海の神様、カムサハムニダ。珍島で神秘の海割れ祭りを体験 |
「海が割れるのよ~道ができるのよ~」と天童よしみさんの歌で知られる珍島(チンド)はソウルから西南へ452キロメートル(東京~京都が約500キロメートル)に位置し、面積430.8平方キロメートル(種子島が447.1平方キロメートル)、人口3万5000人、農業と漁業が中心ののどかな島です。その静かな島が「珍島・神秘の海割れ祭り」の時期はにわかに活気づきます。韓国版モーゼの奇跡と言われる海割れとは潮が引くと幅30~40メートル、長さ2.8キロメートルにわたる道が現れ、1時間ほどでまた潮が満ちていくという現象です。海が割れて現れた道を歩いて渡ることができるのは、年に一度の祭りの時期だけ。2008年は5月5日~7日に開催されると聞いて、果たしてこの海の道とは如何なるものか体験しようとコネストスタッフ4人が行ってきました。 |
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ソウルから珍島までは、まずKTXで木浦(モッポ)まで行き、木浦から市外バスで珍島バスターミナルまで、さらに島内バスで珍島バスターミナルから祭り会場のある回洞里(フェドンリ)までという道のりです。少し複雑なので、詳しくご説明しましょう。 |
◀ 龍山駅からいざ、出発! |
ソウル~木浦(約3時間15分 大人1名 指定席40,500ウォン) |
西南へ行くKTXの路線は湖南線(ホナムソン)と言って、ソウル駅ではなく龍山(ヨンサン)駅から出発。コネストスタッフは7時20分発 KTXに乗り込みました。ところでKTXは新幹線と違って、一般車両でも座席によって価格が異なり、中央の4人席(同伴席・トンバンソッ)は通常料金と比べて3割近くもお得。グループ旅行の際は是非、利用してみてください。 |
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木浦は湖南線の終着駅 |
木浦駅 |
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木浦駅~木浦総合バスターミナル(約15分 大人1名、1,000ウォン) |
木浦駅を出てすぐ前にあるバス停から市内バス1番に乗ります。市内バスは頻繁にやってきますが、降りる場所がわからなくて不安という方は駅前からタクシーを利用するとよいでしょう。総合バスターミナルはバス停を降りて、乗ってきたバスの進行方向(高架道路方向)に向かって左側前方にあります。 |
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1番バス |
木浦総合バスターミナル |
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木浦総合バスターミナル~珍島バスターミナル(約1時間 大人1名、5,200ウォン) |
バスのチケットは自動券売機もありますが韓国語表示のみ。窓口で購入することもできます。途中、珍島郡のシンボルマークにもなっている珍島大橋を渡り、車窓からの眺めもいっそうのどかなものに。 |
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窓口 |
木浦→珍島 と書いてあります |
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珍島バスターミナル~回洞里(約20分 大人1名、2,000ウォン) |
回洞里までのバスの本数は少ないのですが、祭り期間は乗客40人集まれば臨時バスが出るとのこと。しかし、私たちが訪れた時は臨時バスが出る気配もなし…。ターミナル前にはタクシーも待機しているので、バスの時間がうまくあわない時はタクシーを利用するのがよいでしょう。 |
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地方の旅の愉しみ<ローカルタイム> |
地方へ行くと交通機関の運行本数も少なく、時間の変更もつきもので、連結が悪くなることもしばしば。事前に下調べをしていても、ゆとりを持って出かけましょう。ちなみに回洞里から珍島バスターミナルまでの復路、最終バスの時間を尋ねたところ「お客さんがいる時間まで」という回答。だからぁ~それって何時ですか?と息巻くことのないようにしましょう。それがローカルのおもしろさであり、詰め寄ったところで正確な時間を設定していないこともあります。だから、例えば木浦への最終バスが19時20分なので、遅くとも19時には珍島バスターミナルに到着できるように、と時間を逆算して行動するのがよいようです。 |
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前述通り、やっと珍島に到着したものの、臨時バスの来る気配もなく、時刻表通りなら1時間半の待ち時間ができたため、お昼を食べることに。珍島産の新鮮な海産物だけを使った料理が自慢の「クンチッフェガン」でポルナッチビビンバを食べました。ポルナッチとは干潟で採れたタコのこと。小ぶりながら歯応えと甘みがあります。 |
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ポルナッチビビンバ (1人前 10,000ウォン) |
全羅南道のキムチはソウルより 酸味があり、辛め |
食堂外観 |
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<クンチッフェガン>
住所:全羅南道 珍島郡 珍島邑 南洞里 777-13 / (道路名住所) / 南洞1キル 66
住所:전라남도 진도군 진도읍 남동리 777-13 / 남동1길 66
電話番号:061-544-8144
交通:珍島バスターミナルから徒歩10分 |
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やっとのことで、回洞里へ到着。祭りらしく屋台が立ち並び、美味しそうな匂いがしてきます。珍島特産のアワビを食べさせるところもあり、やはり海産物が目につきます。回洞公演場では祭り期間中、珍島の民俗芸能の公演が無料で観覧できます。田植えや草刈りの時に歌った南道野良歌などをはじめ、多くが重要無形文化財に指定され、通常は珍島郷土文化会館で毎週土曜日に公演しています。 |
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屋台は大繁盛 |
日本同様 ホヤはお刺身で |
郷土料理の試食も |
海を背景に南道野良歌を聴く |
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海割れの時間は決まっていて、私たちが訪れた5月5日は午後4時半からのおよそ1時間。ですが海割れが始まる前から大勢の人が海に入って何やらやっています。 |
皆さんの目的、それはワカメ。珍島名産、岩ワカメをここぞとばかりに採集。ワカメだけでなく、カニや貝もいて、大人から子どもまで、むしろ大人が童心に返って、採集に熱中していました。 |
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待ちに待った海割れの時間。気の早い人たちは潮が十分に引かないうちから進みだしましたが、あら不思議!?人がどんどん進んでも海に沈むどころか、そのままずんずん歩いて行くではありませんか。人がいるすぐ横に船が浮かんでいるのを見ると、そこが浜ではなく、まさに海の真ん中を歩いているのがわかります。 |
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海割れによって、できる道は幅30~40メートルです。道となった部分は比較的浅く、水深は足首程度までですが、少し離れると太もも程度、さらに離れるともう道はなく、人が歩くことはできません。 |
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海の道の水深は足首程度 |
道から少しそれると深くなります |
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実際に歩いてみると水深に差があり、きれいに道が現れるわけではりませんが、両側が海なので海の真ん中に立っている気分です。またすぐそばが波打っているのを見ると自分が歩いている場所が「海にできた道」であること実感します。この不思議な感覚に驚きながら、写真を撮ったり、貝を拾ったり、夢中になっている人々の楽しそうな顔を見ていると、こちらまで幸せな気分になります。そして何より海割れはわずか1時間。この時間をいかに過ごすか、楽しみ方はいろいろです。 |
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自然現象をじっくり観察 |
潮干狩り |
あらかじめ茅島に船で行き、 茅島の人たちと2.8キロを踏破 |
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国際交流する |
父のたくましさを見せる |
「十戒」のモーゼに扮する |
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また、海割れを安全に楽しむにはゴム長靴が必需品(珍島バスターミナル付近の商店で販売)。上の真ん中のお父さんがはいている膝上まですっぽり覆うタイプがよいでしょう。海風もあり、1時間近く海につかっていると体が冷えてしまいます。コネストスタッフは祭り会場で長靴購入の予定でしたが売り切れたのか、教えてもらった場所でも見つけられず、結局、裸足、ビーチサンダル、運動靴とそれぞれに試してみましたが、冷え度、疲労度に大きく差はありませんでした。とにもかくにも、無邪気に海で遊んだ一日でした。 |
さすがに日帰りは難しいので、珍島バスターミナル19時20分発木浦行きのバスに乗り、木浦で1泊することにしました。木浦の名物もやはり海産物。北港刺身(プッカンフェ)センターで海の幸を堪能した後、この日の宿、ビクトリアモーテルへ。地方ではホテルが少ないので、モーテルが価格も手頃で便利です。翌日は宿から近い景勝地、笠岩(カッパウィ)を見学しました。笠岩周辺は自然史博物館をはじめとする文化施設が並ぶ文化通りとなっています。 |
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好きな魚介類を選びます |
これにちり鍋と焼酎2本、計5人分で10万ウォン程度 |
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宿代の相場は1室40,000ウォン |
笠岩(カッパウィ) |
木浦自然史博物館 |
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<ビクトリアモーテル>
住所:全羅南道 木浦市 上洞 1009-4 / (道路名住所) 河堂南部路61番キル 22
住所:전라남도 목포시 상동 1009-4 / 하당남부로61번길 22
電話番号:061-287-1002, 016-650-8867
交通:木浦駅よりタクシーで約10分 |
駆け足での珍島海割れ祭り参加と木浦滞在でしたが、天気にも恵まれ、自然を満喫した旅となりました。列車とバスを乗り継ぎ、少々時間はかかりますが、それもまた旅気分が盛り上がるというもの。ソウルでは味わえない地方の味や見どころも多い珍島への旅、一度足を運んでみてはいかがでしょうか。 |
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