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  • 出口のない韓国航空業界…乗客90%減、大規模失職の心配まで

  • 経済 2020年07月06日 07:51
  • 新型コロナウイルス感染症(新型肺炎)事態の余波で最悪の時期に苦しんでいる韓国航空業界が下半期にも茨の道に直面するという懸念の声が上がっている。新型肺炎以前の需要回復まで少なくとも2~5年がかかるという悲観的な見通しが続いている中、イースター航空発大規模失職事態に対する懸念の声も高まっているためだ。

    5日韓国航空協会によると、今年4-6月期の大韓航空を含む国籍航空会社9社の国際線旅客数は32万8348人で、昨年4-6月期(1521万7359人)に比べて97.8%急減した。1-3月期に続いて4-6月期まで新型肺炎の余波が続き、今年上半期だけで6兆5000億ウォン(約5825憶円)に達する売り上げの被害が発生したと推算される。

    航空会社別では国際線の運航率が20%台に留まった大韓航空の4-6月期の国際線旅客数は19万458人で前年同期(504万4013人)より96.2%減った。アシアナ航空も昨年4-6月期348万9554人から今年4-6月期には12万574人へと96.5%も国際線のお客さんが減った。格安航空会社(LCC)の中で唯一国際線の定期便を運航しているチェジュ航空の4-6月期の国際線旅客数も1万3127人で、昨年同期(201万1633人)に比べて99.3%急減した。

    海外旅行が事実上不可能な状況の中で旅行需要が国内に集まり、それなりに国内線旅客数を確保したという評価だ。4-6月期の国内線旅客数は524万6248人で、前年同期(843万8524人)に比べて37.8%減少した。だが、今年4-6月期もLCCを中心に国内線路線拡大の競争の中で航空券価格が下がったせいで航空会社の売り上げ回復には大きな影響を与えなかったという。航空業界関係者は「下半期には無条件危機から脱出しなければならない」としながら「各航空会社が国内線の拡大と国際線路線の運航再開で突破口を見出しているが、簡単ではない状況」と話した。

    国籍航空会社は新型肺炎で遮られた空の道を開けるために速度を出している。ティーウェイ航空は22日から仁川(インチョン)-ホーチミン、仁川-香港2路線の運航を再開する。国際線の運航再開は4月ぶりだ。これに先立ち、エアプサン、エアソウル、ジンエアー、イースター航空などLCCは新型肺炎事態で3月から一時的に国際線の運航を全面中止したことがある。

    大韓航空は今月国際線の35路線を週179回運航する。6月に比べると仁川-ダラス、仁川-ウィーンの路線が追加された。アシアナ航空も仁川-大阪、仁川-ロンドン、仁川-パリなどの運航再開に出る。

    また、他の航空業界関係者は「新型肺炎事態が現在進行形で、入国制限措置を取る国が多く旅行需要の回復は遅い状況」とし「路線変動の可能性が大きく運航スケジュールがいつでも変わり得るが、まず供給を増やしていくという計画」と話した。

    だが、下半期にも危機脱出が簡単ではないという懸念の声が出ている。国際航空運送協会(IATA)と国際空港協会(ACI)などが新型肺炎以前の航空需要が回復するまで少なくとも2~5年はかかるだろうという悲観的な見通しを相次ぎ出しているからだ。

    韓国航空協会も今年下半期の国際線月平均旅客展望値(12万983人)を昨年(504万967人)より97.6%引き下げた。このため、今年下半期に少なくとも8兆7900億ウォンを超える国際線の売り上げ減少が予想される。

    韓国航空協会関係者は「海外専門機関の航空需要見通しなどを考えると、国際線旅客のシャットダウン状態は今年末まで続くだろう」とし、「海外旅行の不安心理で需要回復にさらに長時間が必要になるかもしれない」と懸念を示した。

    下半期に航空業界は前例のない大規模失職事態という難題にも直面している。チェジュ航空とイースター航空間合併・買収(M&A)が座礁する危機に置かれ、イースター航空の破産の可能性が取り沙汰されているからだ。数百億ウォン台の未払賃金問題とともに1600人余りの職員が職場を失うかもしれない。

    イースター航空は事実上デフォルト(債務不履行)状態だ。航空業界の不況の中で新しい買収者を探すことも難しい。法定管理に入るといっても会社更生でない清算の可能性に重きがおかれる。イースター航空が破産すれば職員は事業主に責任を問うても未支給賃金を受け取ることは事実上難しい。

    未払賃金を受けるよりさらに大きな問題は再就職だ。新型肺炎で航空業界状況が最悪な状況で他の国内航空会社は無給休職や循環勤務で既存職員の勤務時間も減らしている。毎年行ってきた新規採用も中断されて久しい。イースター航空労組関係者は「チェジュ航空が買収を拒否すれば、政府の支援も不明な中で破産のほかには解答がない」として「特に、客室や運航、整備部門の職員は就職がさらに難しいだろう」と訴えた。これについてイースター航空労組は3日から10日間チェジュ航空の親企業である愛敬(エギョン)グループ本社の前でチェジュ航空糾弾集会を行うという方針だ。

  • インチョン)国際空港の旅客機ターミナルに航空機が駐機している。キム・ソンニョン記者