9月中旬の週末、ソウルから大田(テジョン)に帰省した私は、KTX大田駅の2階にできた「聖心堂 大田駅店」でパンを買っていくことにしました。
2011年刊行の韓国版ミシュランガイド(星による格付けは無し)に登場して以来、一気に全国区の知名度を得た同店、以前は店名が「SUNG SIM DANG 성심당」と英・韓のみだったのが「1956年以来 大韓民國 大田 聖心堂」と漢字メインになっています。老舗らしさの演出か、または中国人や日本人が「誠心堂」とか「星心堂」とか表記を間違わないようにという配慮かもしれません。
秋夕(チュソク)一週間前の週末に訪問。なんと、店の前には20人以上の行列ができています。入場制限でもしているのか!と思いきや、店内には2~3人しか客がいません。じつは、行列は名物のティギムソボロ(揚げソボロ)を買う人々で、それ以外のパン・菓子は普通に買えると判明。
「大田駅入店記念品 宝文山のこだま(5000ウォン)」という大きな箱入り菓子も気になったのですが、荷物が多かったので断念。「パンタロンプチュパン」というニラ入り惣菜パン(1800ウォン)、モチモチした食感の「チーズフォンデュ(1個500ウォン)」、薬菓(1000ウォン)を購入しました。
翌日、ソウルに向かうKTXのホームでは「聖心堂」の紙バッグを持った乗客を複数目撃。数年前、同店の紙袋に「聖心堂は大田の文化です」とあるのを見て「大げさな
」と思ったのですが、ホントに大田広域市の銘菓・名産品に浮上したようです。そういえば、コネスト編集部日記には「大田と聞いて、思い浮かぶのは?」
http://comm.konest.com/ediary/E08/2902
とのタイトルで、同店が紹介されていました。3年ぐらい前なら、回答は間違いなく「エキスポ科学公園の宇宙人」だったことでしょう(←うそです)。
シックで洋風な外観にもかかわらず、品揃えや味が、最近のソウルに多い「本格ヨーロッパ志向」ではなく、「和菓子も売っている日本のパン屋さん」風なのも、中高年日本人客(=私です)には、外国にありながら懐かしさを感じさせるところです。大田駅に寄られる皆さま、「列車に乗る直前で、ソボロの列に並ぶ時間がない!」という時も、他のパンやお菓子を試してみて下さいね
※なお、揚げソボロは、地下鉄「中央路」駅前の本店では、とくに並ばず普通に買えます。