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  • キーワードで見た09年・韓国10大事件(1)

  • 社会・文化 2009年12月24日 12:08
  • 「死と対立・暴力・自由、そして性」−−。

    09年に発生した社会分野の大きな事件・事故を象徴する単語だ。政治・経済・文化の分野などを排除し、ネットユーザーに、今年韓国を揺さぶった「大きな事件」が何かを尋ねてみた。

    インターネット上の投票は、中央日報のホームページ(joins.com)を通じて12月14日から1週間にわたり行われた。とりわけ事件が多かった己丑年だったが、連続殺人犯のカン・ホスン事件と児童性犯罪のチョ・ドゥスン事件が圧倒的投票で第1、2位となった。2人の悪人が社会に及ぼした衝撃がそれだけ大きかったわけだ。結果的に、2人の悪人が今年韓国を最も大きく変え、社会に変化をもたらした。

    ▽再開発地域の竜山(ヨンサン)で立ち退きに反対する住民の立てこもりを鎮圧する過程で住民と警察官が死亡した事件▽双竜(サンヨン)自動車工場の座り込み▽自殺した女優チャン・ジャヨンさんが残したリスト−−などにもたくさんの票が集まった。

    ◇カン・ホスン事件

    女性7人を殺害…凶悪犯の顔公開する法改正へ

    今年1月末、警察に捕まったカン・ホスン。同容疑者は計7人の女性を殺害した。05年、同容疑者が放火し亡くなった夫人、義母を除いてだ。ぞっとする犯行に嗚咽(おえつ)した遺族は依然、悪夢に苦しめられている。昨年末に被害を受けた軍浦市(グンポシ)の女子大生、アン某さん(当時21歳)の家族は末の娘を失った後、精神科の治療を受けている。

    事件の後、逆説的な希望も芽生えた。中央日報が主導した遺伝子身元情報確認法が最近、国会で可決し、法務部は来年の業務計画で、凶悪犯の顔を捜査の段階で公開するという方針を発表した。警察は防犯カメラを拡充するなど都市設計の過程で犯罪の要素を遮断する犯罪予防環境の設計を、2015年まで全国のすべての住居地域に導入する案を進めている。

    ◇チョ・ドゥスン事件

    多くの社会的変化を実現

    凶悪な女児レイプ事件の被害者ナヨンちゃんの父親は「娘がこれだけ回復できるまで非常に長い時間がかかった」と話した。しかし、治りつつある体の傷あとのほかに治癒すべき傷がさらにある。捜査と裁判の過程で残された「心の病」だった。父親が記者のそばに座っているナヨンちゃんに尋ねた。「検察で何回供述したの?」。ナヨンちゃんは「4回、一度は半分」と答えた。「半分」とは、取り調べる途中で中断したという意味だった。

    はっきりと刻印された供述の悪夢を思い出したナヨンちゃんの表情が再び暗くなった。罪を犯したチョ・ドゥスンに対する国民の憤怒は社会の変化につながった。裁判所は児童性犯罪に対し、より厳しい基準を適用しはじめた。性的虐待を受けた被害児童のための基金が作られ、医師らも「医療機動班」を設け、事件の現場に医師を派遣すると明らかにした。

    ◇竜山

    立てこもりの遺族ら、11カ月間にわたり集会中

    09年1月19日、ソウル・竜山区(ヨンサング)の再開発地域にあるナムイルダンビルの屋上に望楼が設けられた。立ち退きに反対する住民と全国撤去民連合のメンバーは、そこから火炎瓶を投げ、座り込みを展開した。翌日の20日午前6時40分ころ、警察の特攻隊が望楼に投入された。望楼にはシンナーとLPG(液化石油ガス)などがあった。警察の作戦が開始されてから30分後、望楼で火事が起こった。

    警察1人と立てこもり側の5人が死亡した。事件から9カ月後、ソウル中央地裁は竜山撤去民対策委員長イ・チュンヨン被告と全国撤去民連合会の幹部キム某被告に、それぞれ懲役6年を言い渡した。11カ月が過ぎたが、対立は依然進行形だ。死者の葬式も行われずにいる。事件の現場ではいまでも毎晩集会が開かれる。同事件で再開発政策が社会に議論をもたらした。

    ◇双竜自動車

    労組、ボルト発砲し77日間も工場で座り込み

    今夏、双竜(サンヨン)自動車の労組は77日間にわたって平沢(ピョンテク)工場で座り込みを行った。会社側が職員らに整理解雇を通報したが、労組がこれを拒否、ストライキに突入した。労組は、ボルトやナットを弾丸にした空気銃、竹やりなど「私製の兵器」を使って警察に対抗した。警察はヘリを動員、催涙液を散布した。座り込み側と構造再編を受け入れようとする側の衝突も続いた。

    労組と会社側は劇的に交渉、妥結したものの、生存という宿題が残った。これに、労組も9月、上級団体の全国民週労働組合総連盟を脱退した。投票者の73.1%が脱退を支持した。存続と清算の岐路に立たされていた双竜車は12月17日、裁判所が「回生計画案」を強制的に認可し、一息ついた。双竜車の生存に向けた奮闘は、回生案の時限である2019年まで続くとみられる。

    ◇チャン・ジャヨン

    著名人の接待リスト広がる

     人気ドラマ「花より男子」に出演した女優チャン・ジャヨンさん(29)が3月、自ら命を絶った。その後、チャンさんが作成したとみられる「チャン・ジャヨン文書」が公開された。元所属事務所代表のキム某氏(40)から著名人への接待を強いられたという内容だった。文書にはマスコミと金融界の人々が、実名で登場した。いわゆる「チャン・ジャヨンリスト」に含まれた人物が警察の捜査を受けた。

    捜査対象は20人を上回ったが、大半が容疑なしの処分を受けた。元所属事務所代表のキム氏と元マネジャーのユ某氏(29)だけ起訴された。同事件は所属事務所と芸能人の不平等な関係、芸能界の苦い現実−−を浮き彫りにするきっかけとなった。公正取引委員会は7月、プロダクションとタレントの専属契約期間が7年を超えないよう定めた標準契約書を作成した。

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