​甘川文化村へ行く手前に碑石文化村という所があります。
かつてここには日本人の共同墓地があり、近くには火葬場もありました。しかし、終戦により日本人が引き揚げた後は、管理もされず放置されたままでした。

その後、朝鮮戦争が始まり、戦火を逃れて多くの避難民が釜山に押し寄せてきました。住むに家なく、避難民が建てたのが仮設住宅。その一部に使われたのが共同墓地の墓石でした。碑石とは墓石のことです。建築資材が不足していた時代の出来事です。

内部は路地が複雑に入り組んでおり、ほとんど迷路状態です。路地にいた初老の男性によると、「碑石はずいぶん少なくなったけど、所々に残っているよ」と教えてくれます。また、入口に「碑石の上の家」があるから、まずそれ見るのがいいと勧めてくれるので、教会前にある入口から歩くことにしました。

「碑石の上の家」は崩れかけていて、その前に墓石の一部が並べられています。奥に進むと、階段や家の土台、擁壁などに使われた墓石が点在していますが、彫られた文字は風雪にさらされ、ほとんど読めないかごく一部しか判読できないものばかりです。
こういう現実を目の当たりにすると、日本人としては複雑な思いがします。

余談ながら、路地で出会った女性が碑石村の由来などを説明してくれた後、5月に初めての海外旅行で福岡に行って来たとか、「釜山もいいとこでしょ」と嬉しそうに話していたのが印象に残っています。

日本による統治と終戦、朝鮮戦争、避難民、苦難の生活…へと至る激動の時代が通り過ぎていった碑石文化村。重い話になりがちなところを、この女性のように気さくな人ばかりに出会えたのは幸いでした。
その人たちの話を総合すると、遺骨などの一部は釜山市立公園墓地の日本人慰霊碑、納牌堂に納められ、墓石は近くのテソン寺という寺に集められているそうです。

利用時期：2019.06

写真続き。

Kosetsu様、こんばんは^^

釜山は朝鮮戦争に関する施設とか避難してきた人たちの
生活の跡などがまだたくさん残っているのですね
でも、こういうのはKosetsu様も書かれているように気が
重くなりますね。
迷路のような所は迷ったりしませんでしたか

こんばんは。

今年2月にこちらへ行って来ました。
先に口コミされましたね。

案内が終わった解説士の方に声をかけられて、お話を聞きました。
この碑石を持って、上の方にあるお寺に納める日本人がいらっしゃるそうです。
Kosetsuさんが書かれているテソン寺のことでしょう。

2枚目の写真にあるお地蔵さんの後ろの墓石に書かれている字を読んであげました。

迷路のような路地に、所々ごみやごちゃごちゃした物も見えました。

碑石の中には、最近上からペンキを塗ったように見える物もありました。
実際住んでいる方には、基礎の石くらいに思われているのかな？

日本人にとっては複雑ですよね。
Kosetsuさんが書かれているように、こちらへ仕方なく逃れて来た避難民が
住みつくしかなかっただけで、墓を暴いたわけではありません。

逃げてくるしかなかった南側の人たちが、ここで大変な時期を過ごしたのだ
と思うとそれも、想像を絶します。

Kosetsuさんに便乗して、写真を添付させていただきます。

＞＞ねこのこぽんちゃんさん

こんばんは。

土城駅近くにある東亜大学の博物館は臨時政府庁舎でしたし、同じく臨時首都記念館は大統領官邸でした。甘川文化村とかここも避難民が暮らした仮設住宅地ですから、朝鮮戦争の記憶というかレガシーというか、多いですね。そういうのを見て周るのも何かと勉強になります。

迷ったら、とにかく階段を探して下りて行けばバス通りに出られますよ。ただ夜間は迷子になりますね。
ここは高齢者の方が多く住んでいるようなんですが、路地を歩いていたらある家のドアが開いて、なんと、クールビューティの女性が出てきたので、思わず道端に退いて見とれちゃいましたよｗ
最後にどうでもいいことを書きましたが。

kosetsu さん
ウリン　さん

こんばんは、投稿ｊ粛々と読ませていただきました。
ここは、何年か前に訪れたことがあります。日本に帰れなかった日本人庶民、朝鮮戦争で故郷を追われた韓国、北朝鮮の庶民の思いを思うと複雑な気持ちです。
小さな一軒家ぐらいの釜山近代博物館を見学すると、明治以降に東洋殖産(株)を初めとして時の政府が朝鮮半島に進出して行った過程がよくわかりました。

こうした複雑な思いを秘め、現代のこの日韓関係の中、韓国好きの個人として明るく、楽しく韓国の風景、食べ物を楽しみに韓国旅行をしております。

また有意義な情報お待ちしております。

＞＞うりんさん

こんばんは。​

すでに2月に見ていたんですね。さすが一筋縄ではいかないうりんさんですねｗ

ここに解説士の方がいるんですか。そういう人の話を聞きながら見学すると理解も深まるし、碑石の場所がどこかもすぐわかりますよね。自分の場合、あの狭い路地をほとんど手さぐり状態で探したというか、見て周りましたので、なかなか見つからなくて同じ所を何回も通りましたよ。
結局、途中で出会った年配の方たちに伺っていろいろと教えてもらいましたが。

以前、釜山市立公園墓地の日本人慰霊碑を見た時に、日本人の名前がたくさん彫られていましたが、この共同墓地に埋葬されていた方々もたくさんいらっしゃるものと思います。位牌も安置されていましたし、当時の釜山市長と釜山市民の皆さんのご尽力ですね。ありがたい話ですよね。

＞＞278ken1さん


こんばんは。

はじめまして。月に数回出ていますので、今後ともよろしくお願いします。
釜山は、ご指摘のとおり日本統治時代の建造物がたくさん残っていますし、朝鮮戦争当時の遺構などもたくさんありますので、興味を惹かれます。
民族を二分して血で血を洗う戦いをしたわけですから、悲劇や切ない話もたくさんありますね。イ・ジュンソプ画伯だとか張起呂博士がそうでした。
こういうのを見学してみますと、日韓関係とか韓国の現代史を知るうえで参考になることが多いですね。

そんなわけで、また拙文をご覧になりましたら、感想などお聞かせください。
ありがとうございました。

どのような制度かわかりませんが、解説士の方（年配の方が多い感じですが
男女いらっしゃいます）がいらっしゃって、数人のグループを連れて
狭い路地の所々に止まって、案内をしながら歩かれておりました。

私は一人だったので、適当にうろうろしていたのですが、
何度も路地ですれ違いました。

それで一通り案内し終わった解説士のおじいさんが、「さっきもいましたね？」
みたいな感じで私に声をかけて来られました。
一人で回っているので気にかけてくれたのかしら？


もう見終わった後だったので、留まって話をして、その時に墓石の側面に
書かれている文字を読んでほしいと言われました。

ベストを着用されているので、気軽に声をかけたら一緒に回っていただける
のではないかと思います（韓国語のみだと推測）。

目と鼻の先に、観光客でにぎわっている甘川文化村があるのが不思議です。