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  • 失業と信用不良に苦しむ青年層…手をこまぬく労使政=韓国

  • 経済 2015年03月19日 12:05
  • 青年の10人に1人は失業者であることがわかった。働き口がないため莫大な借金から抜け出せずにいる青年も増加している。統計庁が18日に明らかにしたところによると、先月の青年層(15~29歳)の失業率は11.1%で、通貨危機の後遺症に苦しめられた1999年7月の11.5%以降15年7カ月ぶりの高水準を記録した。全体の失業率も4.6%で2010年2月の4.9%から5年来の高水準となった。

    信用回復委員会によると昨年負債を返済できず個人ワークアウト申請した29歳以下の青年は6671人で前年より573人増えた。学資金融資を受け6カ月以上お金を返済できなかった人も昨年4万635人だった。統計が作成され始めた2007年の3785人から11倍に増えた。朴槿恵(パク・クネ)政権は「雇用率70%」という公約を掲げたが、雇用事情は良くなるどころかますます冷え込む悪循環に陥った。

    定年延長と通常賃金上昇という罠にはまった企業は新規採用を減らしている。全国経済人連合会のイ・チョルヘン雇用福祉チーム長は、「年間40万人に達する大学卒業者があふれているが、世界的な景気低迷で収益が減った大企業は11万人程度しか採用できない。ここに定年まで延びたせいで企業としては新入社員採用に躊躇するほかない」と話す。

    大企業の正規職保護に汲々とした労組も社外の青年失業問題には消極的だ。強力な大企業正規職労組は毎年賃金を上げ中小企業との格差を広げるのに先導した。これにより青年就職活動生は大企業や公企業の入社試験準備とスペック積み上げに必死になり、青年失業はさらに悪化した。高麗(コリョ)大学法学専門大学院のパク・ジスン教授は、「労組は正規職保護に汲々としている。しかし青年失業の解決に乗り出さなければ結局自分たちの子どもにブーメランが戻ってくる」と指摘する。

    企業と労組の間に挟まれた政府も双方の顔色をうかがうばかりで果敢な労働改革措置を出せずにいる。そして企業を相手に賃金引き上げを圧迫し、かえって青年失業をあおっているとの指摘も出る。韓国銀行ですら最近の失業問題を懸念している。12日に基準金利を電撃的に引き下げた背景にも失業指標の悪化が作用した。韓国銀行のソ・ヨンギョン副総裁補は、「昨年中高年層の雇用が増えたりしたが量的成長であり、良質の雇用が増える質的成長とみるのは難しい」とした。

    しかし青年失業解消は企業や労組にだけ任せては成果を出しにくいと専門家たちは口をそろえる。労組は大企業の正規職保護が優先で、企業は定年延長と通常賃金上昇で余力がないからだ。労働改革の国際的模範事例に挙げられるオランダやデンマーク、ドイツも政府が先導して労組と企業の双方を説得し譲歩を引き出した。韓国外国語大学経済学科のソン・ジョンチル教授は、「青年失業を解決できなければ既成世代の老後も不安になる。時間は多くないだけに政府が前面に出て果敢な労働改革を行わなければならない」と話している。