韓国文化と生活

PCバン
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作成日：00.05.17更新日：12.02.14

インターネット文化の象徴、PCバン

PersonalComputer（パーソナルコンピュータ）の略称である「PC」と、部屋・房を意味する韓国語「バン」を合成した言葉である「PCバン」は、有料でパソコンを使用することができる場所です。韓国版インターネットカフェともいえるPCバンは、高速回線を完備しておりインターネットもスイスイ。オンラインゲームやチャットにハマる青少年もいれば、サラリーマンが外出先で急にパソコンが必要になった場合にも訪れます。

国を挙げてのインフラ整備が進んでおり、世界屈指のインターネット大国といわれる韓国ならではの施設について詳しくみていきましょう。

PCバンとは？

一定の料金を支払って、オンラインゲームなどを楽しむことができるPCバン。ほとんどの店が24時間営業で、１時間約1,000～2,000ウォンの料金体系をとっています。家にパソコンはあるけれども、家族が使っていたり、親の手前ゲームはしづらい場合、友達５～６人でオンラインのゲームに興じたり、ネットで提出する宿題を送信する場合など、様々な場合に利用されます。主に、10～30代の男性利用者が多く、インスタントラーメンやお菓子など簡単な軽食も販売されています。最近は、イヤホンはもちろんマイクやウェブカメラまで設置されているPCバンもあります。

なお、設置されているパソコンの大半が、日本語表示の設定がなされていない場合が多いため、日本語を入力したい場合は、言語設定を行なって使用しなければなりません。

男性利用者が多い

オンラインゲームを楽しむ

お菓子・飲み物の販売も

若者に人気のスポット、一方で

1992年に登場したPCバン。当時は、コーヒーなどの飲み物を飲みながら、書類を作成したり、メールを送信することができる空間であったため、パソコンを使用するというよりも、カフェにパソコンがあるという概念の方が大きかったといわれています。1996年に韓国国内で本格的にパソコンが普及しはじめ、1998年に、インターネットあるいはLAN上のほかのプレイヤーと対戦できるゲーム「スタークラフト」が爆発的な人気となり、PCバンはゲームを楽しむ空間として変化していきました。また、同じ時期には、チャットが若者の間で人気に。その結果、お互い顔を見ずチャットしているうちに、「気があうかも…」と思ったら、直接会ってみる「ポンゲティン（イナズマ合コン）」という文化が生まれたりもしました。

若者が利用することが多いPCバンは、一方で様々な社会問題をひきおこしています。小学生の間では、友達複数人で使用することが多いため、そのメンバーから外れるようなことがあると脅し、代金を１人の子に支払わせるなどの問題が起こりました。

また、中高生の間では、PCバンにおける喫煙、授業料のつかいこみのみならず、塾に行かずPCバンに通ったり、有害サイトへ簡単に接続できるなどの問題があり、親や教師の頭を悩ませています。

進化しているPCバン

近年、スマートフォンの普及により、下火になったと思われたPCバンですが、若者世代では依然として人気の高いプレイスポット。以前は、どんよりと暗い部屋でコンピュータゲームに興じるというイメージでしたが、最近には現代的で洗練されたインテリアで、明るい雰囲気のカフェタイプのPCバンや、食事が注文可能など、コンセプトを持ったPCバンが流行しています。そのため、「アイビスPCバン」のように、PCバンのフランチャイズ展開を行なう会社も増加し、SUPER JUNIOR（スーパージュニア）のシンドンやコメディアンのチャン・ドンミンなどの芸能人もPCバンの経営に乗り出し、注目を集めています。

※「シンドンのドラキュラPC城新川店」は閉店しました。

シンドンが経営
「シンドンのドラキュラPC城」

ドラキュラ城がコンセプト

洗練されたインテリアが人気「アイビスPCバン」

みんなが集まる場所、PCバン

日本のネットカフェとは、少し異なる韓国のPCバン。街を歩けば至るところにあり、24時間営業を行なう店舗が多いため、観光客、在住者にとっても、ホテルや自宅にパソコンがない場合は、安価に利用できる身近なPCバンが便利です。

PCバンを利用して、まだ知らない韓国を知ってみるのも、おもしろいかもしれません。