明洞のロッテ百貨店前に、ほぼ等身大の、台座に乗った外国人男性の像があります。
台座には「А.С.Пушкин」とあります。19世紀のロシア詩人、アレクサンドル・プーシキンの立像です。 ロシアおよびロシア語圏では超有名人ですが、1980年まで「反共法(共産主義の賛美および関係団体への加入・勧誘を禁止する法律)」なるものが存在した韓国では、彼の作品を読んだことがある人どころか、名前を知っている人も少ないのが現状です。
ところが、今日、この銅像の台座の下に新鮮な花が供えられているのを目撃
もしや、私が知らない間に、プーシキンはこの国でも有名人になっていたのでしょうか。
さっそく銅像の写真を撮り、百貨店1階受付の日本語案内嬢に「すぐ前の広場にあるこの銅像の前に花束があったのですが、最近、なにかイベントがありましたか」と訊ねてみたところ「さあ…分からないです」と困惑の表情です。 彼女も、隣席の中国語嬢も、これが誰の銅像であるかを知らない(というか、1年以上前からあるこの像の存在自体を知らなかった様子)とのことでした。やっぱりぜんぜん無名のようです・・・。
台座には「韓国とロシアの文化交流と友好促進のため寄贈された」とありますが、正直、この国で「ロシア」がニュースになったといえば、「2014年のソチ冬季オリンピックで、男子ショートトラックのエース選手と女子フィギュアスケートの金メダルを盗られた」という怨恨系の話題しか記憶にありません。
当時、私は「このプーシキン像にペンキで落書きでもする人が出るのでは」と他人事ながらビビっていたのですが、存在自体知られていないということで、杞憂だったようです
さて、このプーシキンの誕生日は6月6日です。6月第一週の週末にさりげなく像周辺をウォッチしていれば、花を供えた人物の正体が判明するかもしれない・・・と、ヒマな私は密かに観察を検討しています。
韓国では非常に珍しい「ロシア詩人の銅像」、ロッテ百貨店にお立ち寄りの方は見てみて下さいね
※ところで、プレートに記された像設立の由来は「英語・日本語・韓国語」の順番です。韓国に設置された像であるにもかかわらず、なぜ日本語が先なのでしょうか?