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韓紙(ハンジ)は、楮(こうぞ)の皮を原料に、流しすきによって作られる韓国伝統の紙です。紙質は柔らかいですが、厚みのある素朴な質感で、耐久性と通気性の良さが特徴。韓紙を用いて作る紙工芸を韓紙工芸と呼び、化粧箱や筆入れなどの生活道具から箪笥などの家財道具まであらゆるものがあります。 |
韓国における製紙の歴史は長く、三国時代には麻で作る紙が普及していたといわれます。高麗時代に入り、楮(こうぞ)の皮で紙を作るようになり、これが現在の韓紙の基盤となりました。朝鮮時代は、絹の造花に代わり、韓紙の造花が王室で使われはじめ、扇子や煙草入れなどの小物も韓紙で作られるようになりました。特に倹約が美徳とされていたため、古い本や使い古しの紙を再生した紙製品が多く登場しました。 |
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流しすきで作る韓紙 |
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色も多様に揃う |
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味わい深い紙質 |
韓紙工芸は、制作方法によって大きく前紙(チョンジ)工芸、紙糊(チホ)工芸、紙縒(チスン)工芸に分けられます。前紙工芸は、韓紙を何重にも重ねて形を作ったあと、その上に色紙を貼り付ける技法で、扇子などの小物や箪笥などの家財道具が作られました。紙糊工芸は、水に浸した韓紙を糊と混ぜ紙粘土状にして作る技法で、皿や仮面などの制作に利用されました。紙縒工芸は、細長く切った韓紙を使って編んだ縄で作る技法で、カゴやお盆、敷物などがあります。伝統美を生かしながら現代の感覚を取り入れた韓紙の小物やランプなどは、実用性も兼ね備えたお土産として人気です。 |
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小物入れに使いたい箱 |
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愛らしい韓紙の人形 |
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韓紙のランプは灯りがやわらかい |