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  • <サッカー>仁川球団、「トルコ球団詐称」メールで14万ドル被害

  • スポーツ 2021年04月01日 11:25
  • プロサッカー仁川(インチョン)ユナイテッド(仁川球団)が外国人選手招聘の過程で詐欺にあった事実が明らかになった。選手招聘後に海外球団と意思疎通をする過程で疑わしい点があったことが明らかになり、「被害を事前に防ぐことができたのでは」という指摘も出ている。仁川市が支援する市民球団が詐欺にあっただけに球団の責任論も提起される。先月末、仁川球団が懲戒委員会を開き、関連職員を懲戒することにしたが、「セルフ懲戒」という批判と共に論議は続いている。

    ◆選手の債務を抱え込んで始まった悪夢

    仁川球団の悪夢は、2019年7月にトルコリーグのFWケヒンデ(25)を獲得したことで始まった。当時、仁川球団はケヒンデが所属するデニズリスポル(トルコ球団)側と別途の合意書に署名した。ケヒンデがトルコ球団に債務があるためこれを仁川球団が代わりに返して選手の年俸から差し引くという内容だった。移籍市場の締め切りを控えた仁川球団は債務総額20万ドルを2度に分けて支払うことを約束した。トルコ球団が球団公式メール(Aアカウント)で仁川球団にトルコの口座番号を伝えるまで大きな問題はなかった。

    ところが4日後、Aアカウントはトルコではなくスペインの口座に送金してほしいと要請してきた。理由は伝えなかった。今度はまた別のメール(Bアカウント)を通じて同じ要請が入ってきた。相次ぐ要請を受け、仁川球団はスペインの口座に10万ドルを送金した。Bアカウントと接触したのは初めてだったが、Aアカウントとメールアドレスが似ていて本文の内容が同じだったため、仁川球団は疑わなかった。Bアカウントは「銀行に確認して支払い証明書を送る」と返答した。

    ◆送金したが受け取っていない?

    しかしい怪しい状況が続いた。Aアカウントが「まだお金を受け取っていない。今日までにスペインの口座で送金してほしい」というメールを送ってきたのに続き、翌日、Bアカウントも「お金を受け取っていない。口座受取人の名前が合っているかなど確認してほしい」と伝えてきた。それぞれ異なる2つのアカウントがお金を受け取っていないというメールを送ったのだ。それでも仁川球団は疑わなかった。送金したお金が国内の銀行にまた戻り、単なる口座の問題だと判断したからだ。Bアカウントはスペインの口座に問題があるとし、メキシコの口座に送金するよう要請した。

    2019年8月16日。仁川球団はメキシコの口座でまた10万ドルを送った。Bアカウントは「10万ドルを受けた。残りの金額も送金してほしい」と返信した。問題がないと考えた仁川球団は残りの10万ドルを2回目として送金した。しかしBアカウントは「お金を受け取っていない」とし、別の口座にお金を送ってほしいと要請した。納得できる理由はなかったが、仁川球団はこれに従った。メール以外の手段でトルコ球団側に真偽を把握しなかった。

    その後、状況はさらにこじれた。Bアカウントが「銀行に送金したお金の返還要請をしてほしい」と連絡してきたからだ。仁川球団が難色を示すと、Bアカウントは繰り返しメールを送って督促した。結局、仁川球団はBアカウントを信じて返還要請をした。しかし2回目の送金した10万ドルのうち仁川球団が受けたのはその半分の5万2761ドルだけだった。

    ◆FIFAに持ち込まれた球団間の紛争

    混乱する仁川球団にまた別のメールが届いた。発信者は自身をトルコ球団の社長と説明した。彼はトルコ球団にはAアカウント以外に公式メールアドレスはないと伝えた。トルコの口座以外の他国の口座は使用しないとも強調した。彼は「トルコ球団を詐称したBアカウントが仁川球団をだましたようだ」とし「我々は20万ドルの一銭も受けていない」と主張した。

    しかしすでに約14万ドルを送った仁川球団は戸惑った。仁川球団の対応が遅くなると、トルコ球団はFIFA(国際サッカー連盟)に仁川球団を提訴した。2月、FIFAはトルコ球団側の主張を認めた。仁川球団は詐欺の疑いがあったにもかかわらず対処せず、トルコ球団にお金を支払わなかったという理由だ。結局、仁川球団は追加で20万ドルを用意しなければいけない状況に直面した。

    ◆トルコ球団の内部者が関与?

    仁川球団はFIFAの決定とは別に警察にこの事件の捜査を依頼する方針だ。捜査が始まれば警察はインターポールの協力を受けて事件を捜査することになる。仁川球団の関係者は「トルコ球団の内部者が詐欺に加担した可能性も念頭に置いて資料を整理し、詐欺の疑いで捜査を依頼する方針」と伝えた。続いて「振り返ってみると誰が見ても疑わしい状況があったが、真相を把握できなかった」とし「再発防止対策を用意し、二度と市民に迷惑をかけないようにしたい」と述べた。

  • 2019年に仁川(インチョン)ユナイテッドに所属したケヒンデ 中央フォト

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