ソウル都心部の憩いの人工河川「チョンゲチョン」 韓国の首都ソウルの中心部にある河川が「清渓川(チョンゲチョン)」です。朝鮮時代以前から続く歴史ある河川です。経済成長期には川を覆って清渓川高架道が建設され都市化が進みましたが、現代に入って復元の世論が高まって「清渓川復元事業」がスタート。2005年に生まれ変わって以来、市民憩いの場として定着。そんな清渓川の歴史は下流にある「清渓川博物館」で知ることができます。市内中心部を流れているので明洞(ミョンドン)や仁寺洞(インサドン)などからも歩いて行けるなど、行き方はたくさんあり各エリアで接することができます。川沿いのオシャレなカフェで川を見ながら過ごしてみたり、記念写真を撮ってみたり、夜にはライトアップもされた川を歩いてみませんか?
ソウル市中心部を流れる市民憩いの場
ソウルの中心部を流れる人工河川・清渓川(チョンゲチョン)。
市庁(シチョン)・光化門(クァンファムン)エリアからスタートし、東に
東大門(トンデムン)方面へと流れていきます。
朝鮮時代よりも昔、自然河川であった清渓川は1960年代の経済成長期に覆蓋(ふくがい、臭気等を外に漏らさないように蓋をかける)工事が行なわれその姿を消しましたが、その後の復元工事により、2005年10月に 人工河川として生まれ変わることに成功して以来、ソウル市民の憩いの場として定着しました。この都市河川の再生プランは世界的に注目を浴び、各国の関係者がよく視察にも訪れています。
川を流れる水は地下鉄駅に供給する水を使用しているのでキレイ。暑い夏には靴を脱いで橋の下で涼む市民たちの姿もたくさん見かけられます。
清渓川の歴史

清渓川を覆った高架道路
1960年代~
韓国の目覚ましい経済成長・都市開発に伴い、清渓川の水質汚濁が悪化。問題を解決するために、広橋~五間水橋までの区間を覆蓋し、その上に清渓高架道路を造ることで清渓川一帯は都心産業の中心となっていきました。
その後、高架道路を走る車の排気ガスなどによって、清渓川の汚染が深刻化。高架道路も老朽化が進み、市民が交通や健康の安全に対して危機感を抱くようになります。

撤去工事
2000年以降
清渓川復元の世論が高まったことを受け、2003年7月から2005年9月にかけ、老朽化が問題となっていた清渓高架道路の撤去と、河川の復元工事が行なわれました。
そして2005年10月1日、約40年間道路の下に隠れていた清渓川が再び姿を現しました。
清渓川を歩いてみよう!
全長約5.8kmと長い清渓川。初めての観光客でも訪問しやすいエリアに絞ってご紹介しましょう。観光のついでに橋の上から川を見下ろしたり、記念撮影を撮ったり、そして、川沿いをお散歩してみてはいかがですか?
初心者におすすめ!スタート地点
巻貝の彫刻がある広場

毛塵橋から眺める清渓広場
地下鉄1号線の市庁駅や5号線の光化門駅からすぐの所にある、清渓川の起点が「
清渓広場(チョンゲクァンジャン)」です。「Spring」と名づけられた巻貝のオブジェが目印で、毎月さまざまなイベントや催し物も開催されたり、韓国ドラマや韓国映画の撮影ロケ地にも登場します。
繁華街の
明洞(ミョンドン)や
仁寺洞(インサドン)からも徒歩圏内で、清渓川の1番目の橋「毛塵橋(モジョンギョ)」の上からは、素敵な記念写真が撮影できます。
スタートから少し進めば、周辺には地下鉄1号線の鐘閣(チョンガッ)駅周辺になり、清渓川を体験するのにちょうどよいエリアです。疲れたら繁華街「
鐘路 青春通り」で休むのも良いでしょう。川沿いにはカフェもあり、川を見ながらひと息つくこともできます。
また清渓川へ降りる際は会談だけでなく、所々にスロープやエレベーターなども設置されていて、
バリアフリーにも配慮されたつくりになっています。

「広通橋(クァントンギョ)」
1410年に作られたもので当時最も大きい橋でした。清渓川と同時に復元されました。

「広橋(クァンギョ)」
夜は橋の下もライトアップされ、広い空間では美術展なども開催

「正祖班次図(チョンジョパンチャド)」
正祖(チョンジョ)が両親の墓参りをする様子を横190m、縦2mの陶磁器タイルの壁画に再現

歩きやすい都心部の川沿い

飛び石も体験できる

階段のほかスロープも各地に準備されている

エレベーターは2箇所。仁寺洞入口に近い「三一橋(サミルギョ)」のエレベーター。
イベント・お祭りも要チェック!

様々なイベントが催される広場
広場で開催させるイベントのほかに、毎年春にはお釈迦様の誕生日を祝う「
燃灯祝祭(ヨンドゥンチュッチェ)に備え、燃灯や釈迦・動物などの張り子が飾られ、多くの人で賑わいます。
秋の11月には毎年300万人以上の観光客が訪問する「
ソウルランタンフェスティバル」が、清渓広場周辺で開催。日が完全に落ちた夜には、ランタンのあたたかい光に包まれ、幻想的な空間が広がります。

燃灯祝祭に備え、飾られた提灯

ランタンフェスティバル
東大門ショッピングのついでに
人気のグルメ通りや東大門の市場が密集

遠くに白いビル「DOOTA MALL」がよく見える東大門エリア

春から秋にかけて人気の東大門の噴水
地下鉄1・4号線の東大門駅から東大門エリアへ向かう途中の橋「五間水橋(オガンスギョ)」の上からは、時間帯によっては噴水を見下ろすことができ人気です。
歴史ファンは城郭の痕跡も

「五間水橋」付近にある「五間水門址」
商店街同士を結ぶ「再・世運(タシ・セウン)歩道橋」
都市再生プロジェクトの一環で、2017年9月に、「
世運商店街(セウンサンガ)」がリニューアル!屋上には展望デッキや休憩スペースが設置されたほか、「清渓川」を挟んだ南側にある「大林商店街(テリムサンガ)」と自由に行き来ができるよう、3階を結ぶ歩道橋が設置されました。

世運商店街と大林商店街の3階を結ぶ歩道橋

清渓川も良く見える
東大門よりも、さらに下流は?
地元住民の散策・運動コースに変身
観光客が訪問する機会があまりない
清渓川の下流。川沿いから見える高級マンション群を更に東へ進めば、都心高速の高架道路に合流し、その下を川が流れていきます。
川の幅が広く、裸足になって川遊びができる場所や、涼しげな滝や噴水もあります。静かでゆったりとした時間が流れ、地元住民が散歩や運動をしている光景も見られます。
その後、清渓川は最後、「
中浪川(チュンナンチョン)」に合流した後に、「
漢江(ハンガン)」へと流れ込みます。

「清渓川洗濯場」
昔はここで洗濯をしていたと言われ、斜めに削られた洗濯用の石が当時の様子を物語っています

「存置橋柱」
高架道路撤去の際、すべてを撤去せずに3つの橋柱だけを記念に残しました。

「トンネル噴水」
清渓川復元の歴史的意味を刻む場所の横では噴水をくぐることもできます
清渓川の歴史を学ぶなら「清渓川博物館」

「清渓川博物館」
清渓川の以前の姿、埋められたときの様子、復元プロジェクトなど、清渓川の様々な内容を学べる場所が「
清渓川博物館」です。
オープン当初は「清渓川文化館」という名称でしたが、博物館としてリニューアルオープンしました。
四季折々の景色
春夏秋冬、四季がある韓国。季節ごとに清渓川の光景も変わるので、ソウルに観光で訪れるたびに、ちょっと寄ってみれば、違う光景がみられるかもしれませんよ。

台風の時期には増水し、規制されることも
夜の清渓川はロマンティック
夏場は夕涼みにもってこいで、夜の10時、11時になってもたくさんの人が行きかう
夜の清渓川。春・秋の夜は涼しいので、暖かい格好でお出かけを。冬はとても寒いですが、
クリスマスイルミネーションなども登場し、ロマンチックです。
都心部の川沿いはライトアップもされるので、夜に立ち寄る機会があれば、自然と光のコラボレーションをぜひお楽しみください。
掲載日:23.09.29
更新履歴を見る
・記事全体を更新しました(20190714)
・記事全体を更新しました(20170514)
・ホームページを更新しました(20160808)
・ホームページにて情報を確認しました(20130227)
・バリアフリー情報を更新しました(20120827)
・アクセス情報を更新しました(20120525)
※記載内容には細心の注意を払っていますが、掲載店との間で生じた損害・トラブルについては、当サイトは責任を負わないものとします。
※内容は予告なく変更される場合があり、完全性・正確性を保証するものではありません。掲載情報は自己責任においてご利用ください。