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  • <韓国歴史教科書国定化>首相「北に国家正統性があるかのように歪曲」

  • 社会・文化 2015年11月04日 16:11
  • 3日に歴史教科書の国定化を含む政府告示が確定し、教育部・国史編纂委員会(国編)は従来の教科書に代わる「正しい歴史教科書」開発に着手する。しかし教科書が2017年3月に学校に配布されるまでの過程で、執筆陣の構成のほか、叙述方向、細部内容など、触れば爆発する雷管が数多く散在している。

    新しい教科書が越えるべき最初のヤマは今月中に国編が発表する執筆基準だ。執筆基準とは執筆陣が教科書を具体的にどう記述するべきかを定めたガイドラインをいう。近現代史(朝鮮末期の大院君執権から現代まで)部分の大韓民国樹立(建国)時期と記述で論争が生じる可能性もある。

    従来の検定教科書の執筆基準は「大韓民国の発展と現代世界の変化」項目で「8・15光復(解放)以後に展開された大韓民国政府樹立過程を把握する」となっている。これを受け、検定教科書は1948年を「大韓民国政府樹立」と記述している。「建国日」に関する説明は特にない。国編が9月11日に発表した歴史教科書執筆基準試案も同じだった。

    しかし教育部が改訂・公表した歴史教育課程(9月23日)では、従来の教育課程とは違い、「大韓民国政府樹立(1948年)」という小主題を「大韓民国樹立」に変更した。

    この日、黄教安(ファン・ギョアン)首相も「1948年8月15日に大韓民国の誕生を世界に知らせた。(従来の検定教科書が)大韓民国は『政府樹立』、北は『国家樹立』と記述するのは、むしろ北に国家の正統性があるかのように歪曲伝達する」と述べた。

    これに関し「ニューライト」など右翼保守性向の学者は「1948年建国」を支持している。イ・ミョンヒ公州大歴史教育科教授は「臨時政府が樹立された1919年建国説は大韓民国の正統性を認めず分断体制として認識するものだ。亡命政府(臨時政府)樹立を建国と見るのは常識にも合わない」と主張した。

    多くの歴史学者は憲法に明示された臨時政府の「法統」に重点を置き、「1948年建国」に反発している。ハン・チョルホ東国大歴史教育科教授は「すでに1919年に大韓民国の国号を使用した。日帝侵奪にも主権を放棄せず建国したと見なければいけない」と述べた。

    民主化・産業化に関する叙述部分も論争の余地がある。この日、黄祐呂(ファン・ウヨ)副首相は「わが国は近代以降、民主化と産業化を成功させた珍しい国」とし「誇らしい我々の歴史に対する自負心を植え付けることができる教科書を作る」と述べた。従来の検定教科書が権威主義政権の独裁、経済二極化など否定的な面だけを過度に浮き彫りにしているという批判を反映するということだ。

    例えば教学社を除いた7種類の検定教科書は李承晩(イ・スンマン)大統領の独裁と不正選挙を詳細に記述している。金星出版社の教科書は李大統領の反共主義を「政府の失政に対する正当な批判と民主的権利に対する要求を弾圧する手段として利用された」と記述している。

    野党は「結局は独裁や大企業の美化に向かう」と反発した。この日、新政治民主連合の金聖洙(キム・ソンス)報道官は「政府は教学社の教科書以外は『偏向的教科書』と見なしている。学校が『親日独裁美化教科書』を採択しないから新しい教科書を作るということ」と主張した。

    北朝鮮の挑発に対する叙述も強化される。黄教安首相は「ある教科書は韓国哨戒艦『天安』爆沈事実が抜けている。北の挑発と韓国国民の犠牲を最小限に叙述している」と述べた。

    今月中旬に予定された執筆陣構成も争点となる見込みだ。ソウル大など20余りの大学の歴史教授、韓国歴史研究会・韓国近代史学会などが不参加宣言をした状態だ。

    パク・ジョンギ国民大国史学科教授は「(国定化で)一つの教科書になり、どこの誰も満足しない状況になりそうだ。国定教科書が国民統合でなく社会分裂を招いている」と懸念を表した。


  • 党・政・青協議会が3日、ソウル三清洞(サムチョンドン)首相公館で開かれた。黄教安首相は「経済活性化法案と労働改革法案が速やかに通過し、経済の早期回復に向けて総力を挙げなければいけない」と述べた。左から黄祐呂教育部長官、黄首相、元裕哲セヌリ党院内代表、李丙ギ大統領秘書室長、金武星セヌリ党代表。