慶尚北道(キョンサンプット)の
慶州(キョンジュ)市は、新羅の仏教遺跡が多くのこる歴史文化都市。慶州の南側に聳える南山(ナムサン)は高さ494メートル、金鰲峰(クモボン)と高位峰(コウィボン)の二つの峰からなる山で、新羅の人々の信仰の対象でした。
そのため山中には150以上の寺跡、100数個の石塔、そして130体を越える仏像があり、新羅仏教遺産の宝庫となっており、山全体が宝物第311号に指定されています。南山はハイキングコースも整備されており、仏教遺産だけでなく美しい自然景観もまた多くの観光客を魅了しています。
南山は新羅初代の王朴赫居世(パク・ヒョッコセ)の誕生説話が伝わる西南山と、東南山に分けられます。
七仏庵(チルブルアム)磨崖石仏群は東南山の一番南にある石仏群です。高さ5メートル、幅8メートルの大きな岩肌に浮き彫りにした三体の石仏、その前にある柱状の岩に彫られた四面仏合わせて七体あるため、七仏庵と呼ばれています。躍動感あふれる立体的な姿、ふっくらとした顔つきが印象的な石仏群は、統一新羅時代(676~918年)のものと推定され、宝物第312号に指定されています。
七仏庵(チルブルアム)磨崖石仏群の岩の上を、さらに10分ほど上がっていくとあるのが、宝物第199号指定の神仙庵(シンソナン)磨崖菩薩半跏像です。頭に三面宝冠をのせ、右手には花を持ち左手は胸前に挙げています。統一新羅時代、8世紀後半の作品だと推定されています。仏像の彫られた岩は断崖絶壁にあるので、足元に十分気をつけて見学しましょう。