ソウル歴史博物館での企画展「AP通信が見た、激動期のソウル 8.15解放から4.19革命まで」の広告を光化門近くで見かけ、立ち寄ってみました。
博物館前では「不規則に水が噴き上げる噴水」に子どもや若者が果敢にも突進して.ビショ濡れになったりしていました。
「AP通信が・・・」は、題名どおり、1940年代後半から1960年、おもに「朝鮮戦争~李承晩政権末期の民主化デモ」の時期にAP通信が取材したソウルおよび朝鮮半島の写真展です。
現在はキレイな観光地になっている場所の信じられないほど荒廃した姿、いつ終わるか分からないような手作業での復興作業、北朝鮮軍捕虜に韓国市民が殴る蹴るの暴行を加える様子など、大昔の写真に見えますが、「いや、この写真に映っている子どもや若者は、かなりの割合で存命なのでは
」と思い当たりました。
「4月革命」のデモで連行される青年たちと、館内をスマホ撮影(展示室に『撮影禁止』の表示は無し)する若者たちは、服装も表情も別の世界の人々のようです。
ところで、AP通信のカメラマンたちは「○○を撮影するAP通信カメラマン」という写真もしっかり残しており「自分たちの存在・活動が歴史的価値のあるものだと自覚しつつ、遠い国で働いていたんだな」と感心しました。
なお、写真についた解説は韓国語と英語ですが、英語版は韓国語版とはかなり異なる「外国人に韓国の時事を紹介する」角度からの内容で「うーん、よくできているな」とこちらも感心。
さて、「AP通信」の隣りの展示室では「ロセッティのソウル」という、19世紀末の在朝鮮(当時)イタリア領事が撮影した写真などの展示もありました。
「外国人が見た朝鮮半島」なのはAP通信と同様ですが、被写体になった人々が明らかに「変な機械をかまえたガイジンを怪しむ表情」だったりして、
「赴任地で珍しい風物を撮っていたロセッティ氏こそ、じつはすごく好奇の目で見られまくっていたんだろうな」「この労働者の写真、ロセッティ氏のお付きが『こら、こちらを見ずに仕事を続けるふりをしろ』とか言ってそう
」と思ったりしました。
「AP通信」は6月3日まで、「ロセッティ」は7月1日までで、両方とも観覧無料です(しかも、韓国語のみですがけっこう豪華な冊子がもらえます)。この時期に光化門近辺にお立ち寄りの方はぜひ。