寺門と境内の間には明堂水(風水地理学の原理に基づいて作られた小川、橋を渡ると吉とされる)が設けてあります。その上にかけられた極楽橋を渡ることで、俗世を離れ仏の世界へと入っていく実感を十分得られるようになっています。
境内の真ん中にそびえる「五重石塔」は高麗末期、ラマ教(チベットを中心に発展した仏教の一派)の影響を受けて建てられたもの。高さ8.7メートル、石塔の一番上には青銅製の円形の装飾があり、宝物第799号に指定されています。
大光宝殿の前にあるイブキの木は、韓国の政治家・独立運動家の
金九(キム・グ、1876~1949)が逗留していたときに植樹したと伝えられています。
「麻谷寺」を取り囲む奉華山(テファサン)、奉華川(テファチョン)の渓谷の風景も大変美しく、桜や紫木蓮が咲き誇る春は“春麻谷、秋甲寺(甲寺も公州にあるお寺)”という言葉があるほど。秋の紅葉も見事で、お寺の造形美と自然美の調和を堪能することができます。