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  • 韓国では赤いちゃんぽん、日本では白いちゃんぽんが食べられている訳

  • 社会・文化 2018年02月23日 14:07
  • 21日午後3時、ソウル西橋洞(ソギョドン)の中華料理「津津(ジンジン)カヨン」で「東アジアのちゃんぽんを語る」というイベントが開かれた。「文筆料理人」として有名なシェフのパク・チャニル氏が企画したこの日のイベントは、韓国と日本のちゃんぽんがどのように発展してきたかを語り合う場だった。パク・チャニル氏は「数年前に長崎でちゃんぽんを食べたが、食べ慣れた『赤いちゃんぽん』ではなく、色は白く玉ネギやたくあんもくれなかった。ソルロンタンのようで、うどんの麺を入れたものをなぜちゃんぽんと呼んでいるのか気になった」と話し始めた。また、「東アジア(韓日中3カ国)で人気のメニューだが、ちゃんぽんの根源を納得いくように説明してくれる資料がなく、一緒に集まって語り合う場を設けるきっかけになった」とイベントが開かれた背景を説明した。

    ◆韓日「ちゃんぽんの達人」が一堂に

    この日のイベントには2年連続「ミシュランガイド」で一ツ星を獲得した韓国の中華料理店「津津」オーナーシェフのワン・ユクソンさんと、長崎県雲仙市から来た「ちゃんぽん番長」の林田真明さんら韓国と日本の「ちゃんぽんの達人」が参加して各国のちゃんぽんについて語り合った。

    林田さんは温泉で有名な小浜町の役場に勤務する公務員だ。2000年以降、町を訪れる観光客が大幅に減り、町おこしのためにちゃんぽんに目をつけた。実際、小浜町は「ちゃんぽんの町」として親しまれている長崎に劣らないほどちゃんぽんで有名だ。林田さんは町にあるちゃんぽんの店の位置をまとめた地図をつくって宿舎に配布するなど、小浜町のちゃんぽんPRに尽力し、日本国内の各都市にある特色あるちゃんぽんを一つに集める行事も企画した。

    津津カヨンで開かれたイベント「東アジアのちゃんぽんを語る」の司会は食コラムニストのパク・ジョンべ氏が務めた。パク・ジョンべ氏は「行事が開かれる10日前、ちゃんぽんを勉強するために長崎に行ってきた」と紹介した。これによると、ちゃんぽんは初めから料理を指す言葉ではなかったという。日本では、1882年の文献に「ちゃんぽん」という単語が初めて登場するが、それぞれ異なる酒を混ぜたり他の医薬品を混合したりする意味で使われたという。パク氏は「韓国でも同じだった」とし「1963年、ある新聞に『ちゃんぽん内閣』という単語が登場した」と説明した。

    ◆中国式の肉ベースに海産物を加えた日本ちゃんぽん

    ちゃんぽんが料理名で呼ばれたのはいつからだろうか。日本では1899年にオープンした長崎ちゃんぽんの元祖「四海樓」から始まったとしている。当時、日本に留学に来ていた中国人留学生たちのために、同店の創業者・陳平順さんが中国の湯肉絲麺を基に麺が太いちゃんぽんを作った。中国の麺料理は豚肉スープがベースだが、四海樓は長崎の豊富な海産物をたっぷりと入れて作り、これが長崎ちゃんぽんのツールになった。

    反面、長崎から船で1時間ほど離れている温泉街・小浜町のちゃんぽんはまた違う。林田さんは「小浜ちゃんぽんは温泉に入りに来た観光客のために作られ、実際にもすしを食べた後にちゃんぽんを食べる。また、とんこつベースの長崎ちゃんぽんと違い、小浜では地域特産のイワシを入れて濃厚なスープの中にあっさりした甘みがある」と説明した。飾り付けに卵と華やかな色のかまぼこを添えて出すのも小浜ならではだ。

    ◆韓国人の口に合わせて完成した赤いちゃんぽん

    韓国のちゃんぽんにはどんなストーリーがあるのだろうか。ワン・ユクソンさんは「子供のころからちゃんぽんという名前は聞いていた」とし「ただし、冷蔵・冷凍技術があまり発達していなかったときなのですぐに傷む海産物ではなく、薄く切った肉や干し海老・かまぼこ・肉団子を入れていたと思う」と振り返った。

    色も今のように赤くなかったという。70年代初中盤、ある中華料理店で飾りとして糸唐辛子をのせて出したが、見た目は良くても良いが香りが良くなく、これを補完するために糸唐辛子を炒めて使ったものを他店もまね始めた。その後、「辛くしてほしい」という客の要求が増え、乾いた唐辛子を切って油で軽く炒めて追加したことで辛さが増した。その後、粉トウガラシを入れて赤色のスープを作り始め、今のような韓国特有の辛くて真っ赤なちゃんぽんが完成した。キムチチゲのようにピリ辛の濃厚なスープを好む韓国人の口に合わせて、これまで中華料理店の定番メニューだったウルミョンやうどんの代わりに、辛くて真っ赤なちゃんぽんがメインとして登場した。

    ◆麺、韓国はコシが強く日本は柔らかい

    韓国と日本のちゃんぽんは麺も違う。これは各国に移住した中国人の出身地域から影響を受けたことが考えられる。長崎に移住した中国人は中国南部出身、韓国仁川(インチョン)に移住した中国人は北部の山東省出身が多かった。だから両国のちゃんぽんは麺のコシからして違う。

    ワンさんは「中国の南と北は製麺スタイルが違う」とし「山東地域の北側は苛性ソーダなどを入れるため麺がなめらかでコシが出る反面、南側は白身または塩だけ入れる」と説明した。実際、北部の影響を受けた韓国のちゃんぽんの麺はコシが強く、南部の影響を受けた日本は切れやすいが柔らかい。麺をこねる方法も違う。パク・ジョンべ氏は「長崎の麺は唐あく(炭酸ナトリウム約90%)を入れているので、弾力はやや劣るが優しい口当たり。また唐あくを使うと苦味や特有の風味が出るが、これが長崎ちゃんぽん特有の味を演出している」と説明した。これについて林田さんは「昔は唐あくのほろ苦さのせいで子供たちはちゃんぽんが好きではなかったが、唐あくをかん水に変えたところ、現在は老若男女、誰でも好んで食べるようになった」と説明した。

    この日のイベントのハイライトは韓日両国ちゃんぽんのコラボレーションだった。21日、津津カヨンでは小浜ちゃんぽんのすっきりとしたスープに韓国ちゃんぽんのコシの強い麺を載せた。パク・ジョンべ氏は「小浜で食べたものより今日のちゃんぽんがおいしい。今日の討論のように、韓国の麺と長崎のスープが出会って新しい味を作り出した」と話した。

  • 討論会に先立ち公開された日本の長崎ちゃんぽん(左)と韓国式の赤いちゃんぽん。(写真提供=ダイアリーR)

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