韓国HOTニュース
  • 「行きたくても行けない」日本旅行 制約多く需要伸び悩み=韓国

  • 旅行 2022年07月27日 06:30
  • 日本政府が入国制限を緩和したことを受け、韓国で先月日本旅行の予約が急増したが、本格的な夏休みシーズンを前にキャンセルが相次いでいることが、27日分かった。

    ◇入国制限緩和も条件厳しく 伸び悩む需要

    韓国旅行大手、モドゥツアーが7月20日から8月14日まで販売しているチャーター機による北海道旅行は、予約分のうち約40%がキャンセルされた。6月第2週の時点では、新規予約増加率が直前の週に比べて250%増となっていた。

    多くの旅行客の期待に反し、日本政府が新型コロナウイルスの感染拡大を懸念して団体観光のみを認めているのに加え、ビザ(査証)取得の手続きに2~3週間かかるなど条件が厳しいためだ。

    日本入国後は事前の計画通りに行動しなければならず、引率者なしでは自由にショッピングもできない。

    欧州の主要国や東南アジアとは異なり、旅行の前後にPCR検査や迅速抗原検査を受けなければならないのも日本旅行が敬遠される理由だ。

    モドゥツアーの関係者は「日本は国境を開放した国の中でも厳格な入国条件を要求しており、問い合わせが予約へとつながりにくい状況だ」として、「ノービザ入国と個人自由旅行が可能になれば日本旅行が活性化するだろう」と述べた。

    一方、決済企業のVISAが20歳以上59歳未満の成人男女1000人を対象に行った調査の結果によると、1年以内に海外旅行に行くと答えた人のうち20.5%が最も行きたい旅行先に日本を選んだ。

    海外旅行先を選ぶ際に最も重視すること(複数回答)は旅行費用(41%)、航空・宿泊料金(40%)の順だった。世界的なインフレによって家計が圧迫されている状況が反映されたと分析される。

    日本は今年に入って急激に円安が進み、今月26日現在のウォンの対円レートは100円=950ウォン台と、費用面でも魅力的だ。旅行業界の関係者は「日本は地理的に近いため航空料金が比較的安く、今年に入ってからは過去に例のない円安まで重なって魅力的な旅行地であることは確かだが、入国条件が厳しく、新型コロナ以前の水準まで観光が活性化するためにはさらに時間がかかるとみられる」と話した。

    ◇安倍元首相の銃撃事件も影響 雪解け見えぬ韓日関係に民間交流も限界

    今月初めに発生した安倍晋三元首相の銃撃事件も、このような流れに影響を及ぼしている。安倍氏を銃撃した山上徹也容疑者が、犯行動機として韓国で創立された宗教団体、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)と安倍氏の関係に言及したためだ。

    産経新聞によると、山上容疑者は母親が統一教会に多額の寄付をしたことで家庭が崩壊したとして、安倍氏を襲えば教会に非難が集中すると考えたと供述した。ニューズウィーク日本版は25日、「統一教会の収益の70%が日本から出ている」として、統一教会と日本との関係を集中的に報じた。SNS(交流サイト)でも、安倍氏殺害の背景に統一教会があるとして一部のインターネットユーザーが嫌韓発言を投稿した。

    これを受け、駐福岡韓国総領事館は8日、韓国国民に対する憎悪犯罪(ヘイトクライム)が発生する可能性があるとして公式ツイッターで注意を呼びかけた。

    尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権が力を入れている韓日関係の改善も進展が見えない。朴振(パク・ジン)外交部長官は18~20日に訪日し、韓国外相として4年ぶりに日本の首相を表敬訪問したが、両国間の懸案に対する明確な成果は上げられなかった。

    文在寅(ムン・ジェイン)前政権の5年間に韓日関係を破綻に追い込んだ日本の植民地時代の強制徴用問題や韓日慰安婦合意の無力化など、過去の歴史問題を巡る対立が足を引っ張っている形だ。

    両国の国民性や政府の政策が国民感情に及ぼす影響などを考慮すると、国と国との対立が解消されなければ民間交流にも限界があるとの指摘が出ている。

    2020年3月から運航が中断されていた金浦(ソウル)―羽田(東京)線が25日から毎日運航されるなど、民間レベルでの交流は急速に回復しているが、このような背景から各分野での交流協力は国民が体感できるほど拡大していない。

  • 24日、金浦空港で羽田行きの飛行機の搭乗手続きをする乗客ら=(聯合ニュース)

注目のニュース