ソウルに上陸、ドイツ発｢サブカルチャー前衛基地｣

｢SJ KUNSTHALLE(エスジェイクンストハルレ)(旧PLATOON KUNSTHALLE)」は、ドイツ・ベルリンを中心に活躍するアーティスト集団｢PLATOON｣により2009年、ソウルにオープンした複合文化施設。｢KUNSTHALLE｣はアート・ギャラリーを意味するドイツ語です。｢アジアで最もホットなサブカルチャー発信の空間を｣という目論見でリサーチが重ねられた末、狎鴎亭(アックジョン)からほど近い、現在の位置が選ばれました。韓国国内の芸術関係者や流行に敏感な若者はもちろん、日本をはじめとする海外からも注目を集めている施設をご紹介しましょう。
※2015年４月にリニューアルオープン。名称が「PLATOON KUNSTHALLE｣から「SJ KUNSTHALLE」に変わりました。

セレブな街に出現　28個のコンテナがつくる異色空間

セレブなエリアとして人気が高い狎鴎亭、鳥山(トサン)公園付近。ヘアサロンや海外ブランドのブティックが点在し、芸能事務所があるため俳優もよく出没するといいます。そんな街中で異彩を放っているのが｢SJ KUNSTHALLE｣です。28個のコンテナを組み合わせた外観はベルリンの本部を模しており、その独特さについ足を止める人も少なくありません。建物は吹き抜けのホールを中心とする、３階構成。展示会やイベントなど、用途に応じて空間を変えられるよう、ハコ自体は至ってシンプルです。
※写真は以前のものです。

展示から各国の料理まで楽しめる施設

ドイツ本部では、事務所的な役割が強くあります。一方ソウルの場合、展示スペースから、レストラン＆バー、ワークショップやセミナーが開かれるミーティングルームまで、複合文化空間としての色がより濃く出ています。館内の往来は基本的に自由ですが、スタッフによる案内(韓国語または英語、予約不要、無料)も随時可能なので、近くにいるスタッフに声をかけるといいでしょう。

１階・２階

＜ホール＞

１階～３階まで吹き抜けとなった、開放感あふれるホール。レストラン＆バーで料理を楽しむこともできます。普段は椅子とテーブルが並べられて休めるようになっており、パーティーやイベントが開かれる際には自由な空間設計がなされます。



吹き抜けで見晴らしのいい空間	イベント時には舞台や客席が作られます

３階・４階

＜３階事務所＆シンクタンク＞

３階にはシンクタンクと、「SJ KUNSTHALLE」スタッフが滞在している事務所があります。シンクタンクでは各種ワークショップやセミナーが開かれます。

＜４階屋上テラス＞

屋上テラス部分は、バーベキューが楽しめるルーフトップバーとなっています。メニューは１階レストラン＆バーに準じます。毎日開放されますが、天気の状況によってはオープンしていないこともあります。

ソウルの夜を彩るイベントも
｢SJ KUNSTHALLE｣が最も活気づくのは、定期・不定期で行なわれるイベント時です。建物全体が会場となって、多いときには2,000名もが空間を埋め尽くすといいます。イベントの多くは日が落ちてからが本番、日付が変わるまで盛り上がります。予約不要、無料のものが多いので、ソウルの夜の思い出づくりにいかがでしょうか。
※イベントスケジュールは毎回異なりますので、ホームページにてご確認ください。

※2015年８月現在
●随時：アーティストソロ展示会、スポーツパブリックビューイングなど



ナイトフリーマーケット	日韓戦パブリックビューイング	ライブパーティー

インターナショナルな文化の息吹を感じに

アートやサブカルチャーに興味のある人の訪問が多い｢SJ KUNSTHALLE｣ですが、コーヒー一杯や食事だけの利用ももちろん歓迎。ヨーロッパやアメリカを中心とした外国人にも人気が高く、客層の３割ほどをしめるといいます。また、2010年７月には全羅南道(チョルラナムド)・光州(クァンジュ)市に｢アジア文化マル(KUNSTHALLE GWANGJU)｣がオープン。光州といえば国際ビエンナーレが開催されている、韓国アートの先進地。こちらも期待できそうです。
イベントや展示を通じて、変幻自在な魅力を見せてくれる｢SJ KUNSTHALLE｣。韓国、そしてインターナショナルなカルチャーのエッセンスを感じたい人はもちろん、近くに来た際には気軽に訪れてほしい場所です。