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  • 鶏皮フライ、ラーメン味のポテトチップスに熱狂…韓国は今、「怪食時代」

  • 社会・文化 2019年06月20日 15:14
  • 19日午前9時40分、KFCソウル江南(カンナム)駅店。開店時間は午前10時だが、全35席のうちすでに27席は埋まっていた。10時になると彼らは先を争うようにしてキオスク(無人販売スクリーン)に走って行って注文を入れた。ほとんどが20代の彼らが同時に食べようとするメニューは、この日限定版として発売された「鶏皮フライ〔12個入り、2800ウォン(約258円)〕」。KFCインドネシアだけで販売されていたメニューで、塩辛くて油っこいことで有名だ。電子掲示板サイト「DCインサイド」の「チキンギャラリー」に「食べてみたい」というコメントがつけられ、ソウル江南駅・鷺梁津(ノリャンジン)駅・韓国外大店と釜山(プサン)の慶星大・釜慶大(キョンソンデ・プギョンデ)駅店、水原仁渓(スウォン・インゲ)DT店など全国6店舗に上陸した。

    鶏皮フライの威力は江南駅店開店直後に発揮された。開店7分でスタッフは「注文時30分以上かかる」と叫んだ。一人で店に来た大学生のイさん(23)は「待って食べるだけのことはある。すでに待機30分ということで、オープン15分前に来てよかった」と満足そうな表情だった。昼休みが近づいて行列がさらに長くなると、「待ち時間15分残った領収書」を追加金を加えて販売するという「鶏皮フライダフ屋」まで登場した。

    この日、鷺梁津駅店では準備していた数量(930人分)が午前11時30分に売り切れる記録を打ち立てた。昼休みが終わる前に6店舗で完売し、合計5400人分の鶏皮フライが売れた。KFC関係者は「国内産の鶏肉は皮を剥ぐ作業をすべて手作業でしなければならないため多くの数量を準備できなかった」とし「関心があるだろうとは予想していたが、これほどまでとは思わなかった」と話した。

    ◆怪食のSNS投稿に執着するミレニアル

    大韓民国が「怪食」(奇異な食習慣)にハマっている。味を追求するのではなく、「鶏皮フライ」のような特異なメニューに熱狂する。少し前までは「ウェルビーイング」や「オーガニック」「菜食」が外食業界の話題だったこととは完全に逆を行くトレンドだ。怪食を追及する消費者は、これ以上なく塩辛いか甘い食品、見た目が不思議な食べ物、ありえない組み合わせで構成されたメニューを求め、ソーシャルメディアに投稿するという特徴がある。

    最近流行している怪食リストは奇異そのものだ。KFCの鶏皮フライは文字通り適度に味付けした鶏皮に衣をつけて揚げたメニューだ。これに先立ち、インドネシア現地で食べたことのあるコメントで「おいしい」という評価は珍しい。むしろ「油っこくて塩辛い」「これをなぜ食べているのか私も分からない」という反応が大多数だ。

    味のために食べるのではなく、急速に広がっているので一度食べたら忘れられるためすぐに消滅する。普通は食べない特殊部位の豚の尻尾を焼いたものやさまざまな材料を混ぜてハンバーガーサイズの「トゥントゥンイ(ぽってり)マカロン」や頭が痛くなるほど糖度を高めてタピオカパールを入れて作った台湾黒糖(黒砂糖)バブルティーなど、最近流行した食品はほぼ怪食に属する。

    このような流行はトレンドに敏感な10~20代が主に利用するフライドチキンチェーン店やコンビニエンスストアのメニューにそのまま反映される。フライドチキンチェーン店「mexicana chicken(メキシカーナチキン)」はキムチを炒めて鶏とあえた「ミスターキムチキン」、チャンポンソースとイカボールを一緒に炒めたソースをチキンとあえた「オジンオチャンポンチキン」を新メニューとして出した。ミレニアルはこのようなメニューを食べた後、「食べてみた」という事実をSNSなどに公開して「もう2度と注文しない」というハッシュタグを入れて締めくくる。

    コンビニエンスストアのメニューの実験はこれよりも果敢だ。コンビニエンスストアGS25はプライベートブランド(PB)商品に「ミニオンズ・チョコスティック・ホットチキン」味を新製品として発売してSNS認証アイテムとして人気を呼んだ。チョコレートと辛いチキンを混ぜておいしいはずはないが、好奇心を刺激して購入させようという狙いだ。CUの場合、生クリームとスイカを混ぜたスイカサンドを新製品として出すこともした。コンビニエンスストアで販売している弁当や菓子スナックをかき混ぜて「オリジナル怪食メニュー」を実験することも大流行している。ポテトチップを牛乳にふやかしてポテトサラダで作ってみたり、カップラーメンにコーラや牛乳を入れてみたりするやり方だ。

    ◆ウェルビーイングに逆行する一種の「反文化」

    怪食トレンドは食品会社も後に続いている。最近、怪食実験が最も著しい企業は農心(ノンシム)だ。自社の人気製品を組み合わせて独特の「異種フード」を出している。最近最も話題になった製品は「ポテトチップのユッケジャンラーメン味」だ。2つのステディーセラーをミックスさせてコンビニエンスストアの売れ筋人気商品になった。ラーメン菓子「チョルビョン」(インスタントラーメンを一口サイズに丸く固めたもの)ジャパゲティ味のほか、韓国人にとって懐かしさを感じさせるスナック揚げ菓子「インディアンパプ」にロブスター味の調味料を加味した「エスキモーパプ」、コチュジャンのまぜ麺「ビビン麺」にツナとマヨネーズを加えた「農心マグロマヨ・ビビン麺」も怪食の流行が産んだ変種だ。他の食品メーカーでも「サムジャンラーメン」〔三養(サムヤン))〕、「鯛めし丼味ポテトチップ」(ヘテ)、「マッコリカーノ」〔麹醇堂(クッスンダン)〕など、怪食をテーマにした新製品が続々と出ている。

    このような現象は最近の10~20代の社会関係パターンから始まった。ソウル大学消費者トレンド分析センターのチェ・ジヘ研究委員は「個人の幸福を追求するパラダイムが出てくる前に登場したウェルビーイングトレンドは全世代と全世界を網羅するトレンドだった」とし「だが怪食文化はミレニアル世代だけのためのトレンドで、一種の反文化としてみることができる」と診断した。この世代の感性は正解を追求するのではなく、風変わりなことや特異なことを追求して無意味なことから面白さを感じる。ソーシャルメディアへの投稿とこれとつながった集団の呼応・反応で存在感を確認する世代の特性が怪食に進化したと考えることができる。

    怪食は一種の自己破壊的現象で、健康上の問題につながる可能性があるという指摘もある。モッパン(食事をしている様子を映像で流すこと)ユーチューバーが関心を引くために黒糖バブルティーを接待で飲んだり食べすぎたりする場面は摂食に対する誤ったイメージを植え付けかねない。怪食製品の流行サイクルが短く、刺激的なものを頻繁に過度に多く食べる危険にもさらされやすい。江北(カンブク)サムスン病院家庭医学科のカン・ジェホン教授は、これについて「鶏皮は皮の下には脂肪が多いうえにフライをすれば高脂肪・高カロリーの食べ物になる」とし「頻繁に摂取すれば肥満以外にも糖尿や高脂血症、脂肪肝、心血管疾患にかかる可能性が高くなる」と警告した。

  • 怪食文化は食品会社の新製品アイデアにつながっている。ポテトチップス「ポカチップ」のユッケジャンラーメン味。