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  • ドラマ「朝鮮駆魔師」歴史わい曲の波紋…放映中止請願、広告も撤収=韓国

  • 芸能 2021年03月25日 10:43
  • SBS月火ドラマ『朝鮮駆魔師』が歴史わい曲の論議に巻き包まれた。24日、SBSはすでに放送された第1・2話の再視聴と再放送を中止して問題場面を修正することにした。また、来週は放送休止した後、全体的な内容を再整備すると明らかにした。

    『朝鮮駆魔師』は朝鮮時代を背景に、太宗〔テジョン、李芳遠(イ・バンウォン)〕および王世子(皇太子)らが悪霊と戦うという設定のドラマだ。論議は大きく2つだ。忠寧大君〔チュンニョンデグン、世宗(セジョン)〕がバチカンから来たカトリック駆魔司祭に月餅や中国式ギョーザ、皮蛋(熟成させたアヒルの卵)などを接待する場面。朝鮮が背景なのに中国料理が登場して中国の文化工程に利用され得るという懸念の声が上がった。

    また、太宗が父・太祖(テジョ)の幻影を見て民を虐殺したり、忠寧大君が駆魔司祭と訳官に無視されたりするなどの設定にも実存人物を過度にわい曲したという指摘が出た。全州(チョンジュ)李氏宗親会側はこのような内容を問題にしてSBS側に抗議する予定という。

    青瓦台(チョンワデ、大統領府)国民請願掲示板には『朝鮮駆魔師』の放映中止要請の請願文が掲載され、24日午後8時現在約10万人が同意した。また、放送通信審議委員会にも『朝鮮駆魔師』関連の苦情が3900件余り受け付けられた。最近2カ月間受け付けられた嘆願が1500件余りだったことに比べると記録的だ。

    『朝鮮駆魔師』の制作スタッフは23日「敏感な時期に誤解になり得る場面があり、視聴者の方々にお詫び申し上げる」として「劇中で漢陽(ハンヤン)から離れた辺境の人物の位置を説明するための設定だっただけで、いかなる特別な意図は全くなかった。明国を通じてちょうど朝鮮へ渡ってきた西域の駆魔司祭一行が休む場所であり、明国の国境に近い地域なので『中国人の往来が多かったのではないか』という想像力を加えて小道具を準備した」と釈明した。だが、一部のネットユーザーの間では意図的な「東北工程ドラマ」ではないかとしてタイトルを『中国駆魔師』に変えろという嘲弄まで上がり、制作スタッフは「中国風美術と小道具(月餅など)に関連して敏感な時期に誤解をもたらして視聴者の方々にご迷惑をおかけした。改めてお詫び申し上げる」と明らかにした。SBSも謝罪文を出して「実存人物と歴史を扱うだけに、さらに詳細に確認して監修する必要があったのにそれができなかったことに対して責任を感じ、視聴者の方々に深くお詫び申し上げる」と24日、明らかにした。

    『朝鮮駆魔師』の台本を書いたパク・ゲオク作家は前作であるtvN週末ドラマ『哲仁王后』でも歴史わい曲で論議を呼んだ。『朝鮮王朝実録』を「チラシ(私設情報誌)」に表現して神貞(シンジョン)王后を迷信に陥った人物に描写した。豊壌(プンヤン)趙氏宗親会が抗議すると、制作スタッフは急に劇で重要な軸をなす安東(アンドン)金氏と豊壌趙氏一家をそれぞれアンソン金氏、プンアン趙氏などに修正して鎮火に出た。

    『朝鮮駆魔師』の波紋が大きくなると、「サムスン電子」「サンバンウル」「エースベッド」など企業も広告や製作支援を撤回している。マッサージチェア会社「コジマ」はホームページのお知らせを通じて「関連懸案を認知した後、直ちに広告撤回を要請したが、放送会社側の事情で22日付広告が送出された」として「該当ドラマの内容とコジマは関係がない。慎重な姿勢で制作を支援する」と明らかにした。

    放送街ではこのような論議の拡大に驚く雰囲気だ。ある地上波関係者は「中国風小道具を使ったことなどに対しては制作スタッフが謝罪すれば一段落すると考えたが、広告主まで次々と撤収しており驚いた」として「国民的な反中感情がこんなに大きいとは知らなかった」と話した。

    大衆文化評論家のチョン・ドクヒョン氏は「最近、ドラマ『ヴィンチェンツォ』で俳優ソン・ジュンギが食べたビビンバをめぐり、韓中のネットユーザーの間に対立が拡大するなど、中国の東北工程と文化工程などで世論が敏感な状況で『朝鮮駆魔師』側があまりにも安易に判断したようだ」と話した。

  • ドラマ『朝鮮駆魔師』