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「国が作らないなら私が作る」…シンクホールの地図、市民が直接作成=韓国
- 社会・文化 2025年04月21日 09:57
- 先月24日、ソウル江東区明逸洞(カンドング・ミョンイルドン)で直径最大20メートルのシンクホールが発生した後、ソウル市が地盤沈下安全地図を公開しないことをめぐり意見が分かれている中、SNSとネット上では市民が作った「シンクホール地図」が多数登場した。全国のシンクホール発生地域と地盤沈下危険地域などの資料を自主的に集めて視覚化したものだ。
先月28日、過去のシンクホール発生場所と原因などが含まれたデータを集めて地図を作り、X(旧ツイッター)のアカウントに共有したユン・シニョンさん(46)もその中の一人だ。科学専門誌で記者として活動してきたユンさんは昨年8月、西大門区延禧洞(ソデムング・ヨンヒドン)で直径最大6メートル規模のシンクホールが発生すると、初めてシンクホール地図を作った。市民の不安を和らげ、正確な情報を伝えるためだった。
ユンさんは国土安全管理院と地下安全情報システムなどで最近数年間発生したシンクホールの位置と理由などの資料をダウンロードし、これを視覚化した。約7年間、全国で発生したシンクホール1400件余りの資料が地図に反映された。そうするうちに最近、市民が居住地近くのシンクホールを簡単に探せるようにウェブページの一番上に事故検索欄を作ったりもした。
水原(スウォン)に住むユンさんは「家の近くでも地下鉄工事が続き、出退勤する時に不安に震えた」として「どこで、なぜシンクホールが発生したのかひと目でわかることができれば良いという気がした」ときっかけを明らかにした。
ウェブページ開発者出身のAさん(34)も4日からシンクホールの発生・危険地域の座標をひと目で見られるウェブページを作った。口コミで広がった地図には先週だけで1000人余りがアクセスした。
Aさんは、ソウル市が地盤沈下安全地図を公開しないという方針を聞いて製作を決心したという。ソウル市は2014年から地質、地下施設物、シンクホール履歴などに基づいて地割れ危険度を5段階に分けた安全地図を作った。だが、不動産価格を含め、否定的な波及を懸念して公開しなかったが、最近事故が相次いで発生するや公開するかどうかを検討している。
ちょうど休職中だったAさんは「私でも何かしなければならない」と思って5日から週末の間ずっとウェブページを作った。その後、1週間の間、最近10年間シンクホールが発生した地域をニュースなどで検索し、座標で地図を完成させた。 報道に「近隣地域」という曖昧な表現がある場合、ポータルサイトのロードビューで具体的な位置を探しながら作業を行った。Aさんは「市民が危険地域を避けることができれば良いと思って作成したもの」とし「今も毎日時間がある度にシンクホール事故が新たに起きたのではないか検索し、アップデートしている」と話した。
二人の開発者ともに「シンクホール地図をたくさん見ていただいて嬉しい」としながらも、市民の自主的な地図製作は結局限界があると口をそろえた。ユンさんは「地方自治体などが深層資料を公開し、問題解決に急ぐ時」と話した。Aさんも「作ってみたら、シンクホールの印がびっしりと地図に表れて衝撃を受けた。関連政策責任者らも深刻さを知ってもらいたい」と述べた。
関東(クァンドン)大学土木工学科のパク・チャングン教授は「シンクホールに対する恐怖が日常化し、市民が自分を守ろうとする気持ちで地図を作っている」とし「地盤沈下安全地図を公開するなど、開かれた行政を追求してこそ不安感が解消される」と指摘した。新韓(シンハン)大学エネルギー工学科のキム・ソンミョン専任教授は「市民が作る指導には限界がある」として「不信が続かないように、地方自治体が把握した情報を市民に公開する必要がある」と話した。
先月28日、ユン・シニョンさん(46)が自主的に製作したシンクホール地図をX(旧ツイッター)にアップロードした。 [オンラインコミュニティ キャプチャー]- COPYRIGHTⓒ 中央日報日本語版