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  • 韓国の青年ニート172万人…15-34歳の1割は勉強も就職活動もせず

  • 社会・文化 2021年11月26日 15:11
  • 仁川(インチョン)に住むチャンさん(33)は今月に入って一度も家から出ていない。首都圏の大学を卒業したチャンさんは卒業直後から公務員の試験を準備したが、不合格が続いた。試験をあきらめて企業に就職しようとしたが、すでに30歳を超えていて職場が限られた。さらに昨年は新型コロナウイルスの感染が広がり、就職をあきらめた。

    学校にも職場にも通わない「ニート族」(NEET=Not in Employment, Education or Training)の青年が170万人を超え、過去最多となった。ニートが青年全体の14%を超えた。特にこのうち就職活動まであきらめた青年の比率が高まった。青年の10人に1人は仕事も、勉強も、さらには就職の努力もしていないことが明らかになった。

    韓国労働パネルの「新型コロナ衝撃が青年ニートに及ぼす影響に関する研究」によると、昨年、未婚青年(15-34歳)のうちニートの規模は172万3000人にのぼった。前年度(157万8000人)より14万5000人(9.2%)増えた。昨年初めてニートが170万人を超えて過去最多となったが、今年はさらに増える見込みだ。

    韓国労働研究院のナム・ジェリャン研究委員は8月までの流れが12月まで続けば、今年は177万3000人に増えると予想した。15-34歳の人口(1210万1000人)の14.7%にのぼる。「コロナ以前の雇用の99.9%を回復し、青年雇用率は7年ぶり最高」と述べた洪楠基(ホン・ナムギ)経済副首相兼企画財政部長官の診断とは相反する現象だ。

    就職活動をあきらめた青年がニートの増加傾向につながった。昨年、就職活動をしていないニートは128万2000人と、前年度(111万6000人)に比べ16万6000人増えた。青年全体人口に占める比率も10.5%と、初めて10%を超えた。

    2010年(97万2000人)から2016年(97万9000人)までは100万人前後で維持されていたが、2017年から増加に転じた。増加しても2016年から2019年までの年平均増加幅は4万6000人程度だった。昨年の増加幅が4倍近く増えたことについて、ナム委員は「新型コロナの影響と把握される」とし「青年人口は減少したがニートが増加したのは極めて異例」と話した。

    年齢別には25-34歳、学歴別には大卒以上で就職の放棄が目立った。25-29歳のニート増加率は昨年24.8%にのぼった。30-34歳(13.4%)の増加率も10%を超えた。4年制大学卒業以上での増加率は21.5%で過去最高となった。チャンさんのように公務員や中堅企業以上への就職を目指していたが放棄した人が増えたためと分析される。

    別の調査では新型コロナ以降、青年層で引きこもりが増えたという結果が出ている。韓国青少年政策研究院が18-34歳の青年3520人を対象にした調査では、3.4%が外出をほとんどしないと答えた。中央大経済学部のイ・ジョンヒ教授は「就職できないので能力がないと感じて放棄し、親に依存する青年が増えている。隠遁生活者が増えるのもこれと関係がある」と説明した。

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