ソウル中心部・鍾路(チョンノ)のランドマーク「鍾路タワー」の隣に現れた工事現場の囲い。通りすがりの人々が時折足を止め、アクリル窓から中を覗き込んでいます。
実はこちら、ビル建設工事中に発見された遺跡の発掘現場です。約500年前と推定される37ヶ所の住居群跡と3ヶ所の道路が姿を現しました。一帯には朝鮮時代の官僚や裕福な商人階級が居住していたとされており、陶磁器などの生活品も出土しています。
朝鮮時代より重要な国家施設が集まっていたとされる鍾路エリアでは、これまでもビル建設中に遺跡が発見されることがしばしばありました。鐘閣(チョンガッ)駅前に2014年にオープンしたビル「グランソウル」建設中には、朝鮮時代の商人街跡が発掘されました。
現在「グランソウル」の入口や外壁には、出土した建物跡や陶磁器や銅製の鏡などが展示中。解説は韓国語のみですが、誰でも自由に見学することが可能です。
今回の調査が終わり次第、工事は再開されますが、発見された一部の道路は歴史的価値が高いと判断されたため復元される予定です。大都会に眠る遺構に関心のある人は、ソウル歴史博物館や東大門歴史文化公園にも展示されているので、こちらもおすすめです。
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