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  • 「ストレートヘアの女性を見ると…」梨泰院惨事フラッシュバック、時間経過してやってくる

  • 社会・文化 2022年12月16日 13:37
  • 「赤色や長いストレートヘアで痩せ型の女性を見ると今でも動悸がします」

    韓国梨泰院(イテウォン)惨事当時、現場で救急隊員の心肺蘇生術(CPR)を助けて負傷者のケアをサポートした40代女性のキムさんは事故発生から48日が経過した12月15日、「マネキンのように人が横になっていた事故現場の姿がまだ生々しく(脳裏に焼き付いている)」とし、そのトラウマを訴えた。キムさんは梨泰院駅付近で仕事をしているときに事故の知らせを聞いて事務室を出て負傷者の救助を助けた。キムさんは「事故直後には実感があまりわかなかったためか大丈夫だったが、時間が過ぎるとトラウマが徐々に出てきた」とし「事故の記憶が蘇るのではないかと思ってニュースも避け、事故現場への訪問も最大限自制している」と話した。キムさんは1カ月以上にわたり4~5日に1回ずつ精神科専門医を訪れて相談と薬の処方を受けて日常を耐えていた。

    ◇心理相談10件に3件は事故目撃者

    与党「国民の力」崔ヨン淑(チェ・ヨンスク)議員室が保健福祉部から提出させた梨泰院事故統合心理支援団心理相談実績によると、事故発生から今月14日まで国家トラウマセンターや地域別精神健康増進センターなどを通して行われた対面・非対面相談件数は4729件に達した。事故を映像やニュースなど間接的に経験した一般人の相談1611件を除くと目撃者の相談が31.4%(1489件)で最も多かった。遺族(729件)、負傷者(367件)、対応人員(87件)、負傷者家族(77件)が続いた。

    政府は名簿を確保した遺族と負傷者を中心に優先的に相談を勧めてトラウマ克服を助けている。相談件数が多かった事故目撃者に対しては別途の現況を把握しておらず「先に受付、後で相談」方式で相談と事後管理を続けている。梨泰院で店を運営して事故現場を目撃したAさんは「区庁や保健所から心理相談を受けるように連絡をもらったことはない」とし「そうでなくても事故の路地を朝と夕方に通過すると毎日思い出して辛いが、一人で耐えている」と話した。

    目撃者の相談事例には単に事故現場を目撃した人だけではなく、犠牲者の同僚や友達、救助を助けた場合も含まれている。国立トラウマセンター関係者は目撃者申告類型について「遺族や負傷者が経験したトラウマに劣らず、心理的に不安な状態を訴える人々も多数いた」とし「重症に該当する目撃者の中には梨泰院を訪れて友人を失った犠牲者の関係者もいた」と説明した。

    梨泰院事故の負傷者で、12日にソウル麻浦区(マポグ)のある宿泊所で遺体で見つかった10代高校生のAくんは生存者だったが、当時一緒に梨泰院を訪れた友人2人を失っている。Aくんの母親は14日、MBC(文化放送)とのインタビューで「非行をしようと思ってそこに行ったのではない。自分だけ生き残ったのが申し訳ないという気持ちが大きかったが、悪質コメントを見て(心のバランスが)崩れたようだ」と吐露した。Aくんは校内心理相談と精神科相談治療を繰り返し受けて徐々に日常に復帰しようとしていたが、亡くなった友人に対する罪悪感への負担が大きかったことが伝えられた。

    相談サービスに不満を表わす人々もいた。梨泰院に暮らす60代のCさんは事故発生1週間後、精神健康サービスが必要な市民を訪ねて行く「こころの安心バス」を訪問して心理相談を受けたが「むしろ事故現場の様子を思い出すことになりもっと辛かった」とし、その後相談を受けなかったと話した。Cさんは事故当日、連絡を受けて隣人の住民と一緒に0時ごろ現場を訪れて朝方までずっと救助活動を助けた。Cさんは「事故後1週間程度は全身が打撲をしたように痛く、亡くなった人々のことを思い出して怖かった」とし「当時ボランティアを一緒にやった住民と会い、慰め、励まし合いながら過ごしている」と話した。キムさんも「初めは電話で相談を受けたがそれほど役に立たないと思った。相談を受ける側の知りたいことを解消するような感じがして家の近所の精神科を探して個人的に相談を継続している」とした。

    高麗(コリョ)大安岩(アンアム)病院精神医学科のチョ・チョルヒョン教授は「事故現場を目撃した人々も今後トラウマを経験する可能性が十分あり、どのようなサポートをどこで受けることができるのか相談通路をもっと積極的に知らせなければならない」とし「トラウマがないようにみえても数年経過して突然発現する場合もある。事故後も引き続き事例管理が並行されなければならない」と助言した。

  • 梨泰院事故の犠牲者を追悼する外国人がソウル龍山区(ヨンサング)梨泰院駅1番出口の前に追悼の花を置いている。キム・ソンリョン記者

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