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  • 45億ウォン収益上げた平昌ロングダウンコート…五輪グッズ、収益も「グッド」

  • 経済 2017年12月14日 15:37
  • 最近、道を歩いていると「Passion.Connected.」という文面が書かれた服を着た若者たちをたびたび目にする。この文面は平昌(ピョンチャン)冬季オリンピック(五輪)の英文スローガンで、「一つになった情熱」という意味だ。この文面を使った「平昌ロングダウンコート」はしばらくポータルサイト検索語順位1位に上るほど、熱い人気を呼んだ。この製品は平昌冬季五輪組織委員会(以下平昌組織委)から平昌五輪総括ライセンス事業権を獲得したロッテが作ったものだ。

    グースダウン(ガチョウ毛の充電材)製品である平昌ロングダウンコートの価格は14万9000ウォン(約1万5400円)。品質は良いが価格が安いという口コミが広がり、限定版として出たロングダウンコートを買うために数千人が百貨店の前で夜を明かす珍しい風景が現れた。引き続き、天然牛革で製作された平昌スニーカー(5万ウォン)も平昌ロングダウンコートに次ぐ人気を呼んだ。1日に予約販売を始めた後、一週間の予約者数12万人、予約数量20万足を記録した。ロッテはロングダウンコートとスニーカーに続き、平昌五輪開幕直前である来年初めには「平昌バックパック」も準備している。

    昨年3月、ロッテは平昌五輪とパラリンピック、テストイベント、大韓スキー協会などに計600億ウォンを支援する条件でライセンス事業権を獲得した。その後、ロッテ百貨店は内部のタスクフォース(TF)チームを構成してロングダウンコートとスニーカーを開発した。その結果、この会社は平昌ロングダウンコートだけで45億ウォンの売り上げを上げた。スニーカーはこれより2倍も多い売り上げを期待している。ロッテグループ関係者は「積極的なマーケティングを通じて五輪が終わった後にも世界に我がグループが広報されることを期待している」と明らかにした。

    平昌五輪のマーケティングが活発化し、「アンブッシュマーケティング(公式スポンサーでない企業などが間接的に自社の広告や販促活動をすること)」も頭をもたげている。平昌組織委は最近、「フィギュアの女王」キム・ヨナとスケルトン国家代表ユン・ソンビンを前面に出して広告を製作したSKテレコムに放映中断を要求した。スピードスケート国家代表キム・ボルムを出演させたアウトドア衣類ブランドのNEPA(ネパ)を相手にも同じ措置を取った。平昌組織委のリュ・チョルホ法務担当官は「SKテレコムとNEPAは平昌五輪の公式スポンサーではない。ところで広告内容に平昌五輪を暗示する部分が相当部分入っている。明らかに公式スポンサーの広告権利を侵害する事例」と指摘した。現在の平昌五輪の通信分野の公式スポンサーはKT、スポーツ衣類部門の公式スポンサーはヨンウォン・アウトドアだ。

    現在、国際オリンピック委員会(IOC)が1分野当たり1社を選定する五輪パートナーはサムスン(無線通信装備)、コカコーラ(飲み物)、オメガ(計測装備)、トヨタ(自動車)など13社だ。

    また、平昌組織委と契約を結んだ韓国のスポンサーは計78社だ。後援金額によって▼公式パートナー(500億ウォン以上)▼公式スポンサー(150億ウォン以上)▼公式プロバイダ(25億ウォン以上)▼公式サポーター(25億ウォン未満)など4レベルに分類される。アンブッシュマーケティングの被害を受けているKTとヨンウォン・アウトドアは最も上位レベルの公式パートナーだ。国際スポーツ大会が開かれるたびにアンブッシュマーケティングは悩みの種だった。世界的なスポーツ用品企業NIKE(ナイキ)は1984年、ロサンゼルス五輪で開催地「LA」を言及する屋外広告と陸上選手をモデルにした壁画を披露した。このおかげで米国国民の半分近くがNIKEを公式スポンサーとして認識した。当時、公式スポンサーはCONVERSE(コンバース)だった。韓国ではSKテレコムが2002年、韓日ワールドカップ(W杯)当時、アンブッシュマーケティングでかなり良い利益を上げた。公式スポンサーKTFは「Korea Team Fighting」というスローガンを前面に出したが、「赤い悪魔」キャンペーンを展開したSKテレコムの「Be the Reds」がより大きな反響を起こした。

    平昌組織委ライセンシング事業チームのイ・ヨンシン部長は「かつては企業らが『五輪ライセンシング事業が成功できるだろうか』という疑問が多かった。しかし、今回のロングダウンコートブームをきっかけに五輪ライセンシング事業が黄金の卵を産むガチョウになり得るとのことに気付いただろう」と話した。

    漢陽(ハンヤン)大学スポーツ産業学科のチョ・ソンシク教授は「五輪に関連したマーケティングが平昌五輪を盛り上げるのに一役買った。ところが、五輪マーケティングを積極的にするからといって競技場を訪れる観衆が突然増えるわけではない」とし「スポンサーの権利を守る一方、中長期的には五輪関連産業を育成する努力が必要だ」と明らかにした。

  • ロッテ百貨店が自主開発した平昌冬季五輪のマスコット、「スホランとバンダビ」人形。(写真=ロッテ百貨店)