ピックアップ!お店紹介口コミ
コネ友のパボさんのご投稿で、美味しそうな薪焼き参鶏湯とスス真っ黒けっけのお店の写真を見てからと言うもの、気持ちが持って行かれ、何が何でも次の訪韓で行こうと決めておりました。
37℃もある蒸し暑い日の夕方でしたが、土地勘のない禾谷(ファゴク)駅を下車。
下町風のスーパーや、桃などの露店を眺めながら歩くと、薪を積み上げた古い土壁が目に飛び込みました。
角のススの様子から、すぐにそこが「ヘラクレス」だと気づきました。
「あった!ヘラクレスや!」
嬉しくて、興味深々の方が勝る気持ちを抑えつつ、お店に入ると、すぐにダンカンさんに似た店主が、とびきりの笑顔で迎えて下さいました。
私は「トンタッとビールを1本下さい」と言いましたが、何か通じていないご様子でしたので、パボさんのご投稿で、店主は耳が聞こえづらいような…と書かれていた事を思い出しました。
そこで、印刷した料理の写真を見せて、「これを下さい。」と言い、
ビールを指差し、「ビールとマッコリを下さい。」と大きな身振りで伝えました。
店主は理解されたようで、笑顔でうなずいて下さいました。
その紙を見ると「ちょっと見せて下さい。もしかしてこれは、家の店!?ここがインターネットに載っているの?」
と、大変嬉しそうに、涙ぐみながら、感動されたご様子でした。
そして、バンチャンにキャベツの千切り、ジャイアントコーン、大根の水キムチを持って来て下さいました。
ビールはキンキンに冷え、マッコリはきちんと後ろの賞味期限を見せて読み上げて下さいました。
外から炭火焼き参鶏湯を持って来て下さると、
「これは美味しいよ~」といった表情で、大きなスイカをド~ン!とテーブルに^^
まさかと思いましたが、サービスで冷えたスイカまで下さるなんて…
すべての料理に店主の人柄がにじみ出ています。
程なくして、日本語が堪能な女性店員さんがいらしたので、「トンタッというメニューがないのですが、これは何という料理ですか?」と聞きました。
「これは、チャンジャックイよ」と教えて下さいました。
チャンジャックイは、皮はパリパリ、中のお肉はホクホク、もち米はもちもち、ナツメなどの漢方は沢山入っていて、美味しいんです。
体に良い事もすぐに分かりましたので、すぐにお代わりをお願しました。
店主は、私達の席の横で、美味しそうに食べている様子を眺めながら、嬉しそうに私が持って行った紙の写真を見ていましたが、急に裏でゴソゴソという物音が聞こえ、何をされているのかな?と思っていると、私の席にポンと傘を置きました。
「外で雨が降り始めたから、使って」と、納屋で探して下さったいたのです!
しかも、私が女性だからとずっと赤い傘を探して下さっていたのでした。
ある程度の年齢に達すると、涙もろくなりますが、マッコリが入ると、更に涙もろくなる私です。
瞬殺で涙が出て「チョンマリエヨ?コマプスムニダ」(本当ですか?ありがとうございます。)と。
店主はやはり、お耳がほぼ聞こえないご様子でした。
しかし、暑い中、外で一所懸命に、薪で焼いた美味しいチャンジャックイをお客に提供し、スイカなどのバンチャン、冷えたビールにマッコリ、そして温かいおもてなしをして下さいます。
禾谷洞というソウル市内から少し離れた場所ではありますが、ここに来る価値は十分すぎる程あるお店だと思います。
パボさん、カムサハムニダ。