韓国HOTニュース
  • 韓国「ゾンビもの」、海外で好評…K-POP・ドラマに続く韓流の主役なるか

  • 芸能 2019年02月13日 16:09
  • 「ハリウッドのゾンビものが遅々として進まない中で、期待以上のスリーパーヒット作が誕生した」

    朝鮮版ゾンビ史劇『キングダム(Kingdom)』(脚本キム・ウニ、演出キム・ソンフン)に対する英国日刊紙テレグラフの評価だ。『キングダム』は先月Netflix(ネットフリックス)を通じて世界190カ国に同時公開された全6話の韓国ドラマ。貪官汚吏の横暴と飢えに苦しむ民が疫病にかかって人をむさぼり食べる怪物、すなわちゾンビとなる。

    海外では、朝鮮の世相を結合して、西欧で始まったゾンビジャンルの法則を革新した、さまざまな試みが新鮮だという好評が相次いでいる。両班(ヤンバン)たちが「両親から受け継いだ体だ」「三代一人っ子」などと口々に言いながらゾンビになった子どもの死体を燃やすことを拒否したり、昼になるとゾンビが韓屋の低い縁側の下や森の中の岩の下に閉じこもったりする場面は通常のゾンビものでは見られない。米国誌「フォーブス」はこのようなゾンビが「ヴァンパイアのように独特だ」としながら「(米国ゾンビドラマ)『ウォーキング・デッド』ファンなら必見の作品」と推薦した。

    朝鮮時代を再現した美術や衣装にも関心が集まっている。米国映画専門誌「バラエティ」は王妃が住む景福宮交泰殿(キョンボックン・キョテジョン)など劇中の空間や韓服を大きく取り上げた。海外ファンのSNSでは朝鮮の伝統的な帽子のカッや冠が話題になり、『キングダム』の関連検索語で帽子(hat)が浮上したりもした。韓国大衆文化評論家のキム・ボムソク氏は『キングダム』の成功について「韓国、朝鮮の風景を海外に認識させた功績が一番大きい。100カ国以上の国々で字幕と吹替版で一回で話題を作る成功的な効果を上げた」と評した。

    韓国を新たな「ゾンビ名家」として注目する視線も生まれた。3年前『新感染 ファイナル・エクスプレス』(監督ヨン・サンホ)が世界160カ国で公開され、韓国を含めて約1600億ウォン(現レートで約157億円)の興行収入を記録して以降、韓国産ゾンビブロックバスターが再び世界に通用したという点でだ。コンテンツパンダのイ・ジョンハ・チーム長は「昨年、映画『猖獗(チャングォル)』は『新感染 ファイナル・エクスプレス』の会社(投資配給NEW)の朝鮮版ゾンビものという事実だけで完成版を見る前に購入契約した海外バイヤーが多かった」と伝えた。

    『キングダム』をはじめ『新感染 ファイナル・エクスプレス』『猖獗』など韓国大作の中のゾンビは動きが速くてアクションに優れているのが共通点。これはよく「韓国型ゾンビ」の特徴に挙げられている。本格的なゾンビ映画の祖に挙げられる『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』(1968、監督ジョージ・ロメロ)ではゾンビの動きはとてもスローだった。この映画は墓から蘇ったゾンビが人間の肉をむさぼり食べるという残酷な描写で恐怖をあおる一方、ゾンビに襲われるとゾンビになったり、魂のないゾンビの群れと公権力の鎮圧方式に大衆の無意識や不条理な世相を遠回しに落とし込むなど、ゾンビホラーものの骨組みを作った。

    ゾンビが走りはじめたのはダニー・ボイル監督の映画『28日後…』(2002)からだ。韓国型ゾンビがこれを借用した背景にはそれなりの理由がある。「興行負担が大きいブロックバスター映画で、ゾンビという普通ではない素材を扱っているため、最大限観客に親しみやすいやり方でリードしていかなければならなかった。流れが速くて、アクションがメインにならなければならなかった」。『新感染 ファイナル・エクスプレス』公開当時のヨン・サンホ監督の話だ。韓国では馴染みの薄いゾンビという素材を大衆に受け入れてもらいやすい形にしようとする努力が、韓国型ゾンビのカラーとしてその位置づけを確固たるものにしたといえる。『キングダム』のキム・ソンフン監督は「韓国人は物語の隙間に冷静だ」とし「『キングダム』はゾンビものに入っていく心理的な垣根を低くして、叙事とアクションの快感を加えるために気を配った」と話した。

    ゾンビものが身近なジャンルになり、新たな試みも登場している。13日に公開される韓国のコメディ映画『奇妙な家族』(監督イ・ミンジェ)は忠清道(チュンチョンド)の田舎にゾンビが出没する騒動劇。ゾンビがケチャップをかけたキャベツを好物として食べたり、ゾンビに襲われた村の老人が若返るなど独特の設定を前面に出している。ゾンビとロマンスも芽生える。特殊メーク室のユン・ファンジク室長は「家族観客がターゲットなので、ゾンビの扮装を怖そうなものではなく、キャラクター状況によってはカラーレンズや保形物を使って神秘的でかっこよく見えるようにした」と説明した。

    ゾンビもので「ゾンビの群れ」専門的に演じる俳優たちも生まれつつある。『奇妙な家族』のゾンビの動きを指導した振付師のイ・テゴン氏は「体をよく動かせる人が有利ということで、同じ時期に撮影された『猖獗』に同時出演したり、『新感染 ファイナル・エクスプレス』を撮ったりした人も何人かいた」と伝えた。『新感染 ファイナル・エクスプレス』に続き『キングダム』のゾンビの動きをデザインした振付け師のチョン・ヨン氏は「海外のゾンビものは難しい動作を俗にいうCG(コンピュータグラフィック)で処理している反面、韓国ではしっかりとトレーニング受けた俳優やアクションチームが多くの動作を自ら演じてリアリティを出している」と話した。

    シーズン2撮影に突入した『キングダム』に加えて韓国のゾンビものの新作も続々と準備されている。ヨン・サンホ監督は俳優カン・ドンウォンを主演に据えて『新感染 ファイナル・エクスプレス』の世界観をそのまま持ち込んだ続編『半島』(仮題)を準備中だ。『完ぺきな他人(Intimate Strangers)』のイ・ジェギュ監督の次期作はJTBCが放送する学院ゾンビドラマだ。ゾンビであふれる汝矣島(ヨイド)に銀行強盗に入るために潜入するパニックアクション『汝矣島』(仮題)も企画中だ。

    英国日刊紙テレグラフは「『ワールド・ウォーZ』の続編製作は失敗に終わり、10年ぶりに登場する『ゾンビランド』の続編は興味がわかないほどに関心が薄れていたゾンビジャンルに韓国ゾンビもの『キングダム』は一筋の光のように登場した」とし「ボーイズグループのBTS(防弾少年団)、韓国ドラマの人気とともに韓流がさらに幅広いブームを起こす時点がやってきた」と伝えた。

  • ドラマ『キングダム(Kingdom)』。西欧で誕生したゾンビアクションジャンルを朝鮮時代を舞台に据えて新たに韓国ゾンビものを作り出した。(写真提供=Netflix)