東北アジア有数の国際空港があることで知られる
仁川(インチョン)。
ソウル観光への玄関口というイメージ以外に思い浮かぶものは何でしょうか?
実は仁川は首都圏住民が日帰りで訪れるグルメ観光地として人気のエリア。西海(ソヘ、黄海)で獲れる新鮮な海の幸を中心に、仁川ならではの特色ある料理が様々に楽しめます。ソウルの次は観光スポットも充実の仁川を味わい尽くしに、さあ出かけましょう!
おすすめモデルプラン
1、2泊ソウルを観光した後に仁川へ移動。朝食はホテルで済ませ、昼食・間食・夕食・晩酌で仁川グルメを食べ尽くします。身軽に動けるようホテルに荷物を預けるなどして、食事と食事の間は目いっぱい観光しましょう。
仁川市内の電車は、ソウルとつながる
地下鉄1号線や仁川地下鉄、そして2012年6月に一部区間が開通した水仁(スイン)線が運行されていますが、ふたり以上であればタクシー利用が合理的です。また
仁川市街地内は積極的に徒歩で移動しましょう。交通費の節約になるうえ、お腹が空いて食事も一層おいしくなり一石二鳥です。
1日目 ソウルから仁川へ、食い倒れツアーがスタート!
ソウルから仁川へは地下鉄1号線を利用します。終点の仁川駅までは
ソウル駅からの乗車で約1時間。仁川駅が位置するのは観光一番地の仁川市街地です。駅近くのホテルで宿泊すると荷物もすぐに預けることができて便利です。
▼ 仁川駅⇒チャジャンミョン通り:徒歩15分
チャジャンミョン(昼食)
国民食チャジャンミョン発祥の地で、昔ながらの味を
韓国風中華の定番麺料理で子どもから大人まで人気の
チャジャンミョン。発祥の地は何を隠そう仁川でした。1883年に開港し各国の租界が置かれた仁川へ中国山東省出身者が持ち込み、現地改良が加えられ現在の味に。
仁川駅前
チャイナタウンにある
チャジャンミョン通りの人気店は行列ができるので少し早めの昼食がいいでしょう。炒めた豚肉・タマネギの香ばしさとコクがある甘いソースが食欲を刺激し、食い倒れの旅は幸先良いスタートが切れるはずです。
▼ チャジャンミョン通り⇒十里香:徒歩(チャイナタウン内)
中華まんじゅうと中華菓子(間食)
オリジナル壷焼き点心の十里を走る香りに誘われ
チャジャンミョン通りを歩いていると、正面に金色の文字で「
十里香(シムニヒャン)」と装飾されたお店から甘い香りが漂い、観光客を引き付けている光景が目に入るはず。
香りの正体は店長オリジナルのあんまん3種(サツマイモ、カボチャ、黒ゴマ)と中国伝統菓子の月餅。持ち帰り専門なので、チャイナタウン周辺の観光スポット(
旧日本人街、
月尾公園、
自由公園など)を回る際のおやつにどうぞ。
チャイナタウンと隣合わせの
旧日本人街
仁川市内を見渡せる月尾公園
(ウォルミコンウォン)の展望台
▼ 仁川市街地⇒ペンデンイ通り(沿岸埠頭):タクシー約15分(5,7000ウォン)
サッパのフェムッチム(夕食)
汽水域が広がる仁川ならではの魚料理を
漢江(ハンガン)などの河口に位置する仁川の広い汽水域で獲れるペンデンイ(サッパ)。網に掛かるとすぐに死ぬため流通が難しく日本ではよく酢漬けにして食べられる魚ですが、産地の仁川では鮮度が高いので刺身で食べることができます。
名前の由来どおり身がサッパリ淡白で、甘辛い
コチュジャン(唐辛子味噌)ソースで和えて食べるフェムッチムはなるほどの一言。なお沿岸埠頭の
ペンデンイ通りではワタリガニの醤油漬け(カンジャンケジャン)がおかずで出てきます。
▼ 沿岸埠頭⇒さわら通り(東仁川駅前):タクシー約15分(5,700ウォン)
サワラの開きとマッコリ(晩酌)
韓流ドラマや映画に出てくる居酒屋の雰囲気そのもの
東仁川の駅裏で大衆居酒屋が10数軒集まり、仁川市中区が指定するうまいもん横丁の
サワラ通り。日本の大衆居酒屋でホッケが定番なように、安くてボリュームのあるサワラは鉄板のおつまみです。サワラの開き、トングランテン(肉団子)、
スンドゥブ(おぼろ豆腐)チゲなどを肴に、マッコリを飲みながらの語り合い。
絵に描いたような韓国大衆文化を体験できるでしょう。香ばしい塩焼きはもちろん、甘辛いコチュジャン(唐辛子味噌)ベースのタレで焼いたサワラはどんどん酒が進むので、飲みすぎにはくれぐれもご注意を。
2日目 仁川市街地から松島国際都市へ
2日目は午前中から昼下がりまで市街地を回りながら、後悔のないよう存分に食べた後、仁川市の南部に位置する
松島(ソンド)国際都市方面へ。松島といえば東アジアの業務ハブを目指し大規模な開発が進む新都心エリアのひとつで、グルメスポットはワタリガニの専門店街が有名。水仁線がまだ全線開通していないため、タクシーでの移動が便利です。
▼ 仁川駅周辺ホテル⇒花平洞冷麵通り(東仁川駅前):タクシー約5分(2,600ウォン)
洗面器冷麵(昼食)
お腹いっぱいを良心価格で
東仁川駅から徒歩3分、線路沿いに冷麺専門店が十数軒立ち並ぶ
花平洞(ファピョンドン)冷麺通り。安くお腹いっぱいにしてあげたいという店主の心意気とともに洗面器大の器に盛られた「洗面器(セスッテヤ)冷麺」が有名で、価格・量そして味すべてによしです。
そば粉入りのシコシコ麺、サッパリした
ヨルム(若大根)キムチ、ダシの利いたスープで前日酷使した胃の中をスッキリさせつつ、午後の観光に備えてしっかり腹ごしらえをしましょう。
▼ 花平洞冷麵通り⇒新浦市場:タクシー約3分(2,400ウォン)
新浦市場 名物料理(間食)
ホットバー
チンパン
開港期から続く賑やかな在来市場で楽しむ屋台フード
約100年前の開港期、租界の異国人向けに農産物や骨董品を売る市場として始まったといわれている「
新浦(シンポ)国際市場」。
文化の交流地として栄えただけに名物グルメも多様で、韓国式唐揚タッカンジョン、中国伝統菓子コンガルパン、魚のすり身の串揚げホットバーなど屋台料理の宝庫です。どれも手軽な価格なので全部食べてみたいのはやまやまですが、ホントに食い倒れてしまわないようほどほどに。
タッカンジョン
コンガルパン
チョルミョン
▼ 新浦市場⇒ワタリガニ通り(松島):タクシー約17分(6,400ウォン)
ワタリガニの鍋・蒸し・醤油漬け(夕食)
ワタリガニ料理を食べずして、 仁川グルメは制覇ならず
春はメス、秋はオスと1年に二度旬が訪れるワタリガニ。おいしい季節になるとソウル・京畿道など首都圏住民がその味を求めて
松島ワタリガニ通りを訪れます。
卵をたっぷり抱えたメスは
カンジャンケジャンでトロける芳醇な甘みを、交尾後の太ったオスは鍋(コッケタン)や蒸し(チム)で身肉の充実を味わいましょう。西海の恵みワタリガニ、これを食べずして仁川グルメを語ることはできません。
▼ ワタリガニ通り⇒セントラルパーク周辺ホテル;タクシー約11分(4,200ウォン)
松島セントラルパーク周辺ホテルのバーでカクテル(晩酌)
PSY「江南スタイル」MVの大部分が撮影されるなどロケ地として人気
松島の中心で、近未来的な夜景を見ながら
2日目の夜は先端技術と環境が調和する国際都市松島に宿をとり、近代の歴史が色濃く残る市街地との強烈なコントラストに浸りましょう。
奇しくも100年以上前の開国期仁川が国際的な空間であったように、現代仁川とりわけ松島のボーダレスな雰囲気は韓国の未来を映し出すと同時に新しい東アジアの夜明けを感じさせてくれるでしょう。
セントラルパークと松島国際都市の近未来的な夜景が見渡せる
シェラトン仁川ホテルや
オラカイ松島パークホテルでプライスレスな一夜をぜひ。
経済自由区域に指定され海外からの投資を積極的に誘致している松島
国際ハブ都市仁川を象徴する建築物トライボウルも代表的なロケ地
3日目 食い倒れるにはまだ早い、仁川グルメの総仕上げ
モデルプランのラストを飾るグルメスポットは、松島からほど近い仁川南東部の小さな港口、
蘇莱浦口(ソレポグ)。活気溢れる在来市場と現代式施設の総合魚市場ふたつの水産市場があり、持ち帰りが難しい外国人観光客でも、その場で新鮮な魚介を楽しめる仕組みになっています。仁川グルメ食い倒れの旅、総仕上げは時間の許す限り海の幸を堪能します。
▼ セントラルパーク周辺ホテル⇒蘇莱浦口市場:タクシー約24分(8,500ウォン)
仁川1号線 仁川大入口駅⇒水仁線 蘇莱浦口駅:約28分(1,150ウォン/人)
蘇菜浦口市場(昼食・間食)
海の恵みに感謝しながら、旬の魚介を満喫
韓国首都圏住民に人気のグルメスポットで、多い日には3万もの人が訪れるという蘇莱浦口。人がひしめき合う在来市場では、無数に並ぶ屋台で焼き魚やエビの天ぷらなどをつまみ食いしましょう。
また建物型の総合魚市場には、メニューごとに決まった料金を支払って市場で買った食材を調理してもらう食堂施設が入居しています。
刺身、浜焼き、
メウンタン(海鮮辛鍋)など好みの食べ方で旬の幸を味わい、最後の最後まで幸せな時間を満喫してください。
在来市場に漂うおいしい香りは
食欲を刺激
在来市場の青空レストランに
挑戦しても面白い
衛生的な総合魚市場では
心置きなく海鮮が楽しめる
▼
仁川国際空港へのアクセス
グルメプラン最終地から
仁川国際空港までの移動はタクシーを強力にオススメします。公共交通機関を使うと所要時間が概ね1時間半を超えるのに対しタクシーの場合は40分前後で済みます。節約できる時間でゆったり仁川グルメを楽しみましょう。
加えて全長が20キロメートルを超え、世界で10本の指に入る長さの
仁川大橋を通ることができるのも大きなポイント。タクシーのシートに満腹の身を委ねながら雄大な造形美に浸っていると、グルメプラン中の美味しかった感動が走馬灯のように脳裏を駆け巡るでしょう。
<松島周辺から仁川国際空港までの参考所要時間(料金) タクシー/最寄り駅>
・ワタリガニ通りから 約35分(22,000ウォン)/松島駅から 約94分(3,600ウォン/人)
・セントラルパークから 約35分(22,000ウォン)/仁川大入口駅から 約100分(3,700ウォン/人)
・蘇莱浦口市場から 約45分(30,000ウォン)/蘇莱浦口駅から 約103分(3,700ウォン/人)
その他の仁川グルメ
今回のモデルプランではそのすべてに立ち寄ることができなかったほど多様な仁川グルメ。まだ他にも、特色ある料理の専門店街や、いろんな料理店が集まっていることで有名なうまいもん横丁があります。日程や胃袋に余裕があれば是非足を延ばしてみてください。
・龍現洞アンコウ通り(位置)
・松峴洞スンデ横町(位置)
・富平洞ヘムルタン(海鮮鍋)通り(位置)
・ヨルラッコルどじょうマウル(位置)
・江華島 トリミうなぎ通り(位置)
・江華島 倉後里メフグマウル(位置)
九月洞文芸の道グルメ通り