韓国文化と生活

コネストの目！ニュースで見る韓国～2014年夏編～
お気に入り1

今、韓国でどんなことが起こっているのか、どんなニュースが話題なのかをリアルタイムで知ることができると、読者の皆さんから好評を得ている「韓国HOTニュース」コーナー。コネストでは、今夏話題性の高かったニュースをピックアップしてご紹介！ニュース報道を通して韓国の「今」に迫ります！

＜2014年夏のラインアップ＞

分野	記事内容
社会	ローマ教皇訪韓、都心に90万人いじめ、集団暴行…韓国軍内で問題相次ぐ空梅雨に冷夏、天候に異変？
政治	統一地方選、再・補欠選終了難航極めるセウォル号特別法制定
経済	韓銀利下げで超低金利時代へ浮き沈みする韓国経済、キーは中国
芸能	大作アクション映画が劇場席巻人気グループが続々カムバック大物スターのスキャンダルに関心集中
スポーツ	サッカーW杯敗退、監督辞任仁川アジア競技大会が開幕



社会：ローマ教皇訪韓、都心に90万人ローマ・カトリック教会の最高指導者であるローマ教皇が、８月14～18日にかけて韓国を訪問しました。ローマ教皇の訪韓は実に25年ぶり。全人口の約11％がカトリック信者の韓国では、訪問前から百貨店のカルチャーセンターで関連講座が開かれたり公式グッズの販売が行なわれたりと、歓迎ムードが高まりました。そして迎えた訪韓の日、到着地の京畿道(キョンギド)・城南(ソンナム)市にあるソウル空港には朴槿恵(パク・クネ)大統領が直々に出迎え。16日に光化門(クァンファムン)広場で行なわれた施福式(聖人に次ぐ福者を認定するミサ)には、韓国各地から約90万人が集まり都心一帯を埋め尽くしました。

施福式の数日前から
厳重な警備が敷かれた

広場に特設された十字架は高さ８m

都心の観光地では施福式に合わせ
観覧時間が変更に



社会：いじめ、集団暴行…韓国軍内で問題相次ぐ成人男性に兵役が課せられている韓国。国防の義務を果たすべき軍隊で６月21日夜、兵長の銃乱射により５人が死亡、７名が負傷する痛ましい事件が発生しました。事件を起こした兵長が軍生活に適応困難と判定された保護関心兵士だった点、被害者となった同僚たちから日常的にからかわれていたことが犯行の引き金になった点などに世間の注目が集まりました。その銃乱射事件からわずか１カ月後の７月末には、今年４月に別の部隊に属する一等兵が集団暴行を受け死亡した事件が発覚。これを期に軍隊内部での深刻な事態が次々と明らかになり、陸軍参謀総長が「反人権行為が続く部隊は解体も辞さない」と特別指示を出すに至った他、韓国軍は兵営の悪習を根絶するため監察活動を強化すると発表しました。


社会：空梅雨に冷夏、天候に異変？
例年なら６月下旬から始まる韓国の梅雨。しかし今年はどうしたことか韓国南部を除く地域では日照りが続き、７月上旬になってようやく梅雨入りを迎えました。梅雨の開始が７月にずれ込んだのは、1992年以来22年ぶりのことです。６～７月の降水量は少なく、その代わり韓国各地を襲ったのは梅雨の時期には珍しい連日30度を超える猛暑。「梅雨の後に猛暑」という正常な気候パターンではなく、「初夏の猛暑と空梅雨」という異常なパターンが見られました。一方、真夏の８月は大型台風の影響もあり、曇の多い雨がちな天気に。８月７日の立秋を過ぎた頃から暑さも和らぎ、少しばかり早めに秋の気配を感じられる気候となりました。

初夏に流行した通称「冷蔵庫ズボン」

都心の涼みスポットもにぎわいました

８月は突発的な雨が多く肌寒い日も



政治：統一地方選、再・補欠選終了６月４日、知事や市長、議会議員などを選出する４年に一度の統一地方選挙が行なわれました。今回初めて導入された期日前投票の成果もあり、投票率は歴代２位となる56.8％を記録。４月に起きた旅客船セウォル号沈没事故で不手際が目立った与党セヌリ党の惨敗が予想されていたものの、与野党間の激しい接戦となり、結果は引き分けに。主導権争いは７月の再・補欠選挙に持ち越されました。しかし再・補欠選挙では一転、与党が圧勝。２年目を迎えた朴槿恵(パク・クネ)政権の運営に弾みがつくことになった反面、野党・新政治民主連合の共同代表２人は辞意を表明。朴映宣(パク・ヨンソン)院内代表が臨時トップとなり党の立て直しを図らねばならない状況に追い込まれました。



政治：難航極めるセウォル号特別法制定韓国国民に大きな衝撃を与えたセウォル号沈没事故から５カ月以上。事故の真相究明に向けた特別法制定をめぐる議論は、今夏様々な紆余曲折を経てもなお、成立に至る道筋をつけることができませんでした。与野党は長期にわたる協議の末、８月中旬に特別法に合意。ところが、待っていたのはセウォル号遺族の反対という壁でした。遺族の意向は、「真相調査委員会に捜査権と起訴権を付与する」こと。与野党発議の特別法案にはその内容が含まれていませんでした。韓国の国会は５月以降、経済や福祉など本会議での処理を待つ法案が多数あるにもかかわらず、１件の法案も処理できていない状態。このままセウォル号特別法をめぐる葛藤が長引けば、新年度予算案の審議さえままならないとの声も出ており、政界に対する世論も一層悪化しています。	国会本庁前で特別法制定を求める遺族ら



経済：韓銀利下げで超低金利時代へ韓国の中央銀行である韓国銀行は８月、中央銀行が市中銀行に融資する際の金利である政策金利を年2.50％から2.25％に利下げしました。利下げを行なえば、消費と投資が促進され成長率の向上が期待できます。李柱烈(イ・ジュヨル)韓銀総裁は今回の措置について、「政府の景気浮揚政策と相乗作用をなしセウォル号事故で萎縮している経済心理の改善に寄与するだろう」と述べました。一方、韓銀の利下げを受け市中銀行では預金金利の低下が相次ぎました。2008年に年5.87％だった１年定期預金の利率は2014年９月現在2.2～2.3％。年１％台の超低金利時代も目前との懸念も広がっており、利息収入で生活を維持する高齢者が特に多い韓国では対策が急がれています。	積立預金の利率も軒並み２～３％台に



経済：浮き沈みする韓国経済、キーは中国人口13億人以上の巨大市場、中国での韓流ブームや製造業における中国企業の猛追は、韓国業界の勢力図にも影響を及ぼしています。韓国取引所が年初と８月時点の時価総額上位20銘柄を比較したところ、２桁以上成長した７銘柄の殆どが中国企業と競合しないか、中国市場で成功を収めた企業であることが分かりました。中でも著しい伸びを見せたのは韓国を代表する化粧品メーカーのアモーレパシフィック。化粧品使用者が１億人を超える中国市場は年10％前後で成長しており、さらに韓国ドラマやK-POPの影響も相まって中国への輸出はかつてない好調期を迎えています。一方、中国が攻勢を強める造船業や化学部門では業績が振るわず時価総額が減少する企業も。韓国経済にとって脅威となるか、成長のチャンスとなるか。相反する２つの可能性を秘めた中国の影響は、今後も拡大すると見られています。	中国市場の成長が追い風となっている化粧品



芸能：大作アクション映画が劇場席巻今年上半期の韓国映画占有率は43％と、2009年以降最も低い数字を記録していた映画界。しかし今夏、大作映画３作が相次いで公開され、中でも韓国の英雄、李舜臣(イ・スンシン)将軍の鳴梁(ミョンリャン)海戦(1597年)を描いた「鳴梁」は、韓国映画史上に残る大ヒットを記録しました。他にも久々にスクリーンに戻ってきた俳優カン・ドンウォンとハ・ジョンウの迫力ある演技が注目を集めた「群盗(グント)」、若手人気俳優キム・ナムギルとソン・イェジンがコメディありのアクションに挑戦した「海賊(ヘジョッ)」も奮闘。夏の映画館を熱く盛り上げました。	「鳴梁」の２大名優チェ・ミンシク(右)とリュ・スンリョン(左)



芸能：人気グループが続々カムバック K-POP界ではアルバム制作やツアーなどに集中するためテレビ出演などを長期休止し、新曲リリースと共に表舞台に戻ってくることを「カムバック」と言います。今年の６月から８月にかけては、トップスターJYJの３年ぶりのカムバックをはじめ、人気グループが続々とニューアルバムをひっさげて活動を再開しました。１年２カ月ぶりのカムバックを果たしたSISTERは、新曲が公開早々、音源チャート１位に。７月に新メンバーのヨンジを迎えた４人組の新生KARAは、８月のアルバム発表会見とショーケースを皮切りに、主要音楽番組に立て続けに出演。また10月には日本で全国ツアーも開催と、日韓をまたにかけ活発な活動を繰り広げる予定です。	新メンバー・ヨンジ(一番左)を迎えたKARA



芸能：大物スターのスキャンダルに関心集中ドラマや映画、音楽を通じ、日本でも人気の有名スターがこの夏、これまでの業績を失いかねない不祥事により、その名を広めることとなりました。歌手で俳優のキム・ヒョンジュンは、元恋人から暴行および傷害容疑で告訴さえ、警察の事情聴取を受けることに。一部容疑を認め、カメラの前で謝罪する姿が多くのメディアに取り上げられました。また、女優ソン・ヘギョは過去３年間、所得税の申告漏れがあったことが判明。故意ではないとしながらも、報道資料を通じ謝罪の意を伝えました。一方、脅迫事件に巻き込まれたのはイ・ビョンホン。脅迫の手段に使われたのが、女性らと猥談中の映像だったこともあり、所属事務所のSNSや自身のホームページに自筆の謝罪文を掲載。軽率な行動を取ってしまったことに深い反省を表しました。	公開謝罪をしたキム・ヒョンジュン



スポーツ：サッカーW杯敗退、監督辞任ドイツの劇的な勝利で幕を閉じた2014サッカーワールドカップ。地球の反対側に位置するブラジルでの開催とあり、韓国戦は早朝の中継となりましたが、都心のソウル広場や江南(カンナム)エリアの大通りなど全国各地で街頭応援が行なわれました。しかし熱い声援むなしく、結果は０勝２敗１分という惨敗に終わりました。洪明甫(ホン・ミョンボ)監督は敗戦の責任を取り辞意を表明。一度は大韓サッカー協会の引止めにより留任が発表されたものの、代表チームに対する否定的な世論はおさまらず、わずか１週間後に辞任が決定しました。	サッカー韓国代表チーム



スポーツ：仁川アジア競技大会が開幕アジア45カ国が参加し、36種目を競うアジア競技大会。2014年は９月19日～10月４日の16日間、ソウル以西の港湾都市・仁川(インチョン)をメイン舞台に開催されます。19日に行なわれた開幕式には中華圏でも人気の俳優キム・スヒョンやEXO、PSY、チャン・ドンゴン、ヒョンビン、イ・ヨンエなど錚々たる韓流スターたちが出演し、華やかなステージで幕開けを飾りました。韓国選手団が狙うは、金メダル90個以上・５大会連続の総合２位。前回の広州大会で多くの金メダルを獲得したアーチェリー、テコンドー、射撃などにメダルの期待が高まっています。	広報大使のJYJも開幕式に出演

ニュースを通して韓国を知ろう！

９月現在も10名が行方不明となっているセウォル号沈没事故。遺族らの悲痛な思いとは裏腹に真相究明の突破口となる特別法制定は遅々として進まず、さらに軍隊では若い兵士らが犠牲となる悲惨な事件が相次ぐなど、暗澹とした雰囲気に包まれた今夏の韓国。そんな中、訪韓したローマ教皇の穏やかな笑顔と和解・和合を強調する演説は、人々に大きな癒しと希望を抱かせました。さあ、来シーズンはどんな出来事が私たちの元に届くのでしょうか？芸能でもよし、スポーツでもよし、どんな面からでもいいので韓国にアクセスし、もっと韓国を知ってもらいたい。そんな思いで、これからもコネストは韓国からニュースを発信し続けます。皆さんもぜひ、韓国のニュースにご注目ください。