女子大生で賑わう梨花女子大学前。正門を出てすぐのメインストリートの傍らで、今話題の「あるもの」を売っていると聞いてやってきました。
それがこちら。「私たちはお金を恵んでくれとは言いません」「正々堂々と仕事をしているところです」と書かれた黄色い張り紙に、「THE BIG ISSUE」と書かれたベスト。そう、ホームレスに仕事を提供し、自立を促すことを目的として出版されているソーシャルエンターテイメントマガジン「THE BIG ISSUE(ザ・ビッグ・イシュー)」です。
1991年にロンドンで誕生した「THE BIG ISSUE」。日本版は2003年に創刊され目にした人も多いかと思いますが、韓国では1年半の準備期間を経て今年7月に創刊されました。韓国が世界で36カ国目の販売国だそう。価格は1冊3,000ウォン。うち1,600ウォンが販売員の収入になります。
韓国では「ビッパン(ビッグイシュー販売員の略)」と呼ばれる販売員たち。彼らが売る「THE BIG ISSUE」は、一般読者たちの関心分野である芸能やレジャーなど大衆文化を扱うと同時に、ビッパンへのインタビュー、ビッパンと読者がともにつくるセクションなど、持続的に彼らの声を伝える媒体としても機能しています。
ビッパンたちは15日間真面目に勤務を続けると、6ヶ月間の住居を与えられ、希望者には職業教育など、今後自立が出来るように支援を受けられます。街頭に立つ前には販売員としてのマナー教育も受け、決められた場所で売る、IDカードを身に着ける、笑顔を絶やさない、飲酒・喫煙をして売らない、などの規則の元に活動しています。
ホームレスであるということを勇気を持ってカミングアウトして、自立を目指して日々1冊1冊を販売するビッパンたちの姿は、8月末にKBS2のドキュメンタリー番組でも紹介され韓国でも徐々に注目を集め始めています。みなさんも街頭でビッパンを見かけたら1冊買ってみてはいかがですか?
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