大邱(テグ)市内のバスターミナルからバスで約1時間20分、
慶尚北道(キョンサンプット)の清道郡(チョンドグン)に位置する雲門寺(ウンムンサ)は、新羅の真興王(ジヌンワン)の時代である560年に創建されました。雲門寺という寺名は943年、初代高麗王である王建(ワンゴン) が寺に田畑とともに雲門禅寺と書かれた扁額(寺院の山門や諸堂などに掲げられた横に長い額)を与えたことに由来します。
新羅時代の名僧円光(ウォングァン)が「五俗五戒(5つの守るべき戒律)」を授け、また高麗時代の僧である一然(イルヨン)が「三国遣事(三国時代の重要史料)」を執筆したことでも知られる雲門寺。現在は大韓仏教曹渓宗所属桐華寺の末寺で、規模の大きい学人僧の施設があり、尼僧も含め多くの僧が教育を受けています。
高低差のある山並みが寺を包み込み、神秘的な雰囲気が漂う寺の入口には「虎踞山(ホゴサン)雲門寺」と刻まれた石柱があります。虎踞山は現代の地図にはない山の名前で、寺から約5km離れたところにある雲門山であるという説、伏虎山(ポッコサン)であるという説などがあり正確にはわかっていません。祈祷をする場所である邪離庵(サリアム)を除いて境内は平地なので、小さい子ども連れや年配の方も気軽に歩いて回ることができます。
境内には宝物第678号の東西三層石塔、宝物第835号大雄殿をはじめ、10点の宝物及び慶尚北道有形文化財があります。天然記念物第180号指定の樹齢約400年以上のしだれ松は四方に大きく枝を広げた姿が美しく、見る人の心を癒すといわれています。チャン・グンソク、少女時代のユナ主演のKBSドラマ「
ラブレイン」の撮影地として、また紅葉が美しい寺としても知られ、大邱から足をのばして訪れる人気観光スポットのひとつとなっています。