済州島(チェジュド)東部、漢拏山(ハルラサン)の麓にある城邑民俗村(ソンウッミンソッチョン)は、済州島の昔ながらの村の姿や暮らしぶりがそのまま残されている民俗村。その歴史は15世紀にまでさかのぼり、済州島の行政区域のひとつだった旌義(チョンイ)県の城があったため、行政・軍政の中心として栄えました。1984年に重要民俗資料第188号に指定、現在も村には人々が生活しています。イ・ヨンエ主演のドラマ｢チャングムの誓い｣のロケ地としても知られ、約９km離れた｢済州民俗村｣とともに多くの人が足を運ぶ観光スポットのひとつです。

村内には藁葺き民家や溶岩を積み重ねた石垣、家に直接風が入るのを防ぐために曲がりくねった狭い路地など、石、風、女が多いため三多島とも呼ばれる済州島ならではの生活の工夫を垣間見ることができます。また、民俗文化財に指定されている12基の済州島名物の石像・トルハルバンをはじめ、樹齢数百年の天然記念物ケヤキとエノキ、丸太を渡した門や石を積み上げて作った城址、黒豚のいる昔の済州式トイレ、朝鮮時代の地方教育機関である旌義郷校(チョンイヒャンギョ)、地方の政庁として使用されていた日観軒(イルグァンホン)など見どころもたくさんあります。

村内のお土産屋では、五味子(オミジャ)茶、村内にある家の藁葺き屋根で育った冬虫夏草などを購入することができます。また、気軽に済州島の伝統文化に触れられる無形文化財伝習館があり、伝統民謡の無料公演や、済州島の伝統民俗酒｢オメギ酒｣や｢コソリ酒｣作り体験プログラムなども行われています。