釜山のチャガルチ市場で、魚を買ってその場で刺身や鍋にしてもらって食べる人たちを見かけました。一人で旅行中だった私は「アジ1匹とか頼むのは・・・ムリか」と残念に思ったものです。
ソウルに転居後は、自宅から徒歩数分の場所(=麻浦農水産物市場)でこの「羨望の光景」を目にするようになりました。自分も、あの水槽から「これ下さい」で刺身を食べてみたいものだと思い、一念発起して水産物コーナーに足を踏み入れたのでした。
今回は、家族(韓国人男性)が一緒です。
韓国人のオジさんの案内で刺身店や焼肉店に行くと、手際よく注文してくれることが多いため、すっかり安心していたのですが、私の連れの場合「じつは、この手の市場に来たことがない」「水槽で泳ぐ魚を見ても、名前も価格もサッパリ見当がつかない」と判明
つまり、私が自力で注文しなければならないようです。
昼食には早い時間で、客はそんなにいないため、通路の両側の売場から勧誘の声がかかります。○○商会とか××水産とか看板が出ているので、売場ごとに別経営の店のようです。
とりあえず、ある売場の前に立ち止まりました。
「いらっしゃい!何にしましょうか?」・・・すみません、決まっていません。でも、韓国の刺身店に多いヒラメ、スズキ系の白身もの以外のものを食べたいかも・・・と思っていたら、店のオジさんはハマチのような魚を網ですくいました。なんという超能力中年でしょう
値段を訊いてみると、オジさんはカゴに魚を入れて秤にのせました。
「4万5千ウォンだけど、3万でいいよ!」・・・よく分かりませんが、若干高い気もしたので、連れに「もうちょっと巡回してこよう」と言ったら「あ、待った待った待った、2万5千で」・・・もう少し安くなるかもと思いましたが、とりあえずその額で購入。
店のオジさんは、奥で魚をおろしつつ「これを持って行きますので、2階の『バンドフェガン』という店で待ってて下さいね」と言います。
水産コーナー2階にある数軒の「膾館」は、1階の魚屋のどれかと提携して営業しているようです。
近くの階段を上がると、その「バンドフェカン(半島膾館?) 酒類持ち込み禁止 」という入口がありました。
手ぶらの客は料理の料金、魚やアラ持ち込みの客は「調理料金」、刺身持ち込み客は「薬味料金」を払うようなので、「基本薬味(1人分2000ウォン)」とマッコリ(3000ウォン)を注文。
サンチュとエゴマの葉、刻みニンニク入りコチュジャン、キムチと豆モヤシ、練りワサビ、そして殻付き生ガキが運ばれてきました。4000ウォン分の「テーブルチャージ&お通し代」としては、まあ上々です。韓国の刺身によく付く「ゴマ油」がないのは、今回の注文品が白身魚でないからかもしれません。なお、卓に置いてある醤油とコチュジャンも使えます。
小柄な魚を選んだため、身のサイズがちょっと小さめでしたが、新鮮なコシがあって美味な刺身でした。
「初めてでも値切れるんだね
」と連れは喜んでいましたが、隣卓の4人組を見た私は、パンチパーマ&アニマルプリントの服で行けばもっと安くなったかも・・・とか思いました。
ということで、食事代は魚25000W+薬味代4000W+マッコリ3000W=32000W。「鮮魚、生ガキ、お酒」2人分の代金としては手頃といえます。つぎは「ひとりマナガツオ刺身」でも試してみるかと思案中です。
「魚料理
は好きだけど、外国では相場も注文方法も分からないし・・・」という方も、ぜひトライしてみて下さいね