八公山で石造如来坐像の御姿を堪能した後は、更にその先に進み、道に沿って下へ下へと降りて行くと、御供養を頂くことができる建物があります。多くは礼拝者や登山者が昼御飯を頂く所です。

平日とあってか混み合う事もなく、ゆっくりと御供養を頂きながら日常から遠ざかった自分と向き合うことができました。御供養は質素です。白飯、大根ナムル、青唐辛子の漬物、味噌汁など。ですが、これが如何に有難くも素晴らしい食べ物であるか、ひしひしと身に染みて感じます。気持ちほどの金額を箱に入れました。

八公山は二回目で、去年とほぼ同時期の2月5日に登りました。この日は快晴、大邱中心部平地の最低気温は確かマイナス8度だったと記憶します。

登山道の脇を走っている水流は全て凍りついていました。この凍てついた景色がどうにもこうにも私の心の琴線に触れまくって、冬山登山をやめられません。

私の願い事はこうです。「こうして自分の足でこの高い山に登って、仏様の御尊顔を拝見し高みからの絶景を眺め幸せです。もし、私の願いを一つ叶えていただけるのなら、誰か他の方が望んでいる願いを一つ叶えてくださいませ。」

私達は、​あるお願い事をする為に、​大邱への旅行を決めました。
ここは、一生に1つだけのお願いを聞き入れて下さるという、大邱の八公山冠峰の頂上に鎮座するカッパウィと呼ばれる石仏様。
当時は、全くコネストさんを利用していなかった為、観光案内所で行き方などを聞きました。

思っていたより、道は急で、整備されているとはいえ、とんでもなくきつい階段が続きます。
アジュマ達にどんどん追い越され、登っては休み、頂上に着いたのは2時間後でした。

すでに沢山の方達が懸命に祈りを捧げ、写真を気軽に写せるような雰囲気は全くありません。
誰かに声をかけて聞く事もできず、私達は大きな蝋燭を買い、そこに安全ピンで願いをしたためる事にしました。

しかし、2011年5月、東日本大震災が起きて間もない時でした。
遠く離れた場所で起きた事とはいえ、私には何の力もなく、助けたくても何も出来ず、物資や義援金を送るのが精一杯でした。
今、この瞬間にも辛い生活を余儀なくされている人が大勢いるのに、自分達は旅に来ている。
それに比べたら、私達が切に願う事など小さな事に思えました。
私は、自然と「大震災で被災された方が一人でも早く、元の生活に戻れ、一人でも多く、幸せになれますように」とお願いしました。

昔はテレビで、平和を願う人を見て、偽善者だと思う時期もありましたが、石仏様を前にして、被災された方を思う気持ちは、心の底から湧いてきた願いでした。
ふと、相方の蝋燭を見ました。
すると、2人でお願いしようとしていたお願いではなく、私の病気が完治しますようにとの言葉が書かれていました。
自身も1万人に1人と言われた難病にかかったばかりだったのに…
私は、目頭が熱くなり、涙を拭きながら祈りを捧げました。

あれから、6年が経ちました。
震災にあわれた方は、一人でも早く、元の生活に戻れているでしょうか?
国は、一人でも早く元の生活に戻れるよう、今も努力を続けて下さっているのでしょうか…?
カッパウィ石仏様は、その時の私達の心をくんで下さったのか、蝋燭には書かなかった、私達が本来お願いに来た、絶対に無理だと思われた願い事を、その後そっと叶えて下さいました。

心を込めてお祈りすると願いを1つだけ叶えてくれるというカッパウィ仏様がある
禅本寺へ、2015/11/21に行ってきました。

お寺へは行くには、東側からと西側(大邱市側)からの２ルートがあります。
私は、西側から行きました。

東大邱駅北側、歩道橋下りてすぐ下にあるバス停留所から
(東大邱駅工事中のため、本来の位置より若干ズレています。)
カッパウィ行きの401番に乗車し、終点で下車。
バス停からしばらく先は、緩やかな坂道が続き、
途中にある冠岩寺というお寺を過ぎると、
カッパウィまでは上り階段が続きます。
ずっと階段の道なので、かなりハードな道のりです。
気が遠くなり、上っては休み、上っては休みながら行ったので、
階段を上り始めてからカッパウィに到着するまで50分かかりました。

心を込めてお祈りすると願いを1つだけ叶えてくれるというだけあり、
たくさんの人が熱心に、真剣に祈りを捧げていました。

帰りは東側に抜けました。
こちらは大邱側からのルートと比べて階段は緩やかで傾斜もきつくなく、
バス停までの距離もそう遠くはなかったです。
16時を過ぎてもまだ階段を上ってカッパウィへ向かう人たちがいました。

一柱門の前のバス停から803番のバスが出ています。
バス停の近くにも、禅本寺の極楽殿などがあります。
河陽を経由し、大邱に戻りました。