韓国の国民的詩人、尹東柱(ユン・ドンジュ、1917~1945年)。日本統治下で悲劇的な生涯を送った彼の詩に心を打たれた人も多いのでは。ソウルには、そんな尹東柱にまつわるスポットがいくつかあります。出身校である延禧(ヨニ)専門学校(現・延世大学校)もその1つです。
延世(ヨンセ)大学校内のピンソン館には、尹東柱記念室があります。規模は小さいものの、直筆原稿をはじめとする貴重な資料が展示され、国内外から多くの人が訪れます。観覧時間は月曜~金曜の9時~18時(12時~13時は昼休み)、観覧は無料です。
今年7月下旬にはソウル北部の付岩洞(プアムドン)に尹東柱文学館が開館。展示のみならず、空を仰げる吹き抜けの中庭や監獄をイメージした空間なども設けられ、尹東柱の人生と詩の世界に思いを馳せられる場所となっています(月曜・祝日休館、火曜~日曜10時~18時(11月~2月は17時閉館)、無料)。
尹東柱文学館の隣にある階段を上っていくと、そこは清雲(チョンウン)公園内の「尹東柱詩人の丘」へとつながっています。丘には代表作「序詩(ソシ)」が刻まれた石碑があり、その向こうには南山タワーや高層ビル群などソウル市内の景色が広がります。
日本による統治が言語、そして氏名にまで及んだ状況下にあっても、民族の誇りと文化を守り続け、ハングルで詩を綴った尹東柱。ソウル各地にあるゆかりの地で、若くして逝った隣国の詩人の思いに触れてみませんか。
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