桂陽山

先週、早起きして登山に行って来た。仁川ではちょっと有名な桂陽山（395ｍ）という山。
その山頂付近で、며느리밥풀꽃（直訳すると、嫁の飯粒花）という花を見た。この花を見るのは初めてだが、花をめぐる嫁と姑の説話を読んだことがある。
ざっと、次のような話だ。

昔、善良な嫁が性悪な姑の下で暮らしていた。ある日、嫁がご飯の炊け具合を確かめるためそっと飯粒を口にすると、そこに姑が現れる。
舅や姑が食べる前に先に食べたと言って、姑は嫁の頬を殴りつける。痛みをこらえていた嫁をさらにありったけの力で殴り続けると、嫁は飯粒を口にしたまま死んでしまう。
嫁の死後、その墓から草が生え花を咲かせる。濃いピンク色の花は、嫁が飯粒を二粒口に含んでいるような花だった。人々は嫁が花になって生まれ変わったのだと言い、며느리밥풀꽃と名付けた。

飯が炊けたか確かめていただけだと言わんばかりに、飯粒をくわえたような花を咲かせるとは、嫁の無念と執念が伝わってくる話だ。同時に、嫁にとって婚家の暮らしがいかに辛く苦しいものであったかを物語ってもいる。

しかし、いまどきソウルあたりで姑と同居してもいいというような若い女性はほとんどいない。現役の姑や姑候補の50代女性もそのようだ。
双方の話を聞いてみると、불편하다（気まずい、気詰まりだ）、눈치보다（相手の顔色をうかがう）という言葉がキーワードのように出てくる。

さらに聞くと姑も最近は受難のようで、大卒で稼ぎのいい嫁にバカにされたり、嫌がらせをされたりする例があるそうだ。
昔は姑が「こうしなさい」と言うと、「はい、おかあさん」と素直に従ったが、今じゃ「どうしてですか、おかあさん」と口答えに近い返答をしたりする。小言めいたことを言おうものなら、露骨に嫌な顔をする嫁もいるとか。

因果は巡る糸車、巡り巡って風車ですかね。姑の恨が花に…なんてことにならないように。
（登山編は↓）