ホテルに着くと、まずは両替をしに、こちらの南大門地下ショッピングセンターを通ります。
(いるいる、今日も元気に仕事してるね^^)
そう思いながら、アジュマがいる事を確認しつつ、一度は通り過ぎます。
今回は、マニキュアと、乳液を買う事にしておりましたので、先に、別の店舗で購入しようと値段交渉しましたが、納得のいく価格ではありません。
仕方なく、ボディクリームのみを購入し、後は、アジュマのお店で交渉しようと決意し、戻ってきました。
​(アジュマとの会話はオール韓国語ですので、私の勝手な翻訳で以下に記載します)

私　こんにちは～!
ア　「…!?」(笑顔で近づいてくるのは一体誰だろうと、不思議な顔をしています)
私　お久しぶりです、お元気でしたか?
ア　あ～、日本から来た人ね。何が欲しいの?
私　このメーカーの乳液が欲しいんです。
ア　あるよ、38000W。
私　えっ?今、別のお店に行ってきたけど、新製品で38000Wでしたよ。
2本買うので、もう少し安くして下さい。
ア　ハハハハ…
(おっ、今までは、ア゛ーチンチャと怒鳴っていたのに、鼻で笑う術を身に着けている(笑))
私　私は、こちらのお店で、過去3回この乳液を買いましたが、
最初27000W、2回目29000W、3回目30000W、そして今回38000W…
ア　あのねー、朝は何食べた?スンドゥブは今、10000Wするし、タクシーも値上がり、家賃も値上がり、ソウルは今物価上昇がすごいんだ。化粧品だって値上がりするよ…しょうがない、2つで73000W。
私　でも新商品で38000Wだから、もう少し値下げして下さい。
ア　新商品って言った所のレシート見せて。
私　はい、どうぞ。
(レシートを見せると、なるほどね、フンッと鼻先で一蹴したかのように見えると)
ア　ハハハハ…私は、ここで○十年も店を構えているんだよ…
(アジュマが水戸黄門の印籠のように、例の20代の頃の写真を持ってきます)
私　はい、何度も見ました。
(​写真を見ながら、わあ～綺麗ですねーと言うと、ものすごい嬉しそうな顔をして)
ア　分かったよ、いくらならいい?電卓で叩いてみて。
(​私が、66000Wの提示をすると、一瞬フリーズしましたが…)
ア　いいよ!チュセヨ、チュセヨ!
私　ありがとうございます!嬉しいです。

​お金を支払い、帰ろうとすると…
突然アジュマは、私の事をムギューッと引き寄せ、ハグをし、こうつぶやきました。
「セーヘーボッマニバドゥセヨー、ヘンボクハセヨ」
(新年あけましておめでとう。幸せでいてね)

まさかのアジュマのハグ＆ヘンボクハセヨの言葉に、
私は、目頭がジーンと熱くなって、涙がこぼれそうになり、
アジュマの顔を見ると、ちょっと涙ぐんでいたように見え、最後にコットンのサービス品まで袋に入れて下さりました。
手を振って、お店を後にする事にしました。

すると、少し歩きながら、相方が言いました。
「何かいつもと違うと思ったら、箱を床に投げ捨てんやったね。顔もなんか、穏やかになってたし、恋でもしたんじゃない?」
私　あっ、ほんとや!箱を投げ捨ててない!恋したのかもしれんね、おばちゃん。
新年早々、おばちゃんのまさかのハグと言葉で、何だか心が温まり、
勝手な想像でありながら、おばちゃんの恋の行方を応援している私共でありました。

先日、「今の所、強烈度№1アジュマです」というタイトルの投稿をしたのですが、そのお店にまた行きました。

店内を進むと、奥で向こう向きにしゃがんで何かの作業をしているアジュマを見つけました。
髪型が変わり、静かでしたので、本当に同一人物かしら?と少し心配になりましたが、
「アンニョンハセヨ」と声をかけると…
さっと振り返り、私をじろっと鋭い眼光で見据えると、何が欲しいのかと喋り始めました。
「男性用のシャンプーが欲しいです」と言うと、高いシャンプーを勧めてきたので、
「もっと安いのはありませんか?」と聞くと、

「私はここで、こんな若い時から働いているんだよ!」と例の若い頃の写真を見せて下さいました(笑)
「前にも見ました。」と言うと、えっ!?と拍子抜けしたような顔をしたのですが、このシャンプーは抜け毛に良いだの、大きなサイズがあるだの「ア゛ーチンチャ」とヒートアップし始めました。
(でも、いつもの調子に戻ったので安心しました。)

すると、この騒ぎを聞きつけてか、まさかのお客様がどんどん入り始め、アジュマは接客の優先順位を誰にするかオロオロとし始めました。
「このシャンプーと口紅を買うからサービスして下さい」と言うと
「ちょっと!この位のお金(7900W)では利益が少ししかないんだから、もっと沢山買ってくれれば、サービスもあるけど、何言ってんのよ」と困り顔になったので、確かにこの金額ではあんまりだと思ったので、そのまま購入しました。

アジュマの口の周りには、昼食の食べかすがついていて、汚いなあ…、本当に接客業としては、あり得ないなあ…などと思いつつも、
「ネットにこのお店を投稿してもいいですか?」と聞くと一瞬不安な表情をしたのですが、名刺を下さいました。
「これは高級なアルガンオイルのサンプルだよ」と一つ袋に入れてくれました。
なんやかんや言ってやっぱりイイ人なんですね^^
そうでないと長年、ここでお店を出し続ける事ができないですよね。

他のお客さんは私達のやり取りを笑いながら見ていましたが、店の床は相変わらず汚くて「…」と思いつつも、なぜか憎めないアジュマですので、また覗いてみようとすぐに思ったのでした。
※コスメ店で、商品はきれいですが、清潔に敏感な方は、行くのはご遠慮下さい。

普段、あまり見ないコネストさんの「編集部日記」​を読んでいると、下記の記事に辿りつき、久しぶりに大爆笑しました。↓
​
嗚呼！愛すべき韓国のオバちゃん
https://comm.konest.com/ediary/E01/3219

韓国には、日本では考えられない、個性的なアジュマがあちこちにいらっしゃいますが、今の所、私の中で№1アジュマがいらっしゃるお店をお知らせ致します。
相方の洗顔フォームを探していて、寒さを避ける為に​「南大門路地下ショッピングセンター」を歩いていた時の事です。
2坪程しかない狭い店内に、ぎゅうぎゅう詰めに化粧品が押し込まれた店を発見しました。
ちょっと強面のアジュマがいらっしゃるのが目にとまり、恐る恐る中に入りました。
(アジュマとの会話はオール韓国語ですので、私の勝手な翻訳で以下に記載します)

私　こんにちは～。
ア　何がいるの?
(一瞬、日本人で言葉が大丈夫かな?という表情をされます)
私　男性用洗顔フォームはありますか?
ア　沢山あるよ。これは20000Wだけど、15000Wでいいよ。これは30000Wだけど、25000Wでいいよ。他では、もっと高いよ。これにする?これにしな。
私　ちょっと待って下さい。もう少し見させて下さい。匂いはどうですか?
(ここから、韓国語が少し分かると認識されたようで、声の大きさと共にジェスチャーがヒートアップしていきます​。箱入りの洗顔フォームを出したと思うと、箱を次々と床に投げ捨て)
ア　これは、オリーブで一番保湿がいいよ!これは、高級だよ!これは臭いが最高だよ!
私　分かりました。これをもう少し安くしてくれませんか?
ア　何言ってるの!これとこれ2つ買ったら少し負けるよ!特別だよ!
(​次々に箱を投げ捨て、大声でまくしたてるので、一瞬攻撃的に見えるのですが、顔は笑ってます。)
私　明洞だったら、もう少し安かったです。箱はいらないからもう少し安くして下さい。
ア　これ見て。
(いきなり誰かの写真を私に見せます)
私　誰ですか?
ア　私だよ!ハハハハ。綺麗でしょ?私はここで、〇十年も化粧品店やってるんだよ(笑)
(それは、アジュマの20代の頃の写真でした)
私　えっ!?芸能人かと思いました。
​(嬉しそうな表情を浮かべ)
ア　箱なしで2つで20000W!最低価格だよ!
(​黒いビニール袋に洗顔フォームを入れると何やらどっさり入れてくれるので、見てみると、化粧品やらシャンプーやらのサンプル品がどっさり入っていました)
私　わぁっ!ありがとうございます!また来ます
ア　ああ、また来いよ! ハハハハハハ。

あの床に散らばった箱は後で拾うのでしょうか?
そして、箱なしで安くしてくれましたが、空箱は何かに使うのでしょうか?
疑問は残りますが、接客は豪快、サービスも豪快なイイ人のようでした。
店の名前と、写真は次の訪韓時にお知らせいたしますが、箱を床に投げつけるので、すぐにこの店だと分かります。