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  • <囲碁:人間VS人工知能>人間が作った人工知能に人間が負けた

  • 社会・文化 2016年03月10日 09:16
  • 「負けるとは思っていなかったので非常に驚いている」。

    世界囲碁最強の李世ドル(イ・セドル)九段は人工知能(AI)「アルファ碁」に敗れた後、このように述べた。やや笑みを帯びた表情で話し始めた李九段は「序盤のミスが最後まで尾を引いた。(アルファ碁が)このように碁を打つとは思っていなかった」と語った。しかし李九段は「とても楽しめた」とし「まだ始まったばかり。初戦で敗れたからといって動揺しない。残りの対局で勝つ確率は半々と見る」と自信あふれる姿を維持した。

    9日、ソウル・フォーシーズンズホテル特別対局場で行われた5番勝負の第1局で、開始から3時間30分、アルファ碁が186手で中押し勝ちした。当初、李九段の圧倒的な優勢を予想していた囲碁界と情報技術(IT)業界はデータが人間の直観を抑え込んだ歴史的な対局として受け止めた。ネットユーザーも未来の技術にひざまずいた人間の限界を見たとし、憂鬱・驚き・恐怖が入り混じった反応を見せた。

    今後、「自ら学習する能力」を装着したAIはさらに速いペースで進化する見込みだ。金鎮衡(キム・ジンヒョン)ソフトウェア政策研究所長は「AIを現実に活用する時代が予想より早く来ただけで、AIが人間を越えたと見るのは誤り」とし「AIがその間散在していたいくつかの難題を解決してくれるという点で、今日の対局は憂鬱になることではなく喜ぶべきことだ」と強調した。

    アルファ碁は5カ月前の樊麾(Fan Hui)二段との対局当時より進化した。変則的な手に落ち着いて対応し、事態を揺さぶる強硬姿勢にはさらに強い手で対抗した。韓国代表チームのコーチを務める睦鎮錫(モク・ジンソク)九段は「有利な局面では守備的に、不利だと判断すれば強く攻める運営能力がトップ圏のプロ棋士レベル」とし「特に102で右辺に持っていった手は国家代表棋士の誰も予想できない手」と評価した。

    アルファ碁を開発したデミス・ハサビス・グーグルディープマインド最高経営責任者(CEO)は今回の勝利を1969年のアポロ11号の月面着陸に例えて「勝った。我々は月に着陸した。我々のチームを誇りに思う。素晴らしい対局を見せた李世ドル九段にも敬意を表する」とツイッターにコメントした。

    アルファ碁の次の課題は人気ゲーム「スタークラフト」だ。グーグルブレーンチームのジェフ・ディーンは「囲碁のようなボードゲームとは性格が違うという点で新しい挑戦になるだろう」と述べた。

  • 李世ドル(イ・セドル)九段が9日、グーグル・ディープマインドの囲碁人工知能(AI)「アルファ碁」との最初の対局に敗れた後、記者会見場に出てきている。李九段は今日(10日)、アルファ碁と2度目の対局を行う。

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