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韓国文化と生活

  • 第58回~武石大嗣さん(韓国カレーハウス)
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  • 韓国はここ数年日本食がブーム。中でもカレーは日本料理の中でも若者を中心に大変人気のメニューです。カレー専門店チェーンとして知られる
    CoCo壱番屋
    が2008年に韓国へ進出、以後ソウル市内に次々と店舗をオープンしています。1号店の立ち上げから店舗運営、チェーン展開にいたるまで、現地責任者として韓国ココイチを引っ張ってこられたのが武石大嗣さんです。美味しいカレーを韓国の人たちに食べてほしいと「日本のカレー」普及にお忙しい武石さんにCoCo壱番屋鍾路(チョンノ)店でお話を伺いました。

    名前 武石大嗣(たけいしだいじ)
    勤務先 韓国カレーハウス株式会社 部長
    年齢 46歳(1965年生)
    出身地 福岡
    在韓歴 4年4ヶ月
    経歴 ハウス食品株式会社で東南アジア方面の営業担当として商品の輸出業務に携わる。CoCo壱番屋の韓国進出のために2007年に来韓。2008年3月に1号店である江南(カンナム)店を立ち上げ、以降ソウル市内の出店業務を推進しながら、韓国でのCoCo壱番屋のブランド普及を進める。2010ワールドカップ日本戦観戦イベントにハウス食品として協賛。
    日本のカレーが韓国に上陸、グルメブロガーの間で話題に
    韓国のカレーは黄色く、さらさらとして、味も薄め
    韓国のカレーは黄色く、さらさらとして、味も薄め
    CoCo壱番屋を展開しているのは、ハウス食品、CoCo壱番屋、辛ラーメンで知られる韓国の食品メーカー農心(ノンシム)の合弁会社である韓国カレーハウスです。

    韓国でカレービジネスを立ち上げるために2007年に設立され、私は責任者としてハウス食品から出向しました。

    赴任前は東南アジア方面の輸出担当だったため韓国と多少の縁はありましたが韓国語も話せず、また営業畑一筋で外食事業は未経験でした。
    私はバーモントカレーなどの商品を農心様とのパートナーシップにより韓国のマートで販売する業務に携わっていたので韓国の人たちにコクのある日本のカレーは受けるという自信はありましたが、私を含め農心様も外食事業の経験がなく、オープン前は不安もありました。
    CoCo壱番屋の1号店が江南にオープンしたのは2008年3月です。当時、日本人が経営する飲食店で日本のカレーを出す店はありましたが、チェーン店で大々的に展開している専門店はありませんでした。

    2002年以降、韓国の若者の食文化が多様化し、日韓ワールドカップ共催を機に食の交流が増え、日本食も人気を得てきました。1号店を立ち上げた2008年はソウルでラーメン店や居酒屋のオープンが相次ぎ日本食がブームの波に乗る時期だったので、タイミングはよかったと思います。
    ブームと機を同じくしたこともありましたが、ネットの影響は韓国ならではと感じました。韓国ではブログが盛んなため、ブログで話題になったら人気が出て、悪く言われると客足が落ちるということがよく起こります。1号店をオープンした頃、東方神起さんが「(CoCo壱番屋の)激辛カレーを日本で食べた」と話題になり、ファンが激辛カレーを食べに来られたこともありました。

    韓国で初めてできた店にもかかわらずネットのお陰で身近に感じてもらえたことはよかったです。美味しいと感じてもらえればブログにすぐにあがるので、クチコミ効果は大きいですね。ブログでの評価が気になって、オープン当初は翻訳機を使ってこまめにチェックしていました。
    日本の味そのままを味わってもらうために
    日本のカレーには福神漬け
    日本のカレーには福神漬け
    オープンの際に最も気をつけたのは「日本の味をそのまま」提供することでした。韓国の若者も海外旅行や留学の経験が豊富なため、本物志向で日本のカレーがどういうものかを知っています。

    万が一味が異なれば「ニセモノだ、日本で食べたものと違う」という噂がネットで瞬く間に広まってしまう恐れがありました。CoCo壱番屋の味そのままを一番のポイントにしているので、カレーペーストは工場で生産し、すべての店舗(現在13店舗)で同じ味をお出しできるようにしています。
    もうひとつの問題はキムチでした。ずいぶん議論もしましたが、日本ではカレーに福神漬けなのでキムチは出さないという方針にしました。韓国にはピザにピクルス、チキンに酢大根といった具合に特有の付け合せがあります。だからカレーには福神漬け、というのが定着してくれたらというのが狙いでした。最近、各店舗の福神漬けの減りが早くなってきているので、認知度が高まってきたように感じます。

    CoCo壱番屋のカレーの辛さは10段階あり、日本と同じ設定です。真ん中の5辛が恐らく中辛だと思われる方が多く、当初は5辛が非常によく出ました。しかし5辛は相当辛いんですよ。韓国の方は辛いものに強いと思って挑戦されるようですが、唐辛子の辛さとカレーの辛さは随分違います。最近はカレーの辛さの度合いをお客様がご存知なので2辛以上はあまり出なくて、5辛はほとんど出なくなりました。

    日本と同様、各店舗にはお客様アンケートを設置しています。私たちはお客様第一という考えなので、アンケートを見るのも大事な仕事です。以前はご飯のおかわりが無料でない、キムチがない、といった意見もありましたが、CoCo壱番屋というブランドとともに日本のカレーを徐々に理解していただけるようになり、ブログでの評価はもちろんですが、アンケートに直接お褒めの言葉を頂いたりするとやりがいを感じますし、嬉しいですね。
    若いスタッフと共に、ニコニコ、キビキビ、ハキハキ
    韓国で仕事をするにあたってカルチャーショックはなかったです。私も農心様も外食事業の専門ではなかったからかも知れません。日本はゆっくり慎重に、韓国は早く早くという習慣の違いはあったにせよ、1号店をオープンしてから現在までお互いが無我夢中で一緒にがんばる他なかったので、互いのことをどうこう言う余裕はありませんでした。
    店舗運営は現場スタッフの力が大きいです。「ニコニコ、キビキビ、ハキハキ」がCoCo壱番屋のスローガンですが、スタッフのモチベーションが下がるとお客様への対応に影響が出て、店の雰囲気も元気がなくなってしまいます。

    韓国の人は感情表現がはっきりしていて、感情の起伏も激しい人が多いので、スタッフに常に明るく元気よくいてもらうための雰囲気作りが難しいところですね。 飲み会はよくやりました(笑)。
    飲めばよいというものではありませんが、やはりストレスを発散してもらう中で彼らの考えに触れることもあり、飲みで盛り上がった雰囲気を仕事場に生かせることもありました。30人くらいが焼酎を注ぎにくる上に「ワンシャッ!(一気)」となるので大変なことになったこともあります(笑)。しかし韓国の若者は飲み会の席であっても、目上の人に対する礼儀がきちんとしていると感じます。
    韓国でもサービス業が増え、質もレベルアップしているので、若いスタッフはサービスに対する考え方への理解が早いです。しかし一方で、組織での肩書きを非常に重要視するのは韓国らしい部分です。

    また、日本での研修制度を利用したり、スタッフから管理者、スーパーバイザーとステップアップしていける道筋を示して意欲を持ってもらえるよう考えています。日本ブランドであるために日本に関心の高い人材が集まっているのも特徴ですね。アルバイトの中には日本への留学を控えている学生もいて、日本でもCoCo壱番屋で働きたいと言ってくれる人もいました。
    休日はブラジリアン柔術、韓国語試験、焼肉!
    柔道世界選手権銅メダルのユン・ドンシク選手と
    柔道世界選手権銅メダルのユン・ドンシク選手と
    学生の頃に柔道をしていたのでNAVER(韓国の代表的ポータルサイト)で柔道好きが集まるコミュニティ「柔道場」に参加しています。月に一度オフ会があり、みんなで柔道の練習をした後に飲み会に行くのですが、定期的にゲストも来て、なんとオリンピックの金メダリストも来たことがあります。

    趣味を同じくする人たちとの交流は楽しいし、いろいろと親切にしてもらっています。現在は週に一度ブラジリアン柔術の道場に通って、汗を流しています。外国人も多く、韓国で習い事をしたいという人にはおすすめです。
    ムンチャ(携帯メール)が韓国語上達への近道?!
    ムンチャ(携帯メール)が韓国語上達への近道?!
    韓国に来てから韓国語を覚えましたが、実は試験マニアで韓国語能力試験をずっと受験していました。しかし、書き取り(ライティング)が難しくて、中級の壁(4級)を超えられないんですよ。

    日常会話は不自由がなくなりましたが、最近はわからない言葉を調べたり、尋ねたりする程度です。書く力をつけるには携帯メールをするのがいいようですね。女性は携帯メールをよくするので上達するようですが、私はほとんど利用しないのでハングルを書くのは難しいです。
    観光客にも人気の焼肉店チェデポ
    観光客にも人気の焼肉店チェデポ
    孔徳(コンドッ)にあるチェデポ (崔大匏)という焼肉店のオーナーが大学の先輩で、韓国人ですが日本の大学を卒業し日本語が堪能です。ソウルに大学の同窓会があり、定期的な会合はいつもチェデポです。

    日本からの客人を案内すると、庶民的な雰囲気と韓国焼肉を堪能できると喜ばれます。仕事場以外で趣味や同窓のつながりがあるのは友人も増えますし、日韓交流とまではいきませんが、よいことだと感じるし、楽しいですよ。
    義を見てせざるは勇なきなりという言葉がありますが、韓国のよいところは目上の人がいたらパッと席を譲ったり、体の不自由な人がいたらさりげなく手助けしたり、自然に行動できる点だと感じます。

    気になるのは余韻がないことでしょうか。映画が終わったらあっという間に席を立ったり、イベントが終わったら一斉に立ち上がったりするのを見ると、時には余裕を持って楽しもうよと言いたくなることもありますね。
    日本のカレーによくあう日本のハンバーグを開発中
    韓国オリジナルメニューのオムカレー
    韓国オリジナルメニューのオムカレー
    今は日本風のおいしいハンバーグを作ろうと目下奮闘中です。ハンバーグはCoCo壱番屋のトッピングの中でも人気メニューですが実は韓国にはありません。試作品ができてみると、どうしてもトッカルビになってしまうんですよ。

    トッカルビは美味しいじゃない!と韓国の人に言われ、もちろんトッカルビは美味しいけれども(笑)なかなか製造側にわかってもらえないのが悩みです。肉汁があふれるようなやわらかい美味しいハンバーグを韓国で提供したいです。また、人気メニューとなるような韓国オリジナルメニューも開発してみたいです。
    CoCo壱番屋のチェーン展開を始めて4年ですが、現在は韓国カレーハウスもしくは農心が運営する直営店が中心です。ソウルは土地価格が高騰し、店舗にふさわしい物件を探すのにも苦労があり、飲食店の入れ替わりも相当激しいものがあります。

    店舗数を増やすことよりも、オープンさせた店舗を安定させて、韓国のお客様にCoCo壱番屋ブランドをしっかり知っていただき、ブランドイメージを高めて加盟を希望する方たちに安心してもらえる基盤を作っているところです。今後はフランチャイズ展開に力を入れていく予定ですがブランドへの理解と味を守ることが大切ですので、加盟を希望される方には直接お会いして時間をかけて話をしています。

    韓国の街や人々が日本に似ているため、あれが似ているこれが違う、という細かい部分が気になることがあります。また、韓国に住んでいる人どうしの情報も色々と入ってきますが、先入観を持ってしまうと、見えるものも見えてこなくなります。

    例えば人づきあいに関しては自分の感覚で付き合うのがよいのではないでしょうか。固定観念を持たずに相手と対峙した上で自分で感じたことを大事にするのがいいと思います。
    インタビューを終えて・・・
    「『ニコニコ、キビキビ、ハキハキ』を毎朝朝礼で韓国語で唱和します。ニコニコが思ったようにできないし、一番難しいですよね。特に二日酔いの朝は(笑)」とおっしゃいますが終始笑顔の武石さん。そのやさしい風貌からは想像もつかない武道の趣味をお持ちですが、外国で習い事をするのが難しい中、うまく取り入れて人間関係づくりやストレス発散に役立てていらっしゃいます。
    韓国の習慣をうまく受け止めながら、美味しいカレーづくりのためには一歩もひかない武石さんの熱意で、今、韓国でも美味しい日本のカレーを食べられるようになってきました。一時のブームに終わらず人気メニューとして定着することは間違いないようです。これからも美味しいカレーを韓国の人たちに届けていただきたいと思います。
    韓国カレーハウス株式会社
    ハウス食品株式会社、株式会社壱番屋、株式会社農心の三社による合弁企業で、2007年に設立。カレー専門店CoCo壱番屋の運営管理母体として材料の提供、メニュー開発、店舗運営サポートなど全般的な業務を行なっている。1号店は韓国のビジネス街である江南、以降観光客に人気の明洞(ミョンドン)をはじめTIMES SQUAREなどソウルの新スポットなどに出店し、学生や20代、30代の会社員、在韓者など広く人気を集めている。
    住所:京畿道(キョンギド)安養(アニャン)市東安(トンアン)区虎渓洞(ホゲドン)910番地
    電話:031-427-8871
    ホームページ:http://www.cocoichibanya.co.kr

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                最終更新日:12.02.07
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