国家を挙げての一大イベント「G20サミット」が迫っている韓国。その影で若干押されぎみではありますが今年のもうひとつの目玉事業が進んでいることをご存知ですか?その名も「人口住宅総調査(人口センサス)」。日本の「国勢調査」に当たるもので、5年に1度の実施の年を迎え、大通り沿いの至るところに参加を呼びかけるのぼりが立っているのが見られます。
各種政策の基礎資料となる家族構成や教育水準、住居の形態などの情報を収集する目的で行われる本調査。広報大使を務めるのはドラマ「同伊(トンイ)」の主人公2人を演じたハン・ヒョジュとチ・ジニ。 朝鮮時代の戸籍制度「号牌法(ホペボッ)」を定着させた肅宗(スッチョン)王朝を素材としたドラマであったことからの選定となりました。
今年の調査では、訪問調査より一足早くインターネットでの回答を積極的に呼びかけているのもポイントです。一人住まいや共働きなどで家を空ける家庭が多いこと、訪問調査に比べてプライバシーが保護されることなどから好評を得、11月3日現在のインターネット回答率は当初の目標30%を大きく上回る40%に到達しました。これまでの世界最高記録である18%(2006年・カナダ)を大きく上回る数字です。
11月1日からはいよいよ訪問調査が開始されました。インターネットで回答していない家庭については、調査員が直接訪問し、調査票を基に10分から20分程度のインタビューをする形で進行されます。それぞれの町役場には調査員を束ねる本部が置かれ、調査締切日の11月15日までは休日もなく対応することとなります。
実はこの人口住宅総調査、今年が最後の実施です。1,800億ウォンという膨大な予算の費用対効果への疑問視、国民のプライバシー侵害に関する議論の高まりを受け、2015年からは住民登録と建築物台帳など行政資料を基に調査する「登録センサス」にとって代わられることとなりました。この最後の調査、 韓国に居住する韓国人と外国人すべてが対象となります。インターネット回答は日本語もサポートされていますので、韓国に居住する皆さんは参加してみてはいかがでしょう。
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