韓国には営業中の飲食店が全国に60万軒以上(2014年2月末基準)もあり、外食の機会が少なくありません。ソウル市をはじめとする大都市のように飲食店が密集する場所では、どの店に入ろうか迷うことも多いでしょう。
消費者の選好を助ける基準としては、食品接客業の衛生改善とサービス水準向上を図るために始まった模範飲食店制度(1989年施行)があるものの、制度に改善がないまま指定店舗が多くなり希少性が薄まった結果、有効性に疑問の声が上がっています。
そうしたなかソウル市が、消費者保護と事業者間の競争を促すため2009年に始めたのが「飲食店衛生等級制」。飲食店の衛生状態をトイレ衛生度など4分野44項目で検査し、評価点数により等級表示板を配布する制度(2年に1度再検査、Aの数が多いほど高得点)です。
等級認定された店舗はソウル市の食品安全情報サイトに登録され、広報に活用することができます。他にもソウル市では、健康維持のため量を少なく食べたい客の希望に快く応じる店であることを示すポスターを配るなど、消費者や事業者の便宜向上を図っています。
ソウル市では今年「飲食店衛生等級制」を拡大し新たに1,100店舗を公認する計画で、2015年からは全国への拡大施行も予定されています。もしソウル旅行中に飲食店選びで困ったら、店に表示されている看板にも注目してみてはいかがでしょうか。
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