
戦笠(チョンリッ)と呼ばれる装飾のついた笠をかぶり、環刀(ファンド)という長さ90cmほどの軍刀を手にしている。
守門将の必須グッズ
左:巡将牌(スンジャンペ)
軍を率いる将校が携帯していた身元保証用の札。現代でいうIDパスのようなもの。
右:符信(プシン)
木製で円形。王命を書いたものを半分にし、守門軍・交代軍の各守門将が1つずつ所有する。
交代儀式の構成員
参下(チャマ)
守門庁所属。従9品の武官で、守門将の任務を補佐する。
守門軍
守門庁に所属する一般兵士。様々な武器や旗手(キス)と呼ばれる旗を手にした兵士からなる。
右:承政院注書(スンジョンウォンチュソ)
左:掖庭署司鑰(エッチョンソサヤッ)
交代儀式で監督官を務める承政院注書。王の秘書機関「承政院(スンジョンウォン)」所属。正7品の文官で、両方に羽が付いた紗帽(サモ)という帽子をかぶっている。
掖庭署司鑰は、王宮の器や鍵の管理を担当する「掖庭署(エッチョンソ)」所属。従6品の内官で、鮮やかな赤い笠と衣装が目印。交代儀式では承政院注書とともに儀式の監督を行う。
吹螺軍(チュラグン)
宮中の音楽と舞踊を担当する「掌楽署(チャンアッソ)」所属。チュラチョッとも呼ばれる。交代儀式では行進時における軍楽演奏を担当。
厳鼓手(オムゴス)
掌楽署所属。交代儀式の進行を知らせる厳鼓(オムゴ)という太鼓を鳴らし、儀式の流れをリードする。
交代儀式の順序
「王宮守門将交代儀式」は、王宮門の守衛儀式と、守門軍の交代儀式という2つのパートで構成されています。儀式の様子はもちろん、忠実に再現された衣装や装飾品などにも注目です。儀式の最中の解説は韓国語のほか、日本語や英語でも行われます。大漢門前には日本語パンフレットも準備されています。
守衛儀式
交代軍到着、整列
吹螺軍がにぎやかな伝統音楽を奏でるなか、王宮周辺を巡察していた交代軍が王宮門前に到着。門に向かって整列し、儀式開始の準備が整います。
軍号下付
承政院注書が毎日3文字以内で定められた軍号(暗号のこと)を守門将に知らせます。そして巡将牌の引継ぎが行われ、王宮門の警備に入ります。
守門将交代儀式
軍号応対(クノウンデ)
王宮門を警備していた守門軍と交代軍の交代儀式が行われます。王宮門を警備していた守門軍の参下と、交代軍の参下が軍号を確認し、お互いが味方であることを確認します。
初厳(チョオム)
太鼓が6回打ち鳴らされると、掖庭署司鑰が見守るなか、王宮門の鍵が入った箱が守門軍の参下から交代軍の参下に引き継がれます。箱の引継ぎは、守門軍の参下→守門軍の守門将→交代軍の守門将→交代軍の参下の順で行われます。
中厳(チュンオム)
3回の太鼓の後、両軍の守門将が王命を確認します。このとき、符信を2つ合わせてぴったり合えば本物。その後、巡将牌を引き継ぎます。
三厳(サモム)
太鼓が2回打ち鳴らされると、両軍が向かい合って整列。軍礼を交わし、任務交代となります。
巡察パレード ※悪天候時は中止の場合あり
毎週月曜日を除く毎日、交代儀式の出演者たちがソウル都心を練り歩く巡察パレードが行われます。ルートは、11:25~11:40徳寿宮→
ソウル広場→太平路(テピョンロ)→
光化門広場(クァンファムンクァンジャン)→徳寿宮のルートを行進します。11:00~12:20の間、普信閣では、打鐘行事も観覧できます(月曜日を除く)。
※基本的に所定の時刻に行なわれますが天候等の事情により中止や開催時刻、内容が変更される可能性がありますのでご注意ください。
問い合わせ:
・ソウル市文化財課 02-2133-1117(韓国語)
・ソウル市総合情報電話案内タサンコールセンター 局番なし120、ソウル市外から02-120、日本から+82-2-120、+82-2-731-2120(日本語可)
※右上のレベルで拡大・縮小が可能です。地図上をドラッグすると、移動することができます。
徳寿宮の交代儀式では各種体験プログラムも
伝統衣装試着コーナー
徳寿宮の大漢門前では、韓国の伝統衣装である
チマチョゴリや守門将の衣装を着て写真を撮れる「伝統衣装試着体験コーナー」が設けられます。
ブースにて名前・国籍を記入するだけで誰でも試着体験が可能。男性用や子ども用の衣装も揃っています。りりしい表情の守門将になりきって記念撮影してみては?
曜日:月曜日を除く毎日
時間:10:30~11:30、13:30~14:30、15:00~16:00(1日3回)
守門将体験イベント「私も守門将」
2012年5月より、観覧客が守門将になって交代儀式に参加できる体験プログラム「私も守門将」がスタート!実際の儀式で使用されるのと同じ衣装を身につけ、事前教育も行なわれるなど本格的です。外国人の応募も可能ですので、韓国での特別な思い出づくりにいかがでしょうか?
体験日時:月曜日を除く毎日、14:00~
体験人数:1日2名(先着順)
応募方法:
「私も守門将」案内ページ(日本語あり)
※申込みは体験日2日前まで可能です。
景福宮でも開催中
「王宮守門将交代儀式」は、「景福宮」の「興礼門(フンレムン)前広場」でも行われています(約20分間)。火曜日・雨天時を除く毎日10:00、14:00の毎時ちょうどに、王宮門の開閉と守門将の交代儀式が開演されます。天候により儀式の内容が多少異なる場合がありますのでご注意ください。
一度は目にしておきたい見ごたえたっぷりの再現儀式
韓国の伝統文化を間近で見られる「王宮守門将交代儀式」。儀式終了後には守門将と記念撮影ができるフォトタイムもあるのでお見逃しなく!ソウル都心で繰り広げられる見ごたえたっぷりの伝統イベントに、ぜひ足を運んでみてください。
掲載日:17.04.23 最終更新日:18.03.27
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・記事全体を更新しました(20180327)
・一部記事内容を更新しました(20170423)
・一部記事内容を更新しました(20170222)
・開演時間、巡礼コースを更新しました(20160216)
・交代儀式の時間を更新しました(20151224)
・電話番号、伝統衣装体験イベントの時間を更新しました(20150714)
・一部写真、記事内容を更新しました(20150331)
・守門将体験イベントの内容を更新しました(20150302)
・現地調査にて情報を確認しました(20130222)
・守門将体験イベントの体験時間、応募方法を更新しました(20120911)
・行事内容、営業時間を更新しました(20120417)
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