ピックアップ!お店紹介口コミ by Kosetsuさん
韓国に残っている倭城の中では最大級で、かつ保存状態がよいとされているのが加藤清正によって築城された西生浦倭城です。
海雲台市外バスターミナルから蔚山行きのバスに乗って「南倉」で下車。そこで蔚山の市内バスに乗り換えて、「西生浦倭城前」まで行きます。
小高い山に登る手前から城の石垣が見えてきます。
本丸のほか二の丸、三の丸が配置されていたというから、かなり規模の大きな城だったようです。以前、子城台の倭城跡を見たことがありますが、あれとは比べものにならないくらいの大きさです。
城には攻防の要衝とも言える「虎口」や「曲輪」が設けられ、石垣が複雑に入り組んだ構造になっています。
頂上にある天守台跡や一部崩れかけた石垣の前に立つと、人の世の栄枯盛衰、過ぎ去った時の流れが感じられます。
満開だった桜もすでに散ってしまい、今はひっそりとしています。聴こえてくるのは風に揺れる新緑の葉擦れの音だけです。
その新緑の彼方に鎮下の海が見え、なかなかいい眺めです。加藤清正をはじめ、将兵たちもこの景色を眺めていたものと思われます。
帰り際、入口にある案内所の女性係員から次のような話を聞きました。
現在、蔚山市は熊本市と友好都市の関係にあり、さまざまな交流が行われています。熊本市内には蔚山という町名まであり、さらにこの地から渡っていった韓国人の子孫が西生(にしお)という姓を名乗っているということでした。
興味深い話でしたが、再び祖国の地を踏むことのなかった人たちの身の上を思うと切ないものがありました。
韓国に残る日本の遺構に関心のある向きにお勧めの西生浦倭城です。 . . .