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  • 前韓国党代表「二度会った文大統領、頭の中の国政8割が北朝鮮のこと」

  • 政治 2018年12月13日 10:52
  • 今月11日に任期を終えて評議員に戻った自由韓国党の金聖泰(キム・ソンテ)前院内代表は歴代のどの院内代表よりも劇的な1年を送った。6.13地方選挙の惨敗で韓国党が崖っぷちに立たされた時、「金秉準(キム・ビョンジュン)非常対策委」カードを切って危機を突破した。9日間断食して反対派からの暴力を受けて病院に運ばれるという屈辱の末、「ドルイドキング特検」を成功させたりもした。退任前後二度にわたって金氏にインタビューをした。

    --任期を終えた所感は。

    「一日も気楽な日はなかった。特に、期限を越えた来年度予算処理過程で満身瘡痍になった。口の中がただれて言葉も出ない。私のパートナーである共に民主党の洪永杓(ホン・ヨンピョ)院内代表に謝意を表する。彼がドルイドキング特検を受け入れてくれたので9日で断食を終えることができた。彼もどれくらい大変だったのか、任期7カ月で円形脱毛症を患ったそうだ」

    --最も記憶に残る業績として「ドルイドキング特検」を挙げるが。

    「そうだ。院内代表が断食することは実は非常に難しいことだが、断行した結果、特検が成し遂げられた。しかし、青瓦台(チョンワデ、大統領府)の圧迫のせいで特検が根気強く捜査できなかったことが残念だ。民主党の秋美愛(チュ・ミエ)代表(当時)が『金慶洙(キム・ギョンス)ではない』と言ってガイドラインまで作ったではないか。青瓦台が民主党に伝えさせたメッセージではないか。それが影響を及ぼして裁判にも反映されたと考える」

    --洪永杓院内代表がドルイドキング特検を受け入れた過程が気になる。

    「5月11日に私が断食の末に入院した翌日未明、彼が病室に誰にも分からないように訪ねてきて『特検を受けるから今は小さなことで戦うのをやめよう』と言った。同時に『今は南北関係のような大きな問題を扱おう。4.27板門店(パンムンジョム)宣言支持決議案を出すために協力してほしい』と要求した。特検と板門店宣言支持を対等交換をしようということだった。その結果、特検が成し遂げられたが、板門店宣言支持決議は北朝鮮の非核化に進展がなく不発になった。その点では洪院内代表に申し訳なく思う」

    --それだけ民主党と政府が南北関係に力を注いでいるという傍証ではないか。

    「そうだ。私が会った文在寅大統領の頭の中の国政は8割が北朝鮮で占められているようだ。8月16日と11月5日の二度、青瓦台で文大統領と会ったが、関心事がほとんどが北朝鮮だった。特に、板門店宣言批准同意に強く執着していた。会合が終わったのに、私をつかまえて繰り返し訴えていた。11月の会談では『金正恩(キム・ジョンウン)委員長は必ず約束守ります』と強調していた。金正恩にとても深い信頼を持っているようだった。私が『一方的な北朝鮮支持はダメだ』と言ったが、『韓米間で緊密に協力しながら進めている』と言って話題を変えた」

    --脱原発に対する考えは。

    「2回の会談で南北関係の他に文大統領が最も強く執着していたのは『脱原発』だった。政策転換を求めたが、一歩の譲歩もなく頑強だった。その上、正義党の尹昭夏(ユン・ソハ)院内代表もたびたび大統領の肩を持って口を挟んできた。腹が立って『交渉団体代表だけに発言権がある。あなたはオブザーバーにすぎない』と語調を高めた。大声が出ると大統領が『怖くて続けられない。もう少し穏やかにいきましょう』と言うほど殺伐としていた」

    --経済が厳しいことは取り上げたか。

    「『非現実的な所得主導成長路線を廃棄せよ』と要求した。しかし、大統領には馬耳東風だった。『積弊清算という見せかけの下での政治報復を止めよ』とも迫ったが、やはり黙殺無返答だった」

    --ソウル交通公社の『特典雇用』疑惑を国政調査に持っていくことに成功したが。

    「民主党が国政調査要求を受け入れたことは政治的に確認するべき側面が多い。私が交渉しながら感じたのは、朴元淳(パク・ウォンスン)ソウル市長が民主党に及ぼす影響力が少なくとも30%は超えるということだ。朴市長は李明博(イ・ミョンバク)・朴槿恵(パク・クネ)政府時代の7年間、市長として在職しながら左派の人々を食べさせてやったといっても過言ではない。保守政府治下で行き場を失った彼らを市傘下機関に就職させて助けたのだ。彼らが朴市長の援軍になって雇用特典国政調査を極力阻止した。民主党ソウル地域議員を含めみな民主党の人々だ。洪院内代表は大変だっただろう」

    --最終決定につながった転末は。

    「洪院内代表が交渉の途中に私を訪ねてきて『最終調整のために2日だけ時間がほしい』と言った。『いけるかもしれない』とピンときた。一人だけの決断ではなかったと思う。ちょうどこの時期、文大統領が(雇用世襲など)社会的不正を迂回的に批判した直後だった。そこに答えがあるはずだ」

    --大統領府の意向が反映されたということか。

    「…」(言葉なく首を縦に振った)

    --民主党と交渉しながら青瓦台がバックについているという感じを受けたか。

    「私が交渉途中に新しい提案をすると、洪院内代表はすぐに即答できなかった。そこから推し量ることができるのではないか」

    --今年5月、文大統領が青瓦台発で改憲案を出した時『自ら撤回せよ』と言って反発した。

    「文大統領は1カ月後の6.13地方選挙で圧勝しようとして国の未来がかかった改憲案を投じたのだ。怒らないわけにはいかなかった。韓秉道(ハン・ビョンド)政務首席が私の元を訪ねて『大統領が長く悩んだ末に出した改憲案』と言って協力を願い出てきたが、『見せかけだけのことはするな』と叱りつけて帰した。文大統領が改憲案を外国歴訪中の電子署名で決裁したことも問題だった。それで『改憲で火遊びすれば夜にお漏らしするぞ』と言った」

    --青瓦台で誰が一番実力者だと思うか。

    「文在寅政権のナンバー2は任鍾皙(イム・ジョンソク)大統領秘書室長だ。大統領欧州歴訪中にその秘書がサングラスをかけて前方部隊の視察するのは話になるか。また、外国要人がソウルに来ると、該当部署の長官ではなく任室長と会う。与野政協議体が日程を決めることができず空転していた時も任室長の判断で解決した。アラブ首長国連邦(UAE)との外交葛藤が出てきて韓国党が政府を猛攻した時も私を訪ねてきたのは任室長だった」

    --任室長とどんな話をしたか。

    「任室長が、今、あなたが座っているその席に座り、私と1時間30分も話をした。大統領秘書室長が野党院内代表部屋に訪ねてきてそんなに長く話したことはない。それだけ重要だったということだ」

    --李明博政府がUAEから原発を受注して『有事の際、韓国軍がUAEを支援する』という非公開の覚書(MOU)を結んだことを現政権が『修正するべきだ』と言ってUAEと摩擦を起こしたことは言ったか。

    「その言葉でほぼ間違いない。大韓民国が国益のために付随的に軍事協力を約束して問題なく履行してきたが、突然文在寅政府が余計な問題とみなして騒動を自招した」

    --その結果、任室長はもちろん、大統領までUAEに飛んで行ったということか。

    「そうだ。その上、UAE実権者であるムハンマド・ビン・ザイド・アル・ナハヤン皇太子の来年初めの訪韓まで推進されているではないか。摩擦がどれほど深刻だったらこうなるのか。現政権のアマチュア理念外交がもたらした大惨事だ。過去に保守政府がやったことをすべて積弊として追い出した結果だ」

    --「金秉準非常対策委」が成し遂げた過程は。

    「党内論争は多かったが、その人しか方法がなく敢行した。6回も議員総会を開いた末に非常対策委が発足した。金秉準委員長が起用されたのは党改革に対する意志がしっかりしていたからだ。私が『あなたの人生で最も大きな失敗になりうる』と言ったが躊躇(ちゅうちょ)する素振りは少しも見せなかった。文大統領支持率が80%を上回る時だったが、金秉準委員長は『国が片方だけに傾けば危険だ』として重責を進んで負った。文大統領をよく知っている人ということで選んだ側面もある。左派の目に見える右派の問題点を最もよく知っているのも彼ではないだろうか」

    --金秉準氏の他にも有望株はいたではないか。

    「亜洲(アジュ)大学医大のイ・グクジョン教授を訪ねて行った。あまりにも切迫していたためだった。その人も快く会ってくれた。私が韓国党の代表的な『土の箸とスプーン』ではないか。中東で砂嵐を受けながら仕事をして学費を稼いだ事情に感動したようだった。だが、委員長の職は最後まで固辞した」

    --韓国党の未来はどう進むべきか。

    「最も警戒するべきことは党の右傾化だ。極右勢力が主導する党だと見られれば未来はない。極右的主張も尊重するが、合理・実用的政党として位置づき、外縁を広めていかなければならない」

    --野党圏統合はどうすべきか。

    「金秉準非常対策委が今月中に党の新しい価値と路線を提示するだろう。すうすれば来年1月中に我が党の人々はその路線に従うのか拒否するのか決めなければならない時点が来る。拒否する人は2月の全党大会を通じて整理され、党の色がより鮮明になるだろう。そのあとに他の野党と汎保守大統合を推進することができる」

    --呉世勲(オ・セフン)元ソウル市長を迎え入れた理由は。

    「金容兌(キム・ヨンテ)事務局長が連れくるべきだと主張し、本人が希望した側面もある。党を躍動的に動かしてくれる人材の一人だと考えた。より多くの人材が必要だ。黄教安(ファン・ギョアン)前首相の迎え入れも悩まなければならない時点だ」

    --来年2月の全党大会で出馬する考えか。

    「来年1月末まで私の院内代表活動1年に対する党内の評価が下されるだろう。その結果を見て出馬について決めるつもりだ。重要なことは、新しい代表は金秉準非常対策委が出す党の価値とビジョンに最も適合した人物が引き受けなければならないということだ」

    --親朴系統の支援を受けた羅卿ウォン(ナ・ギョンウォン)議員が後任の院内代表に当選したが。

    「羅議員は合理・論理的な性格なので、党を効率的に導くだろう。私は闘争一辺倒だったので党の運営にも変化が必要だが羅議員が適格だ。羅議員は特定派閥に縛られない代表的な政治家だ。そのような彼女が当選したのは、党が派閥葛藤を越えて一丸とならなければならないという議員の意向が作用した結果だ」

  • 金聖泰前院内代表は「文在寅大統領の金正恩抱擁の終着駅は北核廃棄であるべきだ。これがなければいかなる太陽政策も無駄になる。文大統領がそのような認識を持って努力し、成功するよう願う」と強調した。