2015/05/23 の 11時半ごろ訪問しました。
最寄の地下鉄駅である独立門駅は、ソウルの中心部からも程近く、交通量の多い大通りに面しているため、非常に騒がしいですが、歴史館は西大門独立公園内の丘にあるので、軽い上り坂を 1分ほど上っていきます。
すると、レンガ造りの壁が巡らされた歴史館の入口が見えてきました。
どことなく重苦しい雰囲気を感じつつ、入場券(一般:3,000ウォン)を買って中に入りました。
展示の内容は、KONESTさんの記事でも紹介されていますが、西大門刑務所の歴史と建物の変遷や、刑務所内の施設や暮らしぶりの紹介、そして独立運動に関連した内容です。
閲覧方法が非常によく考えられていて、閲覧コースを歩いていくと、まるで一筆書きのようにすべての建物や獄舎、遺構をめぐることができます。
なおかつ、ミニチュアやパネルなどで事前に概要を説明した後で、実物を見ることが出来たりと、非常に膨大な展示物があるにもかかわらず、展示の起承転結というか、ストーリーがあるので、どんどん展示内容にひきこまれました。
そして、クライマックスである処刑場の首輪へと導かれていくのです。
こちらの歴史館は、独立運動とのかかわりが深く、韓国人にとっては大変意味のある施設ですが、当初、この刑務所を造って運営していたのは日本人です。
そのため、日本人にとっても深い縁のある場所といえるのでは、と思い至りました。
こちらの展示を見ていると、いろいろな感情が沸きあがります。
一方で、平和な現代を生きる一人の日本人として、何を思えばいいのか?
答えのない問いが頭の中に浮かびます。
実は、閲覧コースの最初の建物で、こんな出来事がありました。
私が建物を眺めたり、写真を取っていると、韓国人のカップルに声を掛けられました。
どうやら、建物をバックに二人の写真を撮ってほしいとのことでした。
男性から渡されたのは、ずっしり重い大きな一眼レフカメラ!
正直、私は小型のデジカメしか扱ったことがないので、面食らいましたが、手間取りつつも、
「김치~
」と声を掛けると、二人はちょっとはにかみつつ、ポーズを取りました。
恐らく彼らは、私が日本人であることをまったく意識しなかったと思います。
単に、私が肩からカメラをぶら下げていたのが見えたので、カメラを扱えると思ったのでしょう。
ちょっとしたやり取りでしたが、過去、この場所での日本人と韓国人の関係は、このような微笑ましいものではなかったと思うと、本当に説明しがたい感情が渦巻きます。
来場者は、親子連れや、社会科見学とおぼしき子供たちの団体、カップル、外国人観光客と、バラエティ豊かですし、特に子供たちは元気に走り回っているので、そこまで重苦しい雰囲気ではありません。
まあ、それでも内容が内容だけに日本人にとっては、ちょっと暗い感じにはなりそうですが…
「楽しい韓国旅行」も好きなのですが、今回、こちらを訪れたことで、「楽しいだけじゃない韓国旅行」も有意義だと感じました。
第一に行くべきとは思いませんが、日本人にとっても特別な場所なので、一度ぐらいは訪れて、「何か」を感じてみてもいいのでは?と思いました。