韓国文化と生活

魅惑の韓看採集の世界
お気に入り2

韓国の賑やかな街の中を歩いていると、目につくのはハングルで書かれた色とりどりの看板。明洞や梨泰院などの人気のある観光スポットには、日本人観光客のために日本語で書かれた看板もちらほらと目につきます。以前,コネストでは「へんな日本語看板み～つけた！」というコーナーで、ちょっとおかしな日本語の看板を皆さんにお届けしましたが、韓国看板の世界はまだまだディープでおもしろいんです！

あ、挨拶が送れましたが私、しがない韓国の看板採集家、略して「韓看採集家(かんかんさいしゅうか)」でございます。今まで私たち、韓国の看板好きからなる「韓看採集協会」はソウル市内を中心に、韓国のハワイとよばれる済州島、ビビンバのおいしい全州など、魅力的な韓看との出会いを求めて西へ東へと韓看採集に奔走してきました。

今まで写真に撮りためてきた写真の枚数は500枚以上。今回はその中から「韓看協」イチオシ、秘蔵の韓看写真たちを、当協会が考案した独自の4つの分類に基づいて、このコネストで皆様にお披露目いたします！え？看板なんか写真にとって何が面白いのかって？それは見て頂ければわかると思いますよ。きっとあなたも、このページを読み終われば韓看の面白さにハマるはず！

韓看採集分類その１

グッド(Good)！！！

親指を立ててＧood！このポーズは万国共通。韓国の看板においても例外ではない。。Goodしてない店はもはや信頼できない？すでに70近くの例が当協会で確認されているほど、韓国看板界でもっとも多く見られる永遠の定番。このタイプは後に紹介する分類その４、「ペロリン」と一緒に多用される事が多い。エッフェル塔からアジュンマ(おばさん)まで味とサービスに自信がある店はとにかく親指を立てるんだ！みんなでGoooood！

グッド(Good)！！！：フォトギャラリー

グッド(Good)！！！：事例と考察

Good!韓看になくてはならないもの、それは当然立てるための指。そのための擬人化は、多少強引でも行われてしまう。エッフェル塔さえこのとおり、親指を立てるために無理やり人間にされてしまうのである。

こちらは塾の看板。成績アップでGood?!

飲食店ではその店の柱を担う食材が指を立てているのが普通。しかしこの店はサムギョッサル屋さんで、指を立てているのは食べられる豚ではなく、焼く方の七輪。Ｇｏｏｄ韓看の中では珍しいタイプ。

こちらはカキの専門店。食材であるカキが、料理人(コック帽)、食べる人(スプーン)と二役をこなしながらＧｏｏｄしているという秀作。

ノレバン(カラオケボックス)でも発見！店名のハングルの一部を親指にすることでセンスある仕上がりに。正にＧｏｏｄデザイン！

青とうがらしの看板、というよりも商品用のダンボール。しかしこんなところでもＧｏｏｄしてるんですね。韓看採集家は常にアンテナを張り巡らしてこういうささいなＧｏｏｄも逃してはいけないのです。

韓看採集分類その2

自虐

サムギョッサル屋であれば豚がキャラクターになり、チキン屋であればかわいい鳥が描かれる。ごく当然のことであるが、それを食べるという店の性格上、看板は一種の自虐行為を表現することになる。満面の笑みとは裏腹に、手にはおいしそうな仲間の変わり果てた姿。次は自分の番とは知らずに・・・。食べちゃってごめんね！

自虐：フォトギャラリー

自虐：事例と考察

マグロは海の王様だぜ！といわんばかりの誇らしげなマグロの表情。
しかし手にはマグロの刺身…自虐韓看の代表作。

まずはこの親子の会話に注目。
子鳥：“父ちゃん、母ちゃんどこいったの？”
父鳥：“おう！コアチキン(店名)に遊びに行ったんだよ”
もうおわかりだろう、母鳥の行く先を。純朴さと残酷性を持ったグリム童話のような一枚。

缶ビールＡ：ビールいっちょあがり！
缶ビールＢ：急げ急げー！お客さんを待たせちゃうぜ！
缶ビールＡ：中身がなくなったせいか、体が軽いなぁ～。
看板のデザインやキャラクターの表情から物語を想像するのも、韓看の面白さなのである。

こちらはキンパッ(のり巻)屋さんの韓看。キンパッの具を手足に見立てるという見事なキャラクターデザイン。
食べられる運命にありながらも、かわいらしく健気なキャラクターの表情が自虐韓看の醍醐味につながる。

韓看採集分類その3

リアル

商品のイメージをより鮮烈に伝えるために考え出された手法−、大胆にも食材調理前の写真や店の主人を看板にしてしまうという−いわば看板の究極ともいえる形態である。
約8割（当協会推定）は魚介類の店に存在し、CG処理が施された魚のダイナミックな飛躍図がその代表例だ。お店の主人の独断で、あるいはデザイナーのセンスでチョイスされた写真は、一見ストレートな表現でありながら看板としての本来の意図と外れているようでもあり、その微妙なズレがシニカルな笑いを誘う。

リアル：フォトギャラリー

リアル：事例と考察

飛び出す魚はもはやリアル韓看の定番といえる。実際には海面から飛び出すはずもないまぐろ、そしてカニまでもがジャンピング。活きの良さを追求するあまり、理性を失った看板屋の産物か。当協会は一切写真に手を加えておりません。

たこという生き物はなんとナマメカシイものであるか。たこの静と動ともとれるこの二枚。まるで見てはいけないものを見てしまったような気持ちにさせる奇妙なオーラを放っている。

すべて全く別の場所で撮影したもので、当協会の活動によりついに再会を果たした三兄弟。そして生き別れになった彼らの兄弟はまだまだ韓国各地に生息しているはずである。

リアル分類の中では貴重な魚介系でない、店主を前面に押し出した作品。この写真からわかることは・・
・中心にいる人物はこの店の主人だ。
・横にいる外国人（カレー・ナン専門？）が主人に料理を教えている。
・どうやら外国（インド？）で修行中のひとコマらしい。
と、看板から察するにこの店はカレー屋だとすっかり信じ込んでいた協会員たち。しかし実際は・・・

↓

ピザ屋さんなんですね・・(写真をクリック拡大してご確認ください)。目から入ってくる情報がいかに不正確で、それを受け取る我々がいかに固定観念に縛られているかを、看板というもっとも視覚的なメディアが教えてくれるという、皮肉まじりな教訓話のような韓看。

韓看採集分類その4

ぺロリン

飲食店でよく使われるのが、この舌を出したキャラクターたち。韓看採集家たちは彼らを、敬愛をこめてペロリン、複数形ではペロリンズと呼んでいる。上記でもふれた通り、分類その１「Ｇｏｏｄ！！」と併用されることが多い。舌をペロリと出すことによって引き出される妙な愛くるしさは、主に女性の韓看採集家の間で人気があり、純粋に造型(キャラクター)としての韓看の楽しみ方を教えてくれる。

ぺロリン：フォトギャラリー

ぺロリン：事例と考察

ウナギとタコが兄弟みたいに仲良く並んで舌をペロリン！この舌があるだけでかわいさが倍増するのがなんとも不思議です。

こちらはペロリンとＧｏｏｄ！のあわせ技。しかもダブルＧｏｏｄでばっちりキマってます。満点！

こちらもＧｏｏｄ！とのコンビネーション。しかしこのタコ、口が２つ・・。ペロリンと舌を出させるためなら、口を増やすこともいとわない。本末転倒ですがそれがペロリンの持つ魅力であり韓看の面白さでもあります。

そしてトリをつとめるのはペロリンの中で、かわいさよりもむしろダンディな感じをかもし出しているこの一枚。舌はペロリン、指は大きくＧｏｏｄ！そしてこのかっこ良さをさらに後押ししているのは右目のウィンク！上記タコ、イカもそうですが、ペロリン、Ｇｏｏｄ、ウィンクの3拍子揃った韓看は、採集家の間でもポイントの高い作品とされています。

日本ではなかなか見られない韓看の数々。とってもかわいくて、面白くて、奥が深いでしょう？しかしながらこれはまだほんの一部。我々韓看協会さえもまだ見ぬ、素晴らしい韓看がこの韓国のどこかでたくさん眠っているはずなのです。

どうでしょう？あなたも我々と一緒に協会の一員として韓看採集の旅に出ませんか？用意するものはカメラが1台あればＯＫ。あとは韓国での旅行中、ふと目にとまったお気に入りの看板をパチリと撮影するだけです。

できれば、看板のあるお店のひきのショットと、看板だけを写したよりのショット、2枚撮影できたらベターです。ソウル市内はオートバイや車が、細い道でもひっきりなしに通るので撮影中はオートバイと車に注意してくださいね。撮影した写真の中で、あなたのお気に入り、または面白いものがあれば我々に送って頂けますでしょうか？皆さんがお送り下さった韓看写真が、新たな韓看の分類を作り出すこともあり得ます。今後、コネストホームページ上で写真を紹介させて頂いた方には、ちょっとしたお礼も現在企画中です。

韓看採集の未来は、あなたの手にかかっています！！ご応募お待ちしていま～す！